1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Johann Sebastian Bach: Toccata and Fugue in D minor, BWV565
◈Johann Sebastian Bach: Fantasy and Fugue in G minor, BWV542
◈Johann Sebastian Bach: Prelude and Fugue in E minor, BWV548
◈Johann Sebastian Bach: Chorale "Wachet auf, ruff uns die Stimme", BWV645
◈Johann Sebastian Bach: Passacaglia and Fugue in C minor, BWV582
Karl Richter (Org)
(Rec. October 1954, Geneva)
バッハ家はドイツの音楽家の家系としてよく知られていますが、その中でもヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750)は、「大バッハ」と呼ばれ、最も知名度の高い作曲家になっています。
本CDで演奏を披露するカール・リヒター(Karl Richter, 1926-1981)は、ドイツを代表するバッハ演奏の権威として知られた鍵盤楽器奏者です。
このCDに収められた録音は、ジュネーヴのヴィクトリア・ホールに備え付けられたオルガンで演奏されたもので、リヒターのオルガニストとしてのレコード・デビューとなった録音とのこと。
J.S.バッハのオルガン名曲集と銘打っているだけあって、この作曲家のオルガン作品でもとりわけ耳にしておかなければならない作品が厳選されています。
BWV565のトッカータとフーガは、嘉門達夫の《鼻から牛乳》で一世を風靡した出だしがよく知られています。必要最低限の装飾音でガッチリとまとめていくリヒターの演奏は、この曲のベーシックな演奏として定評がありました。
BWV542は幻想曲とフーガです。前半部分は奔放で半音階進行を多用した、J.S.バッハの時代では大胆な音楽になっていますが、フーガでは、オランダの古謡をモチーフにして堅牢な音楽を作り上げています。
リヒターは、この前半と後半の対照的な性格をことさらクローズアップするのではなく、正攻法のアプローチで安定感のある演奏を披露しています。
BWV548の前奏曲とフーガは、そのフーガの旋律が譜面で見ると楔形に見えることから「楔のフーガ」というニックネームがつけられることのある作品です。
その内容の濃さから、バッハのオルガン交響曲と呼ばれる事もある作品ですが、リヒターはわざとらしい演出を避けて淡々と演奏し、作品そのものにスケールの大きさを感得せしめています。
BWV645はコラール《目を覚ませと呼ぶ声聞こえ》です。
シュープラー・コラール集の第一曲目として位置づけられるこの曲は、同名のカンタータ(BWV140)の第一曲目の編曲です。
リヒターは、ここではゆったりとしたテンポでじっくりとメロディを紡ぎ上げていますが、装飾音でテンポに勢いがついてしまい、やや前のめりな音楽になってしまうところがあります。
最後はBWV582のパッサカリアとフーガですが、このパッサカリアはバッハ唯一のパッサカリアとなってしまいました。パッサカリアというのは、バス主題を繰り返しながら、その主題を下敷きにして変奏を加えていく音楽でそた。同趣向の音楽にシャコンヌというのがあり、このシャコンヌを軽快な音楽とし、パッサカリアを荘重な音楽として作風を区別する向きもありましたが、作曲様式の相似から、次第に名称が混同されるようになり、J.S.バッハがこの曲を作った頃は、その区別は不明瞭になっていたようです。
なにはともあれ、バッハが作品にパッサカリアの名前をつけたのはこの作品くらいしかありません。
リヒターは、パッサカリアの変奏の一つ一つを慎重に演奏し、まるで秘伝の書を開闢していくような物々しさを演出しています。
こういう構築的な音楽と、リヒターの生真面目な芸風がしっかり合致し、このCDのトリに相応しいクライマックスを築き上げています。
本CDで演奏を披露するカール・リヒター(Karl Richter, 1926-1981)は、ドイツを代表するバッハ演奏の権威として知られた鍵盤楽器奏者です。
このCDに収められた録音は、ジュネーヴのヴィクトリア・ホールに備え付けられたオルガンで演奏されたもので、リヒターのオルガニストとしてのレコード・デビューとなった録音とのこと。
J.S.バッハのオルガン名曲集と銘打っているだけあって、この作曲家のオルガン作品でもとりわけ耳にしておかなければならない作品が厳選されています。
BWV565のトッカータとフーガは、嘉門達夫の《鼻から牛乳》で一世を風靡した出だしがよく知られています。必要最低限の装飾音でガッチリとまとめていくリヒターの演奏は、この曲のベーシックな演奏として定評がありました。
BWV542は幻想曲とフーガです。前半部分は奔放で半音階進行を多用した、J.S.バッハの時代では大胆な音楽になっていますが、フーガでは、オランダの古謡をモチーフにして堅牢な音楽を作り上げています。
リヒターは、この前半と後半の対照的な性格をことさらクローズアップするのではなく、正攻法のアプローチで安定感のある演奏を披露しています。
BWV548の前奏曲とフーガは、そのフーガの旋律が譜面で見ると楔形に見えることから「楔のフーガ」というニックネームがつけられることのある作品です。
その内容の濃さから、バッハのオルガン交響曲と呼ばれる事もある作品ですが、リヒターはわざとらしい演出を避けて淡々と演奏し、作品そのものにスケールの大きさを感得せしめています。
BWV645はコラール《目を覚ませと呼ぶ声聞こえ》です。
シュープラー・コラール集の第一曲目として位置づけられるこの曲は、同名のカンタータ(BWV140)の第一曲目の編曲です。
リヒターは、ここではゆったりとしたテンポでじっくりとメロディを紡ぎ上げていますが、装飾音でテンポに勢いがついてしまい、やや前のめりな音楽になってしまうところがあります。
最後はBWV582のパッサカリアとフーガですが、このパッサカリアはバッハ唯一のパッサカリアとなってしまいました。パッサカリアというのは、バス主題を繰り返しながら、その主題を下敷きにして変奏を加えていく音楽でそた。同趣向の音楽にシャコンヌというのがあり、このシャコンヌを軽快な音楽とし、パッサカリアを荘重な音楽として作風を区別する向きもありましたが、作曲様式の相似から、次第に名称が混同されるようになり、J.S.バッハがこの曲を作った頃は、その区別は不明瞭になっていたようです。
なにはともあれ、バッハが作品にパッサカリアの名前をつけたのはこの作品くらいしかありません。
リヒターは、パッサカリアの変奏の一つ一つを慎重に演奏し、まるで秘伝の書を開闢していくような物々しさを演出しています。
こういう構築的な音楽と、リヒターの生真面目な芸風がしっかり合致し、このCDのトリに相応しいクライマックスを築き上げています。
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