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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Johannes Brahms: Symphony No.1 in C minor, op.68
Orchestre de Paris / Charles Munch
(Rec. 8 & 12 January 1968)



ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms, 1833-1897)の交響曲第1番は、1855年に着手され、1876年に完成したという作曲家渾身の交響曲です。ベートーヴェンの影響を強く受けた作品であることは、第2楽章の雰囲気や第4楽章の第一主題からも感じ取れることですが、第1楽章冒頭など、先人に負けない音楽を書こうとする気負いが感じられます。それゆえ、指揮者のハンス・フォン・ビューローが「ベートーヴェンの交響曲第10番」などと評したのでした。
このビューローの評は、ベートーヴェンの模倣としてこき下ろしたわけではなく、ベートーヴェンの交響曲の精神を受け継ぐ曲が現れたことへの素直な感動ととるべきでしょう。

当時ドイツ領だったストラスブールに生まれたシャルル・ミュンシュ(Charles Munch, 1891-1968)は、フランス音楽とともにドイツ音楽も得意とした指揮者で、このブラームスの交響曲第1番はミュンシュが好んだレパートリーだったようです。
1967年にパリ音楽院管弦楽団が発展的解消を遂げてパリ管弦楽団が生まれたとき、初代の音楽監督に就任したミュンシュは、一気に若返り、ベルリオーズの幻想交響曲と共にこのブラームスの曲を録音しました。
出来たばかりのオーケストラということもあり、その演奏はかなり生煮えですが、血が滾るような猛烈なミュンシュの煽りと、オーケストラの青臭さが「若々しさ」という言葉で塗り替えられ、熱狂の名演奏として高く評価されています。
ところどころ荒くもあり、苦悩から歓喜へという表現にしては、終始沸騰気味ではありますが、それゆえに聴き手を感情移入させやすくする効果があるのでしょう。
用意周到に演出の練られた演奏というよりは、行き当たりばったりの勢いに任せたような演奏なため、この作品を緻密に味わいたい人には、あまり歓迎されないかもしれません。
とても80歳近い老人のテンションとは思えない演奏ですが、年甲斐もなくはしゃぎ過ぎたせいでしょうか、この録音が行われたおよそ9ヵ月後、このオーケストラとのアメリカ遠征中に、ミュンシュは心臓発作を起こして急逝してしまうのでした。

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