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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Ernest Chausson: Chanson Perpétuelle
Andrée Esposito (S)
Pierre Barbizet (Pf)
Quartuor Parrenin
{Jacques Parrenin (1st Vn), Marcel Charpentier (2nd Vn)
Denés Marton (Vla), Pierre Penassou (Vc)}
(Rec. September 1966, Salle Wagram, Paris)
◈Ernest Chausson: Concert en ré majeur, op.21
Christian Ferras (Vn)
Pierre Barbizet (Pf)
Quartuor Parrenin
{Jacques Parrenin (1st Vn), Marcel Charpentier (2nd Vn)
Denés Marton (Vla), Pierre Penassou (Vc)}
(Rec. January 1968, Salle Wagram, Paris)



エルネスト・ショーソン(Ernest Chausson, 1855-1899)は、ジュール・マスネに師事したフランスの作曲家です。
法律家の道から音楽の道へと鞍替えしたショーソンは、24歳でパリ音楽院に入学し、ジュール・マスネの下で学びました。しかし、当時オルガン科の教授だったセザール・フランクに私淑し、今日ではフランキスト(フランクの信奉者)の一人に数えられています。
ショーソンは一頃リヒャルト・ヴァーグナーの音楽に心酔し、ヴァーグナーの音楽から官能性を吸収したため、フランキストたちの中でも、色気のある音楽語法でよく知られていました。

本CDでは、ショーソンの作品のうち、シャルル・クロ(Charles Cros, 1842-1888)の詩に曲をつけた《無窮なる歌》(CDの日本語訳では「果てしない歌」となっています。)と、ヴァイオリン・ソナタに弦楽四重奏をくっつけたような《コンセール》を収録しています。
ちなみに、《無窮なる歌》の作詞者のクロは、文学者としてだけでなく、トーマス・エジソンに先駆けて録音技術の研究をしたり、カラー写真技術の研究をしたりと、発明家としても知られています。今日では、フランスでも栄誉あるACCディスク大賞の審査機関にその名前が冠せられています。(ACCというのは、Académie de Charles Crosの略なのです。)

ショーソンが《無窮なる歌》を書いたのは、ショーソンが亡くなる前年のことでした。初演は亡くなる年の1月29日に行われ、好評を博したそうです。ショーソンはこの初演の約5ヵ月後に自転車で転倒し、頭蓋骨を粉砕して帰らぬ人となりました。
元々はオーケストラ伴奏の歌曲として作られましたが、ショーソンはピアノ伴奏バージョンと、ピアノ五重奏で伴奏するバージョンも作っており、今ではピアノ五重奏でのバージョンが好まれています。
失われた愛がよみがえるようにと願うこの歌は、ショーソンの官能性と共鳴し、艶かしく美しい音楽を作り上げています。
アンドレ・エスポジト(Andrée Esposito, 1932-)の慎ましやかな歌唱と、ピエール・バルビゼ(Pierre Barbizet, 1922-1990)とパレナン四重奏団の仄かなエロティシズムを湛えた伴奏は、この曲を鑑賞する上ではベスト・マッチな演奏といえるでしょう。
なお、本CDでのパレナン四重奏団のメンバーは、主宰者のジャック・パレナンの他は第2ヴァイオリンのマルセル・シャルパンティエ、ヴィオラのデネス・マルトン、チェロのピエール・ペナソウで、ヴィオラが第三代目となります。

《コンセール》は1889年から1891年にかけて作曲されたショーソンの力作です。
題名のConcertがしばしばConcertoと間違えられ、このCDでも取り違えられて表記されています。
初演は、ショーソンの親友であるウジェーヌ・イザイのヴァイオリン、オーギュスト・ピエールのピアノとクリックボーム弦楽四重奏団によって1892年の3月4日にブリュッセルで行われたそうです。
本CDでは、《無窮なる歌》でのエスポジートに代わって、バルビゼの盟友であるクリスティアン・フェラス(Christian Ferras, 1933-1982)が起用されています。
フェラスはフランスのヴァイオリニストです。ヴァイオリニストだった父親の手ほどきを受けて8歳でニース音楽院に進学し、10歳でシャルル・ビステージのクラスを首席で卒業しています。さらにパリ音楽院に行ってルネ・ベネデッティの門下生となり、13歳でプルミエ・プリを獲得して卒業するなどの早熟ぶりを示しました。1948年のスヘーフェニンゲン国際コンクールのヴァイオリン部門で優勝し、さらに翌年のロン=ティボー国際コンクールのヴァイオリン部門で1位なしの第2位に入賞したことで、国際的に名が知られるようになったフェラスですが、この両方のコンクールのピアノ部門にバルビゼも出場しており、その際に交遊関係を持つようになりました。
本録音は、フェラスの繊細ながら潤いのあるヴァイオリンの独奏がショーソンの音楽にマッチし、素晴らしい演奏が展開されています。バルビゼのピアノもフェラスをよく知るピアニストだけに、よい意味でフェラスを煽り、熱のこもった演奏を作り上げています。パレナン四重奏団の面々も、出だしこそ取り澄ましたような音ですが、フェラスとバルビゼの求心力の高い演奏に引っ張られて、身振りの大きな演奏になっています。緩徐楽章としての第3楽章においても、まるで炭火のようなじんわりとした熱さを保持しています。この曲を演奏するうえでは、このフェラス達の演奏は、一つの憧れとなるでしょう。

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