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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Jean Sibelius: Concerto for Violin and Orchestra in D minor, op.47
Gerhard Taschner (Vn)
Kölner Rundfunk-Sinfonie-Orchester / Herbert Sandberg
(Rec. 6 November 1956)
◈Aram Il'yich Khachaturian: Concerto for Violin and Orchestra
Gerhard Taschner (Vn)
NDR Sinfonieorchester / Hans Schmidt-Isserstedt
(Rec. 8 & 9 May 1955)
◈Pablo de Sarasate: Carmen Fantasy after Bizet's Opera
Gerhard Taschner (Vn)
Bamberger Sinfoniker / Fritz Lehmann
(Rec. 21 August 1953)



ゲルハルト・タシュナー(Gerhard Taschner, 1922-1976)は、ブロニスワフ・フーベルマンの秘蔵弟子として知られたヴァイオリニストです。
生前はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスターとして、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーを支えたことで、その名前を認知されていましたが、その実力に比べてリリースされた録音が少なく、コレクター泣かせのアーティストでした。
しかし、今日では、いろんなレーベルからタシュナーの発掘音源が発売され、逆に発売点数が多いのと音源の整理がややこしいのとで、コレクター泣かせのアーティストになっています。

ジャン・シベリウス(Jean Sibelius, 1865-1957)のヴァイオリン協奏曲は、1905年に完成したシベリウス唯一の協奏曲です。
シベリウス自身は、一時ヴァイオリニストを職業にしようと思ったほどで、ヴァイオリンの演奏法は熟知していました。
1903年に一応曲を完成させるものの、色々なアイデアを詰め込みすぎて、批評家から冗長だと指摘され、さらにブラームスのヴァイオリン協奏曲の実演を聴いて、曲を改訂することを決意しました。
そうして出来上がったのが、今広く演奏されているバージョンです。
タシュナーは、ヘルベルト・サンドベリ(Herbert Sandberg, 1902-1966)指揮するケルン放送交響楽団(現:WDR交響楽団)を向こうに回して、超絶技巧で弾きまくっています。
サンドベリはスウェーデンの指揮者で、第二世界大戦前のベルリン国立歌劇場の音楽総監督だったレオ・ブレッヒの娘婿です。
ブレッヒのアシスタントを長く務め、オペラ畑で実績を積んだ人だけに、協奏曲の合わせものには十二分な上手さを発揮します。

アラム・イリイチ・ハチャトゥリアン(Aram Il'yich Khachaturian, 1903-1978)のヴァイオリン協奏曲は、1940年の作品。
作曲されたその年の内にダヴィット・オイストラフが初演し、タシュナーがこの録音を行った頃は、ヴァイオリン協奏曲の新作でした。
しかし、いわゆる無調作品ではなく、ハチャトゥリアンの故郷のアルメニアの民俗音楽からインスピレーションを受け、土俗感あふれる作品に仕上がっています。
本CDでのタシュナーはハンス・シュミット=イッセルシュテット(Hans Schmidt-Isserstedt, 1900-1973)指揮する北ドイツ交響楽団と競演していますが、ドイツ勢の演奏においては、ハチャトゥリアンの野生的な特性を十分に捉えきれておらず、予定調和を目指した優等生的な演奏に終始しています。ドイツ人が読み直せばこういう演奏にもなるという点では興味深いですが、ハチャトゥリアン自身が出向いていれば、タシュナーのヴァイオリンももっと弾けていたことでしょう。

最後に収録されているのは、パブロ・デ・サラサーテ(Pablo de Sarasate, 1844-1908)のカルメン幻想曲です。
歌手のロッテ・レーマンの弟であるフリッツ・レーマン(Fritz Lehmann, 1904-1956)指揮するバンベルク交響楽団が伴奏をつけていますが、タシュナーの異様なノリに毒気を当てられ、次第にオーケストラの音が沸騰してくるのが面白い演奏です。レーマンは、J.S.バッハの作品を得意とする堅実な指揮者でしたが、真面目な人ほどリミッターが外れると凄まじい演奏をするものだということを知らしめてくれます。そして、めったに外れないであろうリミッターをいとも簡単に外すような演奏をするタシュナーの芸も、十分に凄まじいものです。

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