1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Heinrich Ignaz Biber: Rosary Sonatas
Susanne Lautenbacher (Vn)
Rudolf Ewerhardt (Org & Chemb)
Johannes Koch (Gamb)
Rudolf Ewerhardt (Org & Chemb)
Johannes Koch (Gamb)
(Rec. 1962)
《ロザリオのソナタ》と呼ばれている、このソナタ集は、1676年に発表され、ボヘミア出身の作曲家であるハインリッヒ・イグナーツ・ビーバー(Heinrich Ignaz Biber, 1644-1704)の代表作です。
ビーバーはボヘミア(現在のチェコのあたり)でヴァイオリニストとして修行を積んだ後、ザルツブルグの宮廷に行き、宮廷楽長の座まで上り詰めた人で、この《ロザリオのソナタ》を聴いた限りでは、ヴァイオリニストとして抜きん出ていた才能の持ち主だったことが伺えます。
この《ロザリオのソナタ》というのは、ビーバーが名づけた名前ではありません。
聖母マリアの15の秘蹟をそれぞれソナタで表現し、最後に無伴奏ヴァイオリンのためのパッサカリアを置くという凝った発想の曲なため、ビーバーも何かしらネーミングを考えたはずですが、残念ながら、この曲の原本の表紙がなくなっており、ビーバーの付けたタイトルが分からなくなっています。
そんなわけで、ロザリオのソナタとか、秘蹟(ミステリー)のソナタとか、後世の人たちが勝手にタイトルをつけています。
この作品は、ヴァイオリンのパートに、一曲一曲調弦を変えて演奏をするという、「スコルダトゥーラ」という技が使われている点から、連続演奏が困難な作品でもあります。ソナタ一曲弾き終わるたびに調弦しなおさなければならないという面倒さから、なかなか実演で取り上げられません。
この作品はザルツブルグの大司教に献呈されたとのことですので、ひょっとすると、教会での聖母マリアの説教の余興として企画された作品だったのかもしれません。
演奏は、スザンネ・ラウテンバッハー(Susanne Lautenbacher, 1932-)と鍵盤楽器奏者のルドルフ・エヴァーハルト(Rudolf Ewerhardt, 1928-)、そしてヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のヨハネス・コッホ(Johannes Koch, 1918-1973)というドイツ勢によるもの。
近年は作曲当時の楽器や演奏様式を復元して演奏するのが主流ですが、ラウテンバッハーらの演奏は、そうした時代考証の研究が進展する前の作品であり、ヴァイオリンに関してはモダン・ヴァイオリンを使っています。
ラウテンバッハーらの演奏は、近年の古楽器による演奏と比べると、細かい仕掛けがほとんどなく、ただひたすら淡々と楽譜に書かれた音を実音化していくことに徹した、いわば地味な演奏です。
しかし、これらの曲集が要求するテクニックを、非の打ち所がなく、さらに説得力も加わるようなレベルでガッチリ演奏しており、忠雄とを並べただけでしかない演奏とは一線を画します。
一切の虚飾をかなぐり捨てて、腹を据えてビーバーと向き合うような、とても手応えのある演奏でした。
ビーバーはボヘミア(現在のチェコのあたり)でヴァイオリニストとして修行を積んだ後、ザルツブルグの宮廷に行き、宮廷楽長の座まで上り詰めた人で、この《ロザリオのソナタ》を聴いた限りでは、ヴァイオリニストとして抜きん出ていた才能の持ち主だったことが伺えます。
この《ロザリオのソナタ》というのは、ビーバーが名づけた名前ではありません。
聖母マリアの15の秘蹟をそれぞれソナタで表現し、最後に無伴奏ヴァイオリンのためのパッサカリアを置くという凝った発想の曲なため、ビーバーも何かしらネーミングを考えたはずですが、残念ながら、この曲の原本の表紙がなくなっており、ビーバーの付けたタイトルが分からなくなっています。
そんなわけで、ロザリオのソナタとか、秘蹟(ミステリー)のソナタとか、後世の人たちが勝手にタイトルをつけています。
この作品は、ヴァイオリンのパートに、一曲一曲調弦を変えて演奏をするという、「スコルダトゥーラ」という技が使われている点から、連続演奏が困難な作品でもあります。ソナタ一曲弾き終わるたびに調弦しなおさなければならないという面倒さから、なかなか実演で取り上げられません。
この作品はザルツブルグの大司教に献呈されたとのことですので、ひょっとすると、教会での聖母マリアの説教の余興として企画された作品だったのかもしれません。
演奏は、スザンネ・ラウテンバッハー(Susanne Lautenbacher, 1932-)と鍵盤楽器奏者のルドルフ・エヴァーハルト(Rudolf Ewerhardt, 1928-)、そしてヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のヨハネス・コッホ(Johannes Koch, 1918-1973)というドイツ勢によるもの。
近年は作曲当時の楽器や演奏様式を復元して演奏するのが主流ですが、ラウテンバッハーらの演奏は、そうした時代考証の研究が進展する前の作品であり、ヴァイオリンに関してはモダン・ヴァイオリンを使っています。
ラウテンバッハーらの演奏は、近年の古楽器による演奏と比べると、細かい仕掛けがほとんどなく、ただひたすら淡々と楽譜に書かれた音を実音化していくことに徹した、いわば地味な演奏です。
しかし、これらの曲集が要求するテクニックを、非の打ち所がなく、さらに説得力も加わるようなレベルでガッチリ演奏しており、忠雄とを並べただけでしかない演奏とは一線を画します。
一切の虚飾をかなぐり捨てて、腹を据えてビーバーと向き合うような、とても手応えのある演奏でした。
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