1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈George Frideric Handel (arr. Wolfgang Amadeus Mozart): Messiah
Lynne Dawson (S)
Bernarda Fink (A)
Hans Peter Graf (T)
Stephen Varcoe (Bs)
Chris de Moor (Bs)
Chœur de Chamble de Namur
La Grande Écurie et la Chambre du Roy / Jean-Claude Malgoire
Bernarda Fink (A)
Hans Peter Graf (T)
Stephen Varcoe (Bs)
Chris de Moor (Bs)
Chœur de Chamble de Namur
La Grande Écurie et la Chambre du Roy / Jean-Claude Malgoire
(Rec. 1 January 1993, Centre Culturel de L' Hippodrome de Douai) Live Recording with Applause
1993年の正月にフランスのドゥエ競馬場文化センターで行われたライヴを収録しています。
演奏は、ジャン=クロード・マルゴワール(Jean-Claude Malgoire, 1940-)指揮する王室大厩舎・王宮付楽団とナミュール室内合唱団、そしてアメリカ人ソプラノ歌手のリン・ドーソン(Lynne Dawson, 1956-)、アルゼンチン出身のメゾ・ソプラノ歌手のベルナルダ・フィンク(Bernarda Fink)、ハンス・ペーター・グラーフ(Hans Peter Graf)、イギリス出身のスティーヴン・ヴァーコー(Stephen Varcoe)やクリス・ド・ムーア(Chris de Moor)といった、中堅どころのソリストが務めています。
ジョージ・フレデリック・ハンデル(George Frideric Handel)ことゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Frideric Händel, 1685-1759)は、元々ドイツ出身ですが、住み心地のよさからイギリスに居ついてしまった作曲家です。
バッハと並ぶ対位法の大家であり、またオルガンの即興演奏では並ぶもののない名手だった彼は、オラトリオやオペラを作り、その幕間にオルガン協奏曲を披露してイギリスの最重要音楽家の一人となっています。
しかし、そんなヘンデルも全てが順風満帆だったわけではなく、1730年ごろにはイギリスの聴衆がヘンデルの作るイタリア・オペラにだんだん飽き始め、1737年にはヘンデル自身も脳卒中を起こして倒れてしまいます。
オペラ事業の不振や自身の病で多額の負債を抱え込んだヘンデルは、いわゆる人生の坂を転がり落ちるような生活を強いられていました。そんなヘンデルが起死回生を賭けて作曲に挑んだジャンルが、宗教劇としてのオラトリオでした。
《サウル》や《エジプトのイスラエル人》といったオラトリオを作曲して様子を見たヘンデルは、なかなか客受けがよかったということで、1741年に満を持して《メサイア》を発表します。このオラトリオは、ダブリンで初演されましたが、評判が評判を呼び、国王ジョージ2世列席の元でウェストミンスター寺院で演奏されることになりました。
ハレルヤ・コーラスで国王が思わず起立し、聴衆もそれに倣ったという逸話から、今日でもこの部分では聴衆は起立して聴くという慣習があります。
イギリスではこの曲は何度も再演されましたが、ドイツでの演奏はかなり遅れ、30年ほど経ってから、ご当地の作曲家の手が加えられて何度か上演されています。そうした中でも出色の出来栄えとして賞賛されたのが、かのヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)が編曲を施したバージョンです。
このオラトリオの歌詞は、チャールズ・ジェネンズ(Charles Jennens, 1700-1773)が旧約聖書を元に編み上げたものですが、モーツァルトはこの歌詞のドイツ語訳を用いて編曲しています。(なので、このCDではドイツ語歌唱)
トランペットの高音が要求されるところでは、モーツァルトの時代では演奏不可能だったのでホルンのパートに割り振り、弦楽器と管楽器を増強させてオーケストラの響きをまろやかにしています。また、いくつかのアリアを削除して、自分で用意したレチタティーヴォを挿入するなどの改変も適宜行っています。また、本来アリアでソリストが大見得を切るところもモーツァルトが伴奏音形を書き加えているので、ソリストが即興的な大見得を切りにくくなっているのも大きな特色です。
マルゴワール指揮する王室大厩舎・王宮付楽団は溌剌とした伴奏できれいに纏めていますが、ナミュール合唱団のアンサンブルがやや雑な印象。例えば〈彼はレビの子孫を清め〉の合唱のソプラノ声部の音程が悪かったり、細かいパッセージで音量のコントロールがおろそかになったりと、演奏能力の限界を感じさせます。
メゾ・ソプラノ歌手のフィンクが歌うアルト歌手のアリアのしっとりした味わい、グラーフの、まるで福音史家みたいな歌唱など、ソリストのナンバーに聴かせどころが多いです。
演奏は、ジャン=クロード・マルゴワール(Jean-Claude Malgoire, 1940-)指揮する王室大厩舎・王宮付楽団とナミュール室内合唱団、そしてアメリカ人ソプラノ歌手のリン・ドーソン(Lynne Dawson, 1956-)、アルゼンチン出身のメゾ・ソプラノ歌手のベルナルダ・フィンク(Bernarda Fink)、ハンス・ペーター・グラーフ(Hans Peter Graf)、イギリス出身のスティーヴン・ヴァーコー(Stephen Varcoe)やクリス・ド・ムーア(Chris de Moor)といった、中堅どころのソリストが務めています。
ジョージ・フレデリック・ハンデル(George Frideric Handel)ことゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Georg Frideric Händel, 1685-1759)は、元々ドイツ出身ですが、住み心地のよさからイギリスに居ついてしまった作曲家です。
バッハと並ぶ対位法の大家であり、またオルガンの即興演奏では並ぶもののない名手だった彼は、オラトリオやオペラを作り、その幕間にオルガン協奏曲を披露してイギリスの最重要音楽家の一人となっています。
しかし、そんなヘンデルも全てが順風満帆だったわけではなく、1730年ごろにはイギリスの聴衆がヘンデルの作るイタリア・オペラにだんだん飽き始め、1737年にはヘンデル自身も脳卒中を起こして倒れてしまいます。
オペラ事業の不振や自身の病で多額の負債を抱え込んだヘンデルは、いわゆる人生の坂を転がり落ちるような生活を強いられていました。そんなヘンデルが起死回生を賭けて作曲に挑んだジャンルが、宗教劇としてのオラトリオでした。
《サウル》や《エジプトのイスラエル人》といったオラトリオを作曲して様子を見たヘンデルは、なかなか客受けがよかったということで、1741年に満を持して《メサイア》を発表します。このオラトリオは、ダブリンで初演されましたが、評判が評判を呼び、国王ジョージ2世列席の元でウェストミンスター寺院で演奏されることになりました。
ハレルヤ・コーラスで国王が思わず起立し、聴衆もそれに倣ったという逸話から、今日でもこの部分では聴衆は起立して聴くという慣習があります。
イギリスではこの曲は何度も再演されましたが、ドイツでの演奏はかなり遅れ、30年ほど経ってから、ご当地の作曲家の手が加えられて何度か上演されています。そうした中でも出色の出来栄えとして賞賛されたのが、かのヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)が編曲を施したバージョンです。
このオラトリオの歌詞は、チャールズ・ジェネンズ(Charles Jennens, 1700-1773)が旧約聖書を元に編み上げたものですが、モーツァルトはこの歌詞のドイツ語訳を用いて編曲しています。(なので、このCDではドイツ語歌唱)
トランペットの高音が要求されるところでは、モーツァルトの時代では演奏不可能だったのでホルンのパートに割り振り、弦楽器と管楽器を増強させてオーケストラの響きをまろやかにしています。また、いくつかのアリアを削除して、自分で用意したレチタティーヴォを挿入するなどの改変も適宜行っています。また、本来アリアでソリストが大見得を切るところもモーツァルトが伴奏音形を書き加えているので、ソリストが即興的な大見得を切りにくくなっているのも大きな特色です。
マルゴワール指揮する王室大厩舎・王宮付楽団は溌剌とした伴奏できれいに纏めていますが、ナミュール合唱団のアンサンブルがやや雑な印象。例えば〈彼はレビの子孫を清め〉の合唱のソプラノ声部の音程が悪かったり、細かいパッセージで音量のコントロールがおろそかになったりと、演奏能力の限界を感じさせます。
メゾ・ソプラノ歌手のフィンクが歌うアルト歌手のアリアのしっとりした味わい、グラーフの、まるで福音史家みたいな歌唱など、ソリストのナンバーに聴かせどころが多いです。
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