1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Johannes Brahms: Violin Concerto in D major, op.77
Ginette Neveu (Vn)
Orchestre symphonique de Radio Hambourg / Hans Schmidt-Isserstedt
(Rec. 3 May 1948, Musikhalle de Hambourg) Live Redording without Applause
ドイツの作曲家のヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms, 1833-1897)が書いた唯一のヴァイオリン協奏曲です。
ヴァイオリン協奏曲を書くきっかけになったのは、1877年にパブロ・デ・サラサーテが弾くマックス・ブルッフのヴァイオリン協奏曲第2番を聴いたことです。ブルッフの曲を聴いたとき、サラサーテの技巧には感心したものの、ブルッフの曲に関しては「オレのほうがもっとすごいのを書ける」ということで、作曲することになりました。
作曲に当たって、ブラームスは、一応初期の音楽教育でコントラバス奏者の父親からヴァイオリンの機能性について教わったものの、ヴァイオリン協奏曲を書き上げるための名技性までは熟知しておらず、友人のヴァイオリニストであるヨーゼフ・ヨアヒムに連絡を取って、ヴァイオリン協奏曲のテクニック面でのアドバイスを貰いながら作曲を進めました。
ブラームスは、この曲を4楽章構成にしたいと考えていましたが、ヨアヒムはあくまで3楽章構成で作ることを望み、ヨアヒムの意見を呑んで伝統的な3楽章の協奏曲にしています。しかし、技術的な面については、ヨアヒムの要求を全て聞き入れたわけではないようで、独奏ヴァイオリンよりもオーケストラのほうが目立つのは、ブラームスならではの意匠です。
この曲は1879年の正月にライプツィヒで初演され、初演のソリストを務めたヨアヒムに捧げられましたが、ブラームスはサラサーテにもこの曲の総譜を郵送しています。
しかし、サラサーテは第二楽章を見て、「オーボエがメロディを奏でている間、どの面下げてボーッと立っていろというんだ!」といい、この曲を生涯演奏しようとしませんでした。
さて、本CDの演奏は、ジネット・ヌヴー(Ginette Neveu, 1919-1949)がヴァイオリン独奏を務め、ハンス・シュミット=イッセルシュテット(Hans Schmidt-Isserstedt, 1900-1973)指揮するハンブルクの北ドイツ放送交響楽団が伴奏を担当しています。
この演奏は、PhilipsやTahraなど、多くの会社が復刻してきましたが、このStilというレーベルのCDが、マスター・テープからの復刻ということで、ベストとされています。
ヌヴーの演奏は、音の線こそ細いものの、表現を変幻自在に変えるあたり、往年のソプラノ歌手であるキャシー・バーベリアンと像が重なります。
ヌヴーは、重厚壮大な第1楽章を、切り込み隊長のような気迫で演奏し、しかもそれが聴き手のツボに嵌っている点で成功しています。
この楽章は、オーケストラの書法が充実しすぎていて、独奏ヴァイオリンを押しつぶさんばかりなのですが、ヌヴーは軽いフットワークでオーケストラの重圧をヒラリヒラリと躱していくような痛快さがあり、そのスリルに聴き手の耳は釘付けになってしまうのでしょう。
第2楽章は、スリリングな第一楽章と打って変わって、清潔な歌い口でオーボエの奏でるメロディーを受け、純情可憐な演奏を披露します。まるで戦乙女の意外な日常を垣間見るかのようなギャップが、この楽章でのヌヴーの演奏の魅力だといえます。
第3楽章でのヌヴーは、第1楽章でのスリルに奔放さを加え、興に乗った演奏を披露します。
その弾きっぷりは、さながらカルメンのようですが、シュミット=イッセルシュテットがガッチリと脇を固めているので、その奔放さが品のなさへと堕することはありません。
まるで大胆な一筆書きのような勢いを持った演奏であるがゆえに、聴き手に新鮮なインパクトを与え続けています。
シュミット=イッセルシュテットの伴奏は、ヌヴーの奔放さに振り回されることなく、むしろヌヴーが自由に踊れる土台をしっかり築いているところに、その仕事の価値が現れています。
気ままさと堅実さのコントラストが、お互いを打ち消しあうのではなく、魅力を倍化させる方向へと転化しているがゆえに、この演奏は古くから多くの人に支持されているのだといえます。
なお、ライヴ・レコーディングですが、終演後の拍手はきれいにカットされています。
ヴァイオリン協奏曲を書くきっかけになったのは、1877年にパブロ・デ・サラサーテが弾くマックス・ブルッフのヴァイオリン協奏曲第2番を聴いたことです。ブルッフの曲を聴いたとき、サラサーテの技巧には感心したものの、ブルッフの曲に関しては「オレのほうがもっとすごいのを書ける」ということで、作曲することになりました。
作曲に当たって、ブラームスは、一応初期の音楽教育でコントラバス奏者の父親からヴァイオリンの機能性について教わったものの、ヴァイオリン協奏曲を書き上げるための名技性までは熟知しておらず、友人のヴァイオリニストであるヨーゼフ・ヨアヒムに連絡を取って、ヴァイオリン協奏曲のテクニック面でのアドバイスを貰いながら作曲を進めました。
ブラームスは、この曲を4楽章構成にしたいと考えていましたが、ヨアヒムはあくまで3楽章構成で作ることを望み、ヨアヒムの意見を呑んで伝統的な3楽章の協奏曲にしています。しかし、技術的な面については、ヨアヒムの要求を全て聞き入れたわけではないようで、独奏ヴァイオリンよりもオーケストラのほうが目立つのは、ブラームスならではの意匠です。
この曲は1879年の正月にライプツィヒで初演され、初演のソリストを務めたヨアヒムに捧げられましたが、ブラームスはサラサーテにもこの曲の総譜を郵送しています。
しかし、サラサーテは第二楽章を見て、「オーボエがメロディを奏でている間、どの面下げてボーッと立っていろというんだ!」といい、この曲を生涯演奏しようとしませんでした。
さて、本CDの演奏は、ジネット・ヌヴー(Ginette Neveu, 1919-1949)がヴァイオリン独奏を務め、ハンス・シュミット=イッセルシュテット(Hans Schmidt-Isserstedt, 1900-1973)指揮するハンブルクの北ドイツ放送交響楽団が伴奏を担当しています。
この演奏は、PhilipsやTahraなど、多くの会社が復刻してきましたが、このStilというレーベルのCDが、マスター・テープからの復刻ということで、ベストとされています。
ヌヴーの演奏は、音の線こそ細いものの、表現を変幻自在に変えるあたり、往年のソプラノ歌手であるキャシー・バーベリアンと像が重なります。
ヌヴーは、重厚壮大な第1楽章を、切り込み隊長のような気迫で演奏し、しかもそれが聴き手のツボに嵌っている点で成功しています。
この楽章は、オーケストラの書法が充実しすぎていて、独奏ヴァイオリンを押しつぶさんばかりなのですが、ヌヴーは軽いフットワークでオーケストラの重圧をヒラリヒラリと躱していくような痛快さがあり、そのスリルに聴き手の耳は釘付けになってしまうのでしょう。
第2楽章は、スリリングな第一楽章と打って変わって、清潔な歌い口でオーボエの奏でるメロディーを受け、純情可憐な演奏を披露します。まるで戦乙女の意外な日常を垣間見るかのようなギャップが、この楽章でのヌヴーの演奏の魅力だといえます。
第3楽章でのヌヴーは、第1楽章でのスリルに奔放さを加え、興に乗った演奏を披露します。
その弾きっぷりは、さながらカルメンのようですが、シュミット=イッセルシュテットがガッチリと脇を固めているので、その奔放さが品のなさへと堕することはありません。
まるで大胆な一筆書きのような勢いを持った演奏であるがゆえに、聴き手に新鮮なインパクトを与え続けています。
シュミット=イッセルシュテットの伴奏は、ヌヴーの奔放さに振り回されることなく、むしろヌヴーが自由に踊れる土台をしっかり築いているところに、その仕事の価値が現れています。
気ままさと堅実さのコントラストが、お互いを打ち消しあうのではなく、魅力を倍化させる方向へと転化しているがゆえに、この演奏は古くから多くの人に支持されているのだといえます。
なお、ライヴ・レコーディングですが、終演後の拍手はきれいにカットされています。
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