1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Ernest Chausson: Concert, op.21
Lorin Maazel (Vn)
Israela Margalit (Pf)
The Cleveland Orchestra String Quartet
Israela Margalit (Pf)
The Cleveland Orchestra String Quartet
{Daniel Majeske (1st.Vn), Bernhard Goldschmidt (2nd.Vn),
Robert Vernon (Vla), Stephen Geber (Vc)}
Robert Vernon (Vla), Stephen Geber (Vc)}
(Rec. 4-6 May 1979, Severance Hall, Cleveland, Ohio)
ロリン・マゼール(Lorin Maazel, 1930-)は、フランス出身のアメリカの指揮者ですが、ヴァイオリニストとしてもソリスト級の腕前を持っているということは周知の事実です。何度かヴァイオリンを弾きながら指揮をしたこともあります。
そんなマゼールのヴァイオリニストとしての代表的録音が、クリーヴランド四重奏団と録音した、このエルネスト・ショーソン(Ernest Chausson, 1855-1899)の《コンセール》の録音です。
クリーヴランド弦楽四重奏団は、クリーヴランド管弦楽団のコンサートマスターのダニエル・マジェスケ(Daniel Majeske, 1932-1993)がオーケストラのメンバーと結成したカルテットです。
この録音が行われた1979年は、マゼールがクリーヴランド管弦楽団の音楽監督をやっていたこともあり、その縁でこの録音が行われたようです。
なお、ピアノを担当しているイスラエラ・マルガリット(Israela Margalit, 1944-)はロリン・マゼールの奥さんでした。
ショーソンのこの曲は、ウジェーヌ・イザイのために1889年から2年がかりで書き上げた力作です。
しばしば「協奏曲」と間違われますが、実際は「協奏曲」(Concerto)ではなく「コンセール」(Concert)です。
ヴァイオリン・ソナタに弦楽四重奏を合体させたような作品は、ヴァイオリンとピアノを独奏とする弦楽四重奏が伴奏の協奏曲と見立ててしまいがちなので、しばしば「協奏曲」という訳語と取り違えられますが、こうした取り違えは、ある意味この作品の本質をついた言葉なのかもしれません。
実際、独奏のヴァイオリンとピアノのパートは、ソリスト並の腕前を要求しますし、弦楽四重奏もオーケストラ並の存在感を示しています。
実際、初演するとき、初演予定のピアニストがあまりの難易度の高さに逃亡してしまったというエピソードがあります。
それぞれの奏者が練達の腕前を持っていないと、ショーソンならではのエモーショナルな高まりを表現しつくせないがゆえに、人選の難しい音楽だといえます。
この曲は、時としてヴァイオリン vs ピアノ五重奏になったり、ヴァイオリン&ピアノ vs 弦楽四重奏になったりと、アンサンブルの駆け引きが非常に面白い作品ですが、お互い拮抗しながら絶妙なブレンドを作り上げていき、最終的には六重奏曲として堂々たるフィナーレを築き上げます。br />紆余曲折を経てハッピーエンドに至るというドラマティックな展開が、ショーソンならではのエロティックな楽器間の絡み合いと相俟って、聴き手に充足感を与えてくれます。
マゼールの演奏については、正直彼のヴァイオリンそのものはパッとしませんが、彼のヴァイオリンをコーティングしていく面々がマゼールのヴァイオリンを底上げしています。
楽章のシシリエンヌなど、自信のなさそうなマゼールのヴァイオリンが、内省的なメロディとまっちしていい味を出し、クリーヴランド弦楽四重奏団の面々がピアノにピッタリと張り付いて、絶妙なアンサンブルを聴かせてくれます。ピアノはちょっと一本調子ですが、クリーヴランド弦楽四重奏団が寄せては返す変幻自在のニュアンスでサポートしているので、ピアノが実力以上にうまく聴こえます。
第3楽章は少々だれ気味かもしれませんが、第1楽章と第4楽章で情熱の炎がちらつくような演奏をしているので、こうした中だるみは、全曲を通して聴いたあとではそれほど気になりませんでした。
そんなマゼールのヴァイオリニストとしての代表的録音が、クリーヴランド四重奏団と録音した、このエルネスト・ショーソン(Ernest Chausson, 1855-1899)の《コンセール》の録音です。
クリーヴランド弦楽四重奏団は、クリーヴランド管弦楽団のコンサートマスターのダニエル・マジェスケ(Daniel Majeske, 1932-1993)がオーケストラのメンバーと結成したカルテットです。
この録音が行われた1979年は、マゼールがクリーヴランド管弦楽団の音楽監督をやっていたこともあり、その縁でこの録音が行われたようです。
なお、ピアノを担当しているイスラエラ・マルガリット(Israela Margalit, 1944-)はロリン・マゼールの奥さんでした。
ショーソンのこの曲は、ウジェーヌ・イザイのために1889年から2年がかりで書き上げた力作です。
しばしば「協奏曲」と間違われますが、実際は「協奏曲」(Concerto)ではなく「コンセール」(Concert)です。
ヴァイオリン・ソナタに弦楽四重奏を合体させたような作品は、ヴァイオリンとピアノを独奏とする弦楽四重奏が伴奏の協奏曲と見立ててしまいがちなので、しばしば「協奏曲」という訳語と取り違えられますが、こうした取り違えは、ある意味この作品の本質をついた言葉なのかもしれません。
実際、独奏のヴァイオリンとピアノのパートは、ソリスト並の腕前を要求しますし、弦楽四重奏もオーケストラ並の存在感を示しています。
実際、初演するとき、初演予定のピアニストがあまりの難易度の高さに逃亡してしまったというエピソードがあります。
それぞれの奏者が練達の腕前を持っていないと、ショーソンならではのエモーショナルな高まりを表現しつくせないがゆえに、人選の難しい音楽だといえます。
この曲は、時としてヴァイオリン vs ピアノ五重奏になったり、ヴァイオリン&ピアノ vs 弦楽四重奏になったりと、アンサンブルの駆け引きが非常に面白い作品ですが、お互い拮抗しながら絶妙なブレンドを作り上げていき、最終的には六重奏曲として堂々たるフィナーレを築き上げます。br />紆余曲折を経てハッピーエンドに至るというドラマティックな展開が、ショーソンならではのエロティックな楽器間の絡み合いと相俟って、聴き手に充足感を与えてくれます。
マゼールの演奏については、正直彼のヴァイオリンそのものはパッとしませんが、彼のヴァイオリンをコーティングしていく面々がマゼールのヴァイオリンを底上げしています。
楽章のシシリエンヌなど、自信のなさそうなマゼールのヴァイオリンが、内省的なメロディとまっちしていい味を出し、クリーヴランド弦楽四重奏団の面々がピアノにピッタリと張り付いて、絶妙なアンサンブルを聴かせてくれます。ピアノはちょっと一本調子ですが、クリーヴランド弦楽四重奏団が寄せては返す変幻自在のニュアンスでサポートしているので、ピアノが実力以上にうまく聴こえます。
第3楽章は少々だれ気味かもしれませんが、第1楽章と第4楽章で情熱の炎がちらつくような演奏をしているので、こうした中だるみは、全曲を通して聴いたあとではそれほど気になりませんでした。
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