1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
CD1:
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Piano Cocerto No.9 in E-flat major, K271
Mieczysław Horszowski (Pf)
Musica Aeterna Orchestra / Frederic Waldman
(Rec. 17 March 1962) Live Recording with Applause
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Piano Sonata No.15 in C major, K545Mieczysław Horszowski (Pf)
(Rec. 24 March 1972)
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Piano Concerto No.12 in A major, K414Mieczysław Horszowski (Pf)
Musica Aeterna Orchestra / Frederic Waldman
(Rec. 17 March 1962) Live Recording with Applause
CD2:
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Piano Concerto No.13 in C major, K415
Mieczisław Horszowski(Pf)
Musica Aeterna Orchestra / Frederic Waldman
(Rec. 16 December 1967) Live Recoeding with Applause
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Piano Concerto No.14 in E-flat major, K449Mieczisław Horszowski (Pf)
Musica Aeterna Orchestra / Frederic Waldmanz
(Rec. 24 March 1962) Live Recording with Applause
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Piano Concerto No.19 in F minor, K459Mieczisław Horszowski (Pf)
Musica Aeterna Orchestra / Frederic Waldman
(Rec. 31 March 1962) Live Recording with Applause
パブロ・カザルスやヨーゼフ・シゲティといった、往年の名手たちが絶大な信頼を寄せていたピアニスト。それがポーランド出身のミエチスワフ・ホルショフスキ(Mieczisław Horszowski, 1892-1993)です。フレデリック・ショパンの直弟子カール・ミクリやテオドール・レシェティツキなどに教わり、神童ピアニストとして名声を博したホルショフスキでしたが、特に日本ではカザルスやシゲティの相手役という印象が強かったように思います。
もっとも、ホルショフスキは、カーティス音楽院のピアノ科教授として、アントン・クェルティ、ピーター・ゼルキン、リチャード・グートといった名ピアニストを育てていて、ピアノ教師としても名伯楽だったことは知る人ぞ知る事実です。
1983年に、弟子のマレイ・ペライアがイギリスのオールドバラ音楽祭でホルショフスキを招待したところ、ソリストとして再評価されるようになり、100歳で亡くなるまで引退せずに音楽活動を継続しました。
ソリストとして再評価されるようになってから、ホルショフスキがソリストを務めた録音がいたるところで発掘・再発見され、このパール・レーベルが復刻した一連のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)のピアノ協奏曲集は、そうした時流に乗っかった商品だといえます。
本CD集には、第9番(K271)、第12番(K414)、第13番(K415)、第14番(K449)、第19番(K459)のピアノ協奏曲5曲と、第15番のピアノ・ソナタ(K545)が収録されています。
協奏曲のお相手は、フレデリック・ウォルドマン(Frederic Waldman, 1903-1995)指揮するムジカ・エテルナ管弦楽団です。ムジカ・エテルナなんて団体名は、どこにでも転がっているような団体名ですが、このオーケストラは後述するように、ウォルドマンが篤志家のアリス・トゥリーという富豪の後援を受けて組織した、自前のオーケストラです。
ウォルドマンは、ルイージ・ダラピッコラの《囚人》やゾルターン・コダーイの《ハーリ・ヤーノシュ》など、20世紀ヨーロッパの重要作品をアメリカに紹介した功績で知られる音楽家です。
元々リヒャルト・ロベルトに個人レッスンを受け、将来ピアニストになるはずでしたが、オーケストラへの興味も捨てがたく、ウィーン在住の作曲家のカール・ヴァイクルの門を叩いたり、指揮者として活動を始めた兄弟子のジョージ・セルに指揮法を教えてもらったりしています。こうして得たノウハウを基に、ドイツ各地の歌劇場の練習ピアニストになり、アルトゥーロ・トスカニーニやリヒャルト・シュトラウスらの知己を得、オランダのヨース・バレエ団の音楽監督として指揮者としての活動を本格化させています。ウォルドマンは、イギリスでも指揮法の先生として知られるようになりましたが、1941年には第二次世界大戦の戦禍を逃れてアメリカに亡命し、マンネス音楽院の指揮法講師の仕事を皮切りに、ジュリアード音楽院の指揮科で教鞭をとる一方で、室内楽のピアニストとして音楽活動を継続していました。そこで、リンカーン・センターでコンサートの企画をしていたトゥリーと出会い、1956年から自前のオーケストラを組織し、指揮者としてコンサートを開くようになりました。そこでは、バッハ一族の音楽を紹介したり、18世紀のフランス音楽を掘り起こしたりと、忘れられた作品の再評価にも力を入れていたことが知られています。ムジカ・エテルナ管弦楽団とのコンサート活動は1961年からになりますが、ウォルドマンのコンサートに出演したソリストの名前には、ホルショフスキの他にも、クリフォード・カーゾン、クラウディオ・アラウ、ジーナ・バッカウアー、ロベール・カサドシュ、ナタン・ミルシテイン、エリカ・モリーニ、ジノ・フランチェスカッティと、名だたる名手たちの名前が並んでいます。
本CD集に収録されている一連のライヴは、元々イギリスからマイラ・ヘスを招聘してコンサートを開く予定でしたが、ヘスは持病の心臓病を悪化させており、とてもニューヨークまで来れる状態ではありませんでした。そこで、ウォルドマンが直接ホルショフスキに電話をかけ、本録音が実現したとのことです。
さて、演奏のほうはというと、ウォルドマンの指揮するムジカ・エテルナ管弦楽団の演奏能力は高くありません。
ウォルドマンの遺族が所有する音源からの復刻なため、音色がデッドなモノラル録音であるというのが、これらの演奏の印象を低めているということもありますが、管楽器と弦楽器の音色のブレンド感が弱く、いまひとつ音色が垢抜けません。
オーボエやフルートといったパートがモチーフを主導するあたりでは、ニュアンスのある演奏を披露しますが、トゥッティになるとホルンらの音とかち合い、響きが濁ってしまいます。
出だしが遅れたり、音が落ちたりといったタイミングのミスがない代わりに、細かい音の扱いが雑で、目立つところだけ張り切ろうとするところに、アンサンブルの手抜きを感じてしまいます。
ホルショフスキのピアノは、両端楽章ではミスタッチが散見されますが、緩徐楽章に入ると、グッと表情付けが丁寧になり、ボソボソした音のオーケストラがつられて歌いだしてしまうほどの魅力を放っています。
1972年録音の第15番のピアノ・ソナタは、80歳を超えようかというピアニストの演奏にしては矍鑠とした演奏になっています。
ただ、第1楽章と第3楽章は、健在振りを示そうと力が入ったのか、テンポを飛ばしすぎ、そのために指がもつれてしまっています。
第2楽章は、ホルショフスキの持ち味であるコクの深さがにじみ出て、黒光りするような味わいが楽しめます。
もっとも、ホルショフスキは、カーティス音楽院のピアノ科教授として、アントン・クェルティ、ピーター・ゼルキン、リチャード・グートといった名ピアニストを育てていて、ピアノ教師としても名伯楽だったことは知る人ぞ知る事実です。
1983年に、弟子のマレイ・ペライアがイギリスのオールドバラ音楽祭でホルショフスキを招待したところ、ソリストとして再評価されるようになり、100歳で亡くなるまで引退せずに音楽活動を継続しました。
ソリストとして再評価されるようになってから、ホルショフスキがソリストを務めた録音がいたるところで発掘・再発見され、このパール・レーベルが復刻した一連のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)のピアノ協奏曲集は、そうした時流に乗っかった商品だといえます。
本CD集には、第9番(K271)、第12番(K414)、第13番(K415)、第14番(K449)、第19番(K459)のピアノ協奏曲5曲と、第15番のピアノ・ソナタ(K545)が収録されています。
協奏曲のお相手は、フレデリック・ウォルドマン(Frederic Waldman, 1903-1995)指揮するムジカ・エテルナ管弦楽団です。ムジカ・エテルナなんて団体名は、どこにでも転がっているような団体名ですが、このオーケストラは後述するように、ウォルドマンが篤志家のアリス・トゥリーという富豪の後援を受けて組織した、自前のオーケストラです。
ウォルドマンは、ルイージ・ダラピッコラの《囚人》やゾルターン・コダーイの《ハーリ・ヤーノシュ》など、20世紀ヨーロッパの重要作品をアメリカに紹介した功績で知られる音楽家です。
元々リヒャルト・ロベルトに個人レッスンを受け、将来ピアニストになるはずでしたが、オーケストラへの興味も捨てがたく、ウィーン在住の作曲家のカール・ヴァイクルの門を叩いたり、指揮者として活動を始めた兄弟子のジョージ・セルに指揮法を教えてもらったりしています。こうして得たノウハウを基に、ドイツ各地の歌劇場の練習ピアニストになり、アルトゥーロ・トスカニーニやリヒャルト・シュトラウスらの知己を得、オランダのヨース・バレエ団の音楽監督として指揮者としての活動を本格化させています。ウォルドマンは、イギリスでも指揮法の先生として知られるようになりましたが、1941年には第二次世界大戦の戦禍を逃れてアメリカに亡命し、マンネス音楽院の指揮法講師の仕事を皮切りに、ジュリアード音楽院の指揮科で教鞭をとる一方で、室内楽のピアニストとして音楽活動を継続していました。そこで、リンカーン・センターでコンサートの企画をしていたトゥリーと出会い、1956年から自前のオーケストラを組織し、指揮者としてコンサートを開くようになりました。そこでは、バッハ一族の音楽を紹介したり、18世紀のフランス音楽を掘り起こしたりと、忘れられた作品の再評価にも力を入れていたことが知られています。ムジカ・エテルナ管弦楽団とのコンサート活動は1961年からになりますが、ウォルドマンのコンサートに出演したソリストの名前には、ホルショフスキの他にも、クリフォード・カーゾン、クラウディオ・アラウ、ジーナ・バッカウアー、ロベール・カサドシュ、ナタン・ミルシテイン、エリカ・モリーニ、ジノ・フランチェスカッティと、名だたる名手たちの名前が並んでいます。
本CD集に収録されている一連のライヴは、元々イギリスからマイラ・ヘスを招聘してコンサートを開く予定でしたが、ヘスは持病の心臓病を悪化させており、とてもニューヨークまで来れる状態ではありませんでした。そこで、ウォルドマンが直接ホルショフスキに電話をかけ、本録音が実現したとのことです。
さて、演奏のほうはというと、ウォルドマンの指揮するムジカ・エテルナ管弦楽団の演奏能力は高くありません。
ウォルドマンの遺族が所有する音源からの復刻なため、音色がデッドなモノラル録音であるというのが、これらの演奏の印象を低めているということもありますが、管楽器と弦楽器の音色のブレンド感が弱く、いまひとつ音色が垢抜けません。
オーボエやフルートといったパートがモチーフを主導するあたりでは、ニュアンスのある演奏を披露しますが、トゥッティになるとホルンらの音とかち合い、響きが濁ってしまいます。
出だしが遅れたり、音が落ちたりといったタイミングのミスがない代わりに、細かい音の扱いが雑で、目立つところだけ張り切ろうとするところに、アンサンブルの手抜きを感じてしまいます。
ホルショフスキのピアノは、両端楽章ではミスタッチが散見されますが、緩徐楽章に入ると、グッと表情付けが丁寧になり、ボソボソした音のオーケストラがつられて歌いだしてしまうほどの魅力を放っています。
1972年録音の第15番のピアノ・ソナタは、80歳を超えようかというピアニストの演奏にしては矍鑠とした演奏になっています。
ただ、第1楽章と第3楽章は、健在振りを示そうと力が入ったのか、テンポを飛ばしすぎ、そのために指がもつれてしまっています。
第2楽章は、ホルショフスキの持ち味であるコクの深さがにじみ出て、黒光りするような味わいが楽しめます。
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