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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Maurice Ravel: Miroirs
◈Maurice Ravel: Le tombeau de Couperin
Henriette Faure (Pf)
(Rec. 1950s)



ヴラド・ペルルミュテールと同じく、モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel, 1875-1937)の薫陶を受けたフランスの名手アンリエット・フォール(Henriette Faure, 1904-1985)のラヴェル作品集です。
収録されている演目は、《鏡》と《クープランの墓》の2曲のみですが、現在のところ、国内外を探しても、この2曲しかフォールの演奏はないようです。
フォールは、1923年にラヴェルの作品のみによるプログラムでリサイタルを開いた最初のピアニストであり、ラヴェルから「わが完全無欠の解釈者」というサインを頂戴しています。
この録音が行われた頃には、既に師匠のラヴェルはこの世にはいませんでしたが、師匠直伝の解釈と快刀乱麻を断つ超絶技巧で、ラヴェルの言う「完全無欠」っぷりを存分に味わわせてくれます。

超絶技巧が超絶技巧たる所以の一つは、類稀なるリズム感のよさが上げられます。
《クープランの墓》の〈トッカータ〉や《鏡》の〈道化師の朝の歌〉など、明瞭なリズム感と迷いのない打鍵で鮮やかに曲の全体像を描ききっています。
また、尊敬されるヴィルトゥオーゾの条件の一つに、鋭敏なハーモニーへの感性が挙げられるとおもいます。
《鏡》の〈鏡の谷〉では、そうした感性の鋭さが如実に現れており、ただの残響実験にょうに演奏されることの少なくないこの曲から、響きの遠近感だけでない微妙なニュアンスをしっかりと捉え、詩情を漂わせることに成功しています。この曲は、まず詩情ありきではなく、しっかりと響きをコントロールして弾きこなすことによって、詩情を表現するピントを合わせられるということを教えてくれます。

このCDの発売元であるグリーンドア出版社のサウンドは、普通の復刻CDよりも音の出力レベルが高めに作られており、ピアノの音がやや強めに収録されています。そのため、ともすると鍵盤をぶっ叩く一歩手前の音に聞こえますが、雰囲気に流されない明快で即物的な演奏は、自分の楽譜に書かれていない音を付加したり、書かれてある音を省いたりするのを嫌った作曲者その人を彷彿とさせます。

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