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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈César Franck: Symphony in D minor
Savaria Symphony Orchestra / Peter Lücker
(Rec. October 1989, Bartók Hall, Szombathely)



セザール・フランク(César Franck, 1822-1890)は、ベルギー出身のフランスの作曲家です。
元々はリストやショパンから賞賛されるような名うてのピアニストでしたが、派手なことを嫌ったフランクは教会のオルガニストとしてつつましい生活を送りました。
フランクは、仙人みたいな作曲家で、感情を高ぶらせるような外面的効果を一切退け、形式美を徹底的に追求することで、自らが理想とする禁欲的な美を現出させることに意を注ぎました。
こうしたフランクの姿勢に、徐々に信奉者が現れ、「フランキスト」と呼ばれる一大勢力が誕生し、大器晩成ながら、フランス音楽世界への影響力は少なくなかったようです。

1888年に作られた交響曲は、現存する唯一のフランクの交響曲です。(パリ音楽院在学中に作った交響曲は紛失)
この曲が作曲された背景として、カミーユ・サン=サーンスの《オルガン付》の交響曲が発表されたことや、敬愛するフランツ・リストが亡くなったことが挙げられます。また、フランキストのヴァンサン・ダンディが《フランス山人の歌による交響曲》を発表して成功を収め、交響曲に対するフランクの創作意欲が大いに刺激されたようです。
フランクは、何の変哲もないテーマを使って峻厳な音楽を作るスペシャリストであり、この音楽でも、冒頭に現れる動機を縦横無尽に活用し、アントン・ブルックナーを思わせるようなスケールの大きな音楽を作り上げています。また、フランクの得意技は、自分が使ったテーマをそれぞれの楽章で関係付け、曲の統一感を高めるという手法で、この手法は「循環形式」といわれていますが、この交響曲でも循環形式がしっかりと使われ、曲の統一感が強められています。
ただ、こうした強固な様式の交響曲は、作曲当時の聴衆にとっては退屈なもので、1889年にパリ音楽院で行われた初演の評判は冷ややかなものだったといいます。ただ、フランク自身は、自分の理想どおりの音楽だったと満足していました。

ペーテル・リュカー(Peter Lücker)指揮するサヴァリア交響楽団の演奏は、華美さを好まないフランクのこの曲のキャラクターによくあった音を奏でます。
個々のパートに、とりわけ旨みがあるというわけではありませんが、響きが団子状になることなく、全てのパートが透けて見えるような演奏になっています。
特に、第2楽章では、コーラングレのわびしい響きにオーケストラが同調し、幽玄な音楽世界を作り出しています。
第1楽章のルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの最後の弦楽四重奏曲から借用したモチーフは、オーケストラのほの暗い響きがうまく作用し、深みのある音楽になっていますが、第3楽章ではオーケストラの集中力が弱まってしまい、第1楽章で聴かせたコシの強さが萎えてしまっているのが残念です。

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