[Teldec] モーツァルト：交響曲 第39番、第40番、第41番 カイルベルト 【WPCS-12161】

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◈Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony No.39 in E flat major, K543

Bamberger Symphoniker / Joseph Keilberth

(Rec. 1955)

◈Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony No.40 in G minor, K550
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony No.41 in C major, K551 "Jupiter"

Bamberger Symphoniker / Joseph Keilberth

(Rec. 1959)

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ヨーゼフ・カイルベルト(Joseph Keilberth, 1908-1968)はドイツの指揮者です。
地元の歌劇場で練習指揮者として修行を積んだカイルベルトは、奇をてらわない堅実なスタイルで定評があります。同年生まれのヘルベルト・フォン・カラヤンとは、よきライバルの関係にあったそうですが、カラヤンがグローバル・スタンダード路線の音楽作りで世界的名声を獲得したのに対し、カイルベルトはゴツゴツとした耳触りの、ローカル色あふれる音楽を奏で続けました。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)の交響曲第39番(K543)、第40番(K550)と第41番(K551)の３曲を収録したこのCDは、カイルベルトの芸の特徴がよく現れた演奏として定評のあるものです。
この３曲は、特に有り余るほどの録音が多くの指揮者によって為されているので、他の指揮者と聴き比べてみると、カイルベルトの芸風がよくわかるかもしれません。

1949年からカイルベルトが首席指揮者を務めていたバンベルク交響楽団は、1940年にチェコのドイツ人居住区で結成されたオーケストラが元になっています。このオーケストラを、プラハ・ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団といい、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの推薦によって、カイルベルトがそこの指揮者を務めていました。
しかし、1945年にナチス・ドイツが崩壊すると、オーケストラの団員たちはハンブルクに逃れてオーケストラを再結成しました。ヘルベルト・アルベルトやゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフムといった、ドイツに居残った指揮者を指揮者に据えて活動したものの、いまいち演奏水準が上がらず、かつて自分たちを指揮していたカイルベルトに首席指揮者就任を願い出て、このコンビが生まれることになりました。
かつて苦難の時代をともに歩んだ同志として結束したこのコンビは、カイルベルトが亡くなるまで続き、ローカル色の強いアンサンブルで通好みの録音を遺しました。

第39番や第41番の交響曲など、リズミックで聴き易いメロディで人気の高い音楽ですが、弾むようなリズムよりは、ズシッと重たい手応えを重視し、浮ついたような音を一切発しません。気分や雰囲気のようなあやふやさは全くといっていいほどなく、全ての音の論理的つながりを意識した演奏になっています。拍節もがっちりと決め、オーケストラとして演奏する使命感のようなものを背後に感じさせます。
第40番でも、悲しみを疾走させるようなことはせず、ゆったりとしたテンポで、一節一節吟味しながら歩を進めており、かくのごとく演奏されなければならないという強い説得力を持っています。
オーケストラの音の個々のパートに、心揺さぶるような個性はあまりありませんが、全員が一丸となって一つのことを成し遂げようとする心意気には、心打たれます。

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