1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
CD1:
◈Johann Sebastian Bach: Suite No.1 in G major, BWV1007
Pablo Casals (Vc)
(Rec. 2 June 1938, Paris)
◈Johann Sebastian Bach: Suite No.2 in D minor, BWV1008◈Johann Sebastian Bach: Suite No.3 in C major, BWV1009
Pablo Casals (Vc)
(Rec. 23 November 1936, Paris)
◈Johann Sebastian Bach: Suite No.4 in E flat major, BWV1010Pablo Casals (Vc)
(Rec. 13 June 1939, Paris)
CD2:
◈Johann Sebastian Bach: Suite No.5 in C minor, BWV1011
Pablo Casals (Vc)
(Rec. 13 June 1939, Paris)
◈Johann Sebastian Bach: Suite No.6 in D major, BWV1012Pablo Casals (Vc)
(Rec. 3 June 1938, Paris)
◈Johann Sebastian Bach (Arr. Alexander Siloti): Adagio in A minor from Toccata, Adagio and Fugue in C major BWV564Pablo Casals (Vc)
Nikolai Mednikoff (Pf)
Nikolai Mednikoff (Pf)
(Rec. 28 February 1927, Camden, New Jersey)
◈Johann Sebastian Bach (Arr. Fernand Pollain): Musette from English Suite No.6 in D major, BWV811Pablo Casals (Vc)
Nikolai Mednikoff (Pf)
Nikolai Mednikoff (Pf)
(Rec. 31 January 1928, Camden, New Jersey)
◈Johann Sebastian Bach (Arr. Alexander Siloti): Komm Süsser Tod, BWV478Pablo Casals (Vc)
Blas-Net (Pf)
Blas-Net (Pf)
(Rec. 16 June 1929 Barcelona)
◈Johann Sebastian Bach (Arr. Alexander Siloti): Andante from Sonata No.2 for unaccompanied violin, BWV1003Pablo Casals (Vc)
Blas-Net (Pf)
Blas-Net (Pf)
(Rec. 19 June 1929, Barcelona)
◈Johann Sebastian Bach (Arr. Alexander Siloti): Air from Suite No.3 in D major, BWV1068Pablo Casals (Vc)
Otto Schulhof (Pf)
Otto Schulhof (Pf)
(Rec. 6 March 1930, London)
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750)の無伴奏チェロ組曲は、ト長調の第1番(BWV1007)、ニ短調の第2番(BWV1008)、ハ長調の第3番(BWV1009)、変ホ長調の第4番(BWV1010)、ハ短調の第5番(BWV1011)、ニ長調の第6番(BWV1012)からなります。
それぞれの組曲は6曲から成り、どの曲の第1曲目も純粋器楽曲としての前奏曲が置かれています。
第2曲目以降はアルマンドやクーラント、サラバンドやジグといった古典舞曲が配置され、各組曲には適宜メヌエットやガヴォット、ブーレなどが取捨選択されています。
これらの作品のはっきりとした作曲の年代や動機などは分かっていませんが、ケーテン侯レオポルト・フォン・アーンハルトに仕えた時期(1717-1723年ごろ)に、ケーテンにいた名チェリストのクリスティアン・フェルディナント・アーベルのために作曲されたのではないかと考えられています。尤も、最近では、第6番に於いて、通常のチェロとは違った5本目の弦をもったチェロでの演奏が想定されており、J.S.バッハがチェロの表現力を探求するために個人的に作曲した可能性も示唆されています。また、近年では、J.S.バッハの考案とされる肩かけ用のチェロ(チェロ・ポンポーサとかチェロ・ダ・スパッラなどと呼ばれる)を復元使用した録音も出てきています。
今日、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲は、世界中のチェリストがこぞって演奏会のプログラムに組み込み、録音するレパートリーとして定着していますが、その先鞭をつけたのは、パブロ・カザルス(Pablo Casals, 1876-1973)でした。
しばしばカザルスがこの曲を発掘したかのように説明されることがありますが、カザルスが研究を重ねて世に問うまでは、ヴィルヘルム・フリードリヒ・グリュツマッハーというドイツのチェリストがこの曲をレパートリーに入れ、より自分の腕が映えるように改変を施したバージョンで演奏をしていました。
13歳の少年カザルスがバルセロナの店先で見つけた中古本は、このグリュツマッハーの校訂版です。
カザルスは、装飾音やボウイングを一から見直し、十数年かけて自己流の解釈にたどりつき、25歳の時に初めて、この曲を世に問うて大成功を収めました。
その反響の大きさから、カザルスは、この曲の発掘者として世に知られるようになりました。
カザルスの演奏は、この曲に音楽愛好家や演奏家たちの興味を向けさせた点で大きな業績があります。
第1番の組曲の前奏曲など、分散和音を敷き詰めただけの、何程のこともない曲ですが、カザルスは、そこから深遠な精神世界の広がりを表現しています。
第5番や第6番の組曲では、今日の名手たちと比べると、流石に技術的にいっぱいいっぱいですが、この音楽を通して何かを伝えようとする力は十二分に備わっています。
音が上行するときと下行するときのピッチも、それぞれ場合によって変動させ、微細に入る解釈には執念すら感じさせます。
一音一音噛んで含めるようにしてJ.S.バッハの音楽の偉大さを顕現しようとしたこの演奏は、今日でも強い影響力を持っています。
ただし、カザルスの演奏は、J.S.バッハのこの曲の偉大さの顕現に執心するあまり、この曲集の舞曲的側面がないがしろにされてしまっているところがあります。
たとえば、各組曲の最後に置かれたジグは、イギリス由来の民俗的な舞曲で、軽妙さが売りですが、カザルスの演奏は、そうした軽妙さを体現しえていません。
アルマンドなどの他の舞曲についても、それぞれの特徴を描き出すところにまでは至っておらず、ひたすらメロディ・ラインを浮き彫りにして、そのラインを図太く歌わせようとしています。
メロディ・ラインを朗々と歌わせることで、J.S.バッハの音楽の偉大さを喧伝するカザルスの流儀は、ブラス=ネ(Blas-Net)、ニコライ・メドニコフ(Nikolai Mednikoff)、オットー・シュルホフ(Otto Schulhof)といった伴奏ピアニストたちと演奏したアンコール用編曲集にもしっかりと示されています。
アレクサンデル・ジロティ(Alexander Siloti, 1863-1945)の編曲したG線上のアリアや、コラール《甘き死よ来たれ》、《トッカータ、アダージョとフーガ》のアダージョの部分や無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番のアンダンテ楽章、フランス人チェリストのフェルディナン・ポライン(Ferdinand Pollain, 1879-1955)が編曲したイギリス組曲第6番のミュゼットが収録されていますが、どの音楽もメロディ・ラインを歌いあげることに意識を集中しています。
こうしたカザルスのスタイルは、ロマンティックな聴き手の心を鷲掴みにする魅力と分かりやすさがあり、数多くのエピゴーネンを生み出しました。
実際、カザルスのスタイルをより深化させるのは、表現者としての演奏家にとって、一生かけて取り組むだけの価値のある課題でしょう。
しかし、最近では、カザルス流とは別のアプローチで作品の魅力を掘り起こそうという努力が活発化しています。
今では、カザルスの演奏こそがJ.S.バッハの真正の解釈とするのではなく、彼の解釈を数あるアプローチの一つとして捉えなおすべきなのかもしれません。
それぞれの組曲は6曲から成り、どの曲の第1曲目も純粋器楽曲としての前奏曲が置かれています。
第2曲目以降はアルマンドやクーラント、サラバンドやジグといった古典舞曲が配置され、各組曲には適宜メヌエットやガヴォット、ブーレなどが取捨選択されています。
これらの作品のはっきりとした作曲の年代や動機などは分かっていませんが、ケーテン侯レオポルト・フォン・アーンハルトに仕えた時期(1717-1723年ごろ)に、ケーテンにいた名チェリストのクリスティアン・フェルディナント・アーベルのために作曲されたのではないかと考えられています。尤も、最近では、第6番に於いて、通常のチェロとは違った5本目の弦をもったチェロでの演奏が想定されており、J.S.バッハがチェロの表現力を探求するために個人的に作曲した可能性も示唆されています。また、近年では、J.S.バッハの考案とされる肩かけ用のチェロ(チェロ・ポンポーサとかチェロ・ダ・スパッラなどと呼ばれる)を復元使用した録音も出てきています。
今日、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲は、世界中のチェリストがこぞって演奏会のプログラムに組み込み、録音するレパートリーとして定着していますが、その先鞭をつけたのは、パブロ・カザルス(Pablo Casals, 1876-1973)でした。
しばしばカザルスがこの曲を発掘したかのように説明されることがありますが、カザルスが研究を重ねて世に問うまでは、ヴィルヘルム・フリードリヒ・グリュツマッハーというドイツのチェリストがこの曲をレパートリーに入れ、より自分の腕が映えるように改変を施したバージョンで演奏をしていました。
13歳の少年カザルスがバルセロナの店先で見つけた中古本は、このグリュツマッハーの校訂版です。
カザルスは、装飾音やボウイングを一から見直し、十数年かけて自己流の解釈にたどりつき、25歳の時に初めて、この曲を世に問うて大成功を収めました。
その反響の大きさから、カザルスは、この曲の発掘者として世に知られるようになりました。
カザルスの演奏は、この曲に音楽愛好家や演奏家たちの興味を向けさせた点で大きな業績があります。
第1番の組曲の前奏曲など、分散和音を敷き詰めただけの、何程のこともない曲ですが、カザルスは、そこから深遠な精神世界の広がりを表現しています。
第5番や第6番の組曲では、今日の名手たちと比べると、流石に技術的にいっぱいいっぱいですが、この音楽を通して何かを伝えようとする力は十二分に備わっています。
音が上行するときと下行するときのピッチも、それぞれ場合によって変動させ、微細に入る解釈には執念すら感じさせます。
一音一音噛んで含めるようにしてJ.S.バッハの音楽の偉大さを顕現しようとしたこの演奏は、今日でも強い影響力を持っています。
ただし、カザルスの演奏は、J.S.バッハのこの曲の偉大さの顕現に執心するあまり、この曲集の舞曲的側面がないがしろにされてしまっているところがあります。
たとえば、各組曲の最後に置かれたジグは、イギリス由来の民俗的な舞曲で、軽妙さが売りですが、カザルスの演奏は、そうした軽妙さを体現しえていません。
アルマンドなどの他の舞曲についても、それぞれの特徴を描き出すところにまでは至っておらず、ひたすらメロディ・ラインを浮き彫りにして、そのラインを図太く歌わせようとしています。
メロディ・ラインを朗々と歌わせることで、J.S.バッハの音楽の偉大さを喧伝するカザルスの流儀は、ブラス=ネ(Blas-Net)、ニコライ・メドニコフ(Nikolai Mednikoff)、オットー・シュルホフ(Otto Schulhof)といった伴奏ピアニストたちと演奏したアンコール用編曲集にもしっかりと示されています。
アレクサンデル・ジロティ(Alexander Siloti, 1863-1945)の編曲したG線上のアリアや、コラール《甘き死よ来たれ》、《トッカータ、アダージョとフーガ》のアダージョの部分や無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番のアンダンテ楽章、フランス人チェリストのフェルディナン・ポライン(Ferdinand Pollain, 1879-1955)が編曲したイギリス組曲第6番のミュゼットが収録されていますが、どの音楽もメロディ・ラインを歌いあげることに意識を集中しています。
こうしたカザルスのスタイルは、ロマンティックな聴き手の心を鷲掴みにする魅力と分かりやすさがあり、数多くのエピゴーネンを生み出しました。
実際、カザルスのスタイルをより深化させるのは、表現者としての演奏家にとって、一生かけて取り組むだけの価値のある課題でしょう。
しかし、最近では、カザルス流とは別のアプローチで作品の魅力を掘り起こそうという努力が活発化しています。
今では、カザルスの演奏こそがJ.S.バッハの真正の解釈とするのではなく、彼の解釈を数あるアプローチの一つとして捉えなおすべきなのかもしれません。
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