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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Leoš Janáček: Mša glagolskaja
Evelyn Lear (S)
Hilde Rössel-Majdan (A)
Ernst Haefliger (T)
Franz Crass (Bs)
Bedřich Janáček (Org)
Choir des Bayerischen Rundfunks (Chorus master: Wolfgang Schubert)
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks / Rafael Kubelík
(Rec. November 1964, Herkulessaal, München)
◈Leoš Janáček: Zápisník smizelého
Kay Griffel (A)
Ernst Haefliger (T)
Frauenchor
Rafael Kubelík (Pf)
(Rec. November 1963, Neumünster-Kirche, Gemaindesaal, Zürich)



レオシュ・ヤナーチェク(Leoš Janáček, 1854-1928)はチェコを代表する作曲家の一人。
このCDでは、1926年に書かれた《グラゴル・ミサ》(Mša glagolskaja)と、1917年から2年間にわたって書き続けられた歌曲集《消えた男の日記》(Janáček: Zápisník smizelého)が収録されています。
グラゴル・ミサでは、イヴリン・リアー(Evelyn Lear, 1926-)、ヒルデ・レッセル=マイダン(Hilde Rössel-Majdan, 1921-)、エルンスト・ヘフリガー(Ernst Haefliger, 1919-2007)、フランツ・クラス(Franz Crass, 1928-)といった、ドイツ語圏の名歌手たちを揃えてグラゴル語(古代言語)で歌わせています。また、オルガンを担当しているのはベドルジーハ・ヤナーチェク(Bedřich Janáček, 1920-)というチェコのオルガニストですが、作曲家のヤナーチェクとは血縁関係にはないようです。
《消えた男の日記》はロッテ・レーマン門下であるアメリカ人歌手のケイ・グリフェル(Kay Griffel, 1940-)とヘフリガーを起用してドイツ語歌唱で録音しています。
本CDは、指揮者のラファエル・クーベリック(Rafael Kubelík, 1914-1996)のピアノ演奏が聴けるということでクーベリック・ファンに広く知られている演奏であります。

グラゴル・ミサは、教会典礼文をわざわざ古語に翻訳してキリスト教とのつながりから距離をとり、野生味を引き出して、民族意識をダイレクトに刺激することを狙った作品です。チェコの国を追われながら、人一倍チェコ人としての意識を持っていたクーベリックにとっては、ヤナーチェクの音楽は、アントニーン・ドヴォルジャークの音楽か、それ以上に自分のアイデンティティを刺激する作曲家でした。
ヤナーチェクの音楽は、弟子のブティスラフ・バカラやフランティシェク・イーレクといったヤナーチェク門下の音楽家たちのよって積極的に紹介されていましたが、1960年代においてはその認知がまだ十分ではなく、それがゆえにクーベリックは使命感を持ってこれらの曲を録音したのでした。
当時のトップ・クラスの歌手を起用し、合唱も丹念に磨き上げ、バイエルン放送交響楽団の機動力をフルに活用して、ダイナミックでドラマティックな音楽を作り上げています。
特にヘフリガーの歌唱は、音楽の核心に深く食い込み、この演奏の説得力向上に多くの貢献をしています。

ジプシー娘と出会って駆け落ちに走る男を歌った《消えた男の日記》では、前述のようにピアノを弾いてこの曲の紹介に務めています。マックス・ブロットのドイツ語訳詞を使ったのは、ドイツ人にもこの曲を広く聴いてもらおうという配慮でもあり、チェコ語に不慣れな歌手たちへの配慮でもあったのでしょう。
この曲を、メジャー・レーベルに録音して広く世に紹介するという使命を担ってる以上、クーベリックも全力投球でピアノに向かい、曲の細部にいたるまでを掘り下げようとしています。
ヤナーチェクの音楽は、モラヴィアの言語や文化と深く結びついているため、ただうまく弾いただけでは、微妙な色合いが出せませんが、チェコ人としての自覚でもってヤナーチェクの音楽の紹介に力を注いだクーベリックのピアノは、細大漏らさずヤナーチェクのこだまを聴き取ろうとしているかのような気迫を感じさせます。
クーベリックのニュアンスは歌手たちにも浸透していき、曲が進むにつれて歌手の表情付けが細かく、豊かになっていきます。
ドイツ語というハンディはありますが、ヤナーチェクの音楽の深遠を知るという意味では、この録音は避けて通れないと思います。

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