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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Ottorino Respighi: Pini di Roma
仙台フィルハーモニー管弦楽団 / 円光寺 雅彦
(Rec. 19 February 1994, 仙台市青年文化センター) Live Recording with Applause
◈Ottorino Respighi: Fontane di Roma
仙台フィルハーモニー管弦楽団 / 梅田 俊明
(Rec. 19 February 1994, 仙台市青年文化センター) Live Recording with Applause
◈Ottorino Respighi: Feste di Roma
仙台フィルハーモニー管弦楽団 / 外山 雄三
(Rec. 19 February 1994, 仙台市青年文化センター) Live Recording with Applause



オットリーノ・レスピーギ(Ottorino Respighi, 1879-1936)は、イタリアの作曲家ながら、ロシアに留学して、ニコライ・リムスキー=コルサコフの下で管弦楽法を習得した人。
リムスキー=コルサコフ直伝の華麗なる管弦楽法を駆使して作り上げた《ローマの松》(1923-1924年作)、《ローマの噴水》(1916年作)と《ローマの祭り》(1928年作)は、「ローマ三部作」と言われ、レスピーギの代表作の一つに数えられる作品です。レスピーギは、しかし、リムスキー=コルサコフの単なるエピゴーネンにはならず、《ローマの松》の〈ジャニコロの松〉の部分では鳥の鳴き声を録音したレコードを流すように指示しており、必要とあらば、新しい方法も模索していたことが窺えます。

さて、その《ローマの松》は、4つの部分からなります。その4つの部分とは、松の木で遊ぶ子ども達に思いを馳せる〈ボルゲーゼ荘の松〉、古代ローマ時代のキリスト教の殉教者たちを思う〈カタコンブ付近の松〉、夜の静寂の美しさを描き出す〈ジャニコロの松〉と、古代ローマ時代の軍隊の勇壮さでクライマックスを演出する〈アッピア街道の松〉です。先に書いたように、〈ジャニコロの松〉には鳥の鳴き声を採録したものを流すように指示してあり、当時としても、このレコードの活用は画期的なことだったようです。初演は1924年にベルナルディーノ・モリナーリが指揮をし、なかなかの成功を収めたと言われています。

《ローマの噴水》も4つの部分からなります。その4つの部分は、牛飼いたちが牛をつれて噴水の前を通り過ぎ、朝もやの中に消えていく様を描いた〈夜明けのジュリアの谷の噴水〉、川の妖精ナーイアスとネプチューンの息子のトリトーンが戯れる様を描いた〈朝のトリトーネの噴水〉、ネプチューンの凱旋を描いた〈昼のトレヴィの噴水〉、夕暮れの寂寥感を掬い取った〈黄昏のメディチ荘の噴水〉です。1917年にアントニオ・グアルニエリがローマで初演した時には散々な結果に終わりましたが、アルトゥーロ・トスカニーニがアメリカで演奏した時には拍手喝采で迎えられ、レスピーギの代表作とまで言われるようになりました。

《ローマの祭り》は、ネロ帝時代の古代ローマでキリスト教徒が猛獣に喰い殺されるのを見て楽しむ〈チルチェンセス〉という残酷な祭りを描写したあと、ローマへの巡礼者たちが街道を歩き、目的地にたどり着くさまを描いた〈五十年祭〉が演奏され、作物の収穫を祝う〈十月祭〉を経て、ナヴォナ広場の賑やかな〈主顕祭〉で締めくくられます。初演はアルトゥーロ・トスカニーニがカーネギー・ホールで行い、大成功を収めました。

本CDは、仙台フィルハーモニー管弦楽団による100回目の定期演奏会からのライヴ・レコーディングが収録されています。
《ローマの松》を当時常任指揮者だった円光寺雅彦(Masahiko Enkoji, 1954-)が指揮をし、《ローマの噴水》を1990年から指揮者として加わった梅田俊明(Toshiaki Umeda, 1961-)が指揮をし、最後の《ローマの祭り》を当時音楽監督だった外山雄三(Yuzo Toyama, 1931-)が指揮しています。
どの演奏も、とてもテンションが高いものの、オーケストラは決して暴走しません。円光寺の指揮する《ローマの松》など、管楽セクションの輝かしさを武器にメリハリの付いた演奏を展開しています。
梅田の指揮する《ローマの噴水》は、ややムードに流されてしまった感はあるものの、〈昼のトレヴィの噴水〉など元気いっぱいにオーケストラを鳴らして熱演を繰り広げています。
しかし、ベテランの外山は、〈チルチェンセス〉豪華絢爛なオーケストレーションから極悪非道さを引きずりだしたかと思えば、〈十月祭〉をのほほんと演奏し、桁違いの表現力で聴き手を圧倒してきます。円光寺や梅田の演奏が豪奢な演奏とするならば、外山の《ローマの祭り》は、血の騒ぐようなエキサイティングな演奏と言えるでしょう。
元々記念すべき100回目の定期演奏会ということで、オーケストラも沸き立っていたのかもしれませんが、その興奮をうまく作品とシンクロさせたことによって、オーケストラの鳴りっぷりのいい演奏が収録されていると思います。

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