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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Sergei Prokofiev: Piano Concerto No.3 in C major, op.26
František Maxián (Pf)
Prague Radio Symphony Orchestra / Alois Klíma
(Rec. 23, 25& 26 October 1962, Rudolfinum, Prague)
◈Antonín Dvořák: Piano Concerto in G minor, op.33
František Maxián (Pf)
Czech Philharmonic Orchestra / Václav Talich
(Rec. 1 November 1951, Rudolfinum)



セルゲイ・プロコフィエフ(Sergei Prokofiev, 1891-1953)のピアノ協奏曲第3番と、アントニーン・ドヴォルジャーク(Antonín Dvořák, 1841-1904)のピアノ協奏曲のカップリングです。
ピアノ独奏は、どちらもフランティシェク・マクシアーン(František Maxián, 1907-1971)が務めています。(CDジャケットの表記ではマキシアーン)
マクシアーンは、1928年から12年間プラハ放送の専属ピアニストとして活動していましたが、その間にプロコフィエフと共演し、その演奏を大変気に入られ、1938年には作曲者自身がタクトを取ってマクシアーンと、この自作を演奏したということです。
ゆえに、マクシアーンにとって、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番は作曲者お墨付きの演奏と言うことになります。

プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番は、1921年にフランスのブルターニュに滞在しているときに書き上げられた曲で、プロコフィエフの自信作です。プロコフィエフ自身卓越したピアニストだったので、自分の演奏技巧が華やかに見えるように、華麗な技巧をふんだんに盛り込みました。
不協和音をガンガン取り入れながらも、要所要所でメロディアスな旋律を浮き立たせるプロコフィエフのこの作品は、完成した年の内にアメリカのシカゴで初演されましたが、19世紀ヨーロッパの協和的な音楽に馴染んだ聴衆からは支持されませんでした。
しかし、このピアノ協奏曲の難易度の高さは、多くのピアニストたちを刺激し、今日では重要なピアノ協奏曲のレパートリーとして広く演奏されています。
そんなわけで、この曲は、ピアノの機能性と奏者の技量の高さをクローズアップして、まるでピアニストが白兵戦に望むかのような演奏が、自演盤も含めて多いのですが、マクシアーンの演奏はそうした技巧礼賛とは一味違う演奏をしています。
マクシアーンは、普通のピアニストがガンガン鳴らして喜ぶような和音の塊も、控えめなタッチで、まるで音の濁りを密やかに堪能するかのように演奏しています。一音たりとも弾きとばすことなく、都会の喧騒のようなこの曲から叙情を引き出そうとしているかのようです。
第2楽章などは、ドミトリー・ショスタコーヴィチの作品の緩徐楽章を聴いているかのような強いメッセージ性を感じさせます。
アロイス・クリーマ(Alois Klíma, 1905-1980)指揮するプラハ放送交響楽団の演奏も、マクシアーンの意向を受けて、この曲の不協和的な響きを強調するダイナミックさより叙情に傾いた演奏で、落ち着いた響きを引き出しています。
受けを狙わないシブい演奏ですが、それゆえに強い説得力を獲得している名演奏だといえるでしょう。

ドヴォルジャークのピアノ協奏曲は、1876年にカレル・スラヴコフスキーというチェコのピアニストから依頼を受けて作曲しました。この曲が完成したおよそ2年後に、この曲はスラヴコフスキーによって初演されましたが、それほど話題にはならなかったようです。
その後、ヨハネス・ブラームスの知己を得て国際的名声を獲得したドヴォルジャークでしたが、1883年に、イギリスのオスカー・ブリンジャーというピアニストからピアノ協奏曲の作曲を依頼されています。ドヴォルジャークは、作曲依頼に応える代わりにこの曲をブリンジャーに渡し、ロンドンで演奏されたことによって、世界的にこの曲が認知されることになりました。
ソリストを必要とする独奏協奏曲は、大概ソリストが映えるように作るものですが、ドヴォルジャークのピアノ協奏曲では、ソリストが持って行くような美味しいところをオーケストラが持っていってしまうため、ピアノ伴奏によるオーケストラ協奏曲みたいになってしまい、協奏曲としての演奏効果がピアニスト・サイドから問題にされてきました。
ドヴォルジャークはオーケストラ主導のピアノ協奏曲というコンセプトの目新しさこそ強調してみたものの、やっぱりピアノのパートの地味さは気にしていたようで、自筆譜にはかなりピアノのパートをこねくり回した跡があるそうです。
そんなピアノ協奏曲の演奏効果を底上げしようと改訂を施したのが、ここで演奏しているマクシアーンの師匠のヴィレーム・クルツで、ドヴォルザークの書いたピアノのパートに音を加えてより華やかになるような工夫がされています。
マクシアーンは師匠が改訂したバージョンで演奏していますが、確かにスヴャトスラフ・リヒテルらの原典版と比べると、幾分ピアノのパートのキラキラ度が上がってるように感じます。
また、マクシアーンの演奏の丁寧かつ誠実なアプローチは、ヴァーツラフ・ターリヒ(Václav Talich, 1883-1961)指揮するチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の濃厚な演奏にも動じることなく、一本筋の通った説得力を感じさせます。

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