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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Antonín Dvořák: Concerto for Cello and Orchestra in B minor, op.104
◈Peter Ilyich Tschaikowsky: Variation on a Rococo Thema for Cello and Orchestra, op.33
Mstislav Rostropovich (Vc)
Berliner Philharmoniker / Herbert von Karajan
(Rec. September 1968, Jesus-Christus-Kirche, Berlin)



アントニーン・ドヴォルジャーク(Antonín Dvořák, 1841-1908)のチェロ協奏曲(ロ短調)と、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Peter Ilyich Tschaikowsky, 1840-1893)の《ロココの主題による変奏曲》(フィッツェンハーゲン版)の2曲を収録したアルバムです。
本CDに収録されている演奏は、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Mstislav Rostropovich, 1927-2007)とヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989)指揮するベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の共演によるもの。ロストロポーヴィチは、世界随一のチェリストとしての名声を欲しいままにしており、カラヤンも「帝王」と呼ばれるほどの巨匠として人気を博していました。

ドヴォルジャークのチェロ協奏曲は、1894年からその翌年にかけて作られた作品です。ドヴォルジャーク自身にとっては、本作品が、2度目のチェロ協奏曲作曲への挑戦となります。初めての挑戦は、ドヴォルジャークが24歳の時でしたが、曲として長くなりすぎた上に、伴奏のオーケストレーションを放棄してしまったため、作品としては未完成の扱いを受けています。
ジャネット・サーバー女史の作ったナショナル音楽院の院長として、1891年からアメリカに渡っています。その院長の任期の最後に書き上げたのか、この作品でした。作品成立の背景には、チェコのチェリストであるハヌシュ・ヴィハンから依頼されたことと、作曲前にナショナル音楽院の同僚のヴィクター・ハーバードがチェロ協奏曲を作って発表したことが挙げられます。また、作曲中に、ドヴォルジャーク夫人の姉にあたるヨゼフィーナ・カウニッツ伯爵夫人が病を得たとの知らせを受け、彼女を思って、第2楽章に彼女の好きだった自分の歌曲のメロディを織り込みました。カウニッツ伯爵夫人は、ドヴォルジャークがチェコに帰還してから程なくして亡くなり、ドヴォルジャークは第3楽章の終結部に第2楽章で使ったメロディを織り込むように加筆し、哀悼の意を表しました。
出来上がった作品をヴィハンに試奏してもらったものの、ヴィハンは、作品の難易度を下げて第3楽章にカデンツァを置くようにドヴォルジャークに意見し、ドヴォルジャークを怒らせています。結果、ロンドンで1896年に行われた初演は、ヴィハンではなく、イギリスのチェリストであるレオ・スターンの手で為されることになりました。
チェコでの初演奏は、ヴィハンが担当することになりましたが、その際、ドヴォルジャークはヴィハンに、一音の改変も許さない旨の手紙を送りつけています。

チャイコフスキーの《ロココの主題による変奏曲》は、1876年からその翌年にかけて書き上げられた作品です。
チャイコフスキーは、この作品を親友のヴィルヘルム・フィッツェンハーゲンのために書き上げました。しかし、作品を献呈されたフィッツェンハーゲンは、チャイコフスキーが許したソロ・パートの改訂だけでなく、変奏曲の並べ替えまでも勝手に行い、チャイコフスキーの不興を買っています。
チャイコフスキーが元に戻そうとしたものの、時すでに遅く、初演も済み、フィッツェンハーゲンの改訂版で楽譜が出版されてしまったため、もはやどうにも出来なかったとのこと。1955年になって、ようやく自筆譜の鑑定復元からチャイコフスキーが本来の意図した原典版が出版されるようになりましたが、まだフィッツェンハーゲンの改訂版のほうが知名度が高く、ロストロポーヴィチも、このフィッツェンハーゲン版を用いています。

ロストロポーヴィチは、たっぷりとした間合いで悠然とした演奏を繰り広げ、カラヤンは手兵を縦横無尽に駆使してロストロポーヴィチを時にはあおり、また時には独奏にぴったりとくっついてロストロポーヴィチの表現効果を増幅しています。
しかし、表情の細部をディフォルメしたような演奏は、曲の全体像をぼかしてしまい、音楽の流れを停滞させてしまいます。大言壮語をウダウダと繰り返しているうちに曲が終わってしまい、なんとなくすごいという曖昧な印象だけが残るということになりかねません。
ドヴォルジャークの作品では、作品自体がこってりした味わいなので、比較的うんざり感は少ないですが、完全なるドラマ仕立てのプロレス・ショーを見せられているような聴後感を残します。一度聴いてしまうと、もう一度聴いてみたいとは思えません。
チャイコフスキーでは、細かな表情をことさら彫り深く演奏していますが、そうした表情付けがこれ見よがしに聞こえてしまうという難点があります。

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