1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Arthur Honegger: Rugby, movement symphonique
◈Arthur Honegger: Pacific 231, mouvement symphonique
◈Arthur Honegger: Concerto da Camera
◈Arthur Honegger: Pastorale d'Été
◈Arthur Honegger: Symphonie Liturgique
Netherlands Radio Philharmonic Orchestra / Jean Fournet
(Rec. May & December 1993, Hilversum Music Center)
ジャン・フルネ(Jean Fournet, 1913-2008)は、フランスの指揮者。先日11月3日にオランダのヒルヴェルスムで亡くなりました。
彼は、高雅な芸風でフランス音楽はもとより、ドイツの音楽にまで定評のあった名指揮者で、来日経験も多く、2005年12月に、演奏活動から引退を表明したとき、東京都交響楽団との演奏会を、自らの引退公演と定めるほど日本と縁が深かった指揮者でもありました。
ご冥福をお祈りします。
本録音で起用されているオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団は、1960年から1978年までフルネが音楽監督を務めていたオーケストラで、その後もフルネはたびたびこのオーケストラに客演しており、フルネの芸風を細部まで理解できる、フルネにとって理想的なオーケストラのひとつでした。
本CDではアルテュール・オネゲル(Arthur Honegger, 1892-1955)のオーケストラ作品を扱っており、交響的運動第1番の《ラグビー》と、交響的運動第2番《パシフィック231》、コンチェルト・ダ・カメラ、夏の牧歌と交響曲第3番《典礼風》を収録しています。
《ラグビー》は、ラグビーが大好きだったオネゲルならではの作品で、ラグビーの動的な動きとエネルギーを、華麗かつダイナミックなオーケストレーションで表現した音楽です。
1928年にパリ交響楽団が旗揚げをしたとき、オネゲルはこの曲を自ら指揮して世界初演しています。
発表当初から、この曲はラグビーの試合を音楽で表現したものだと言われていましたが、オネゲル自身はラグビーの試合そのものではなく、その競技の心理作用を音で表現したものだとしています。
《パシフィック231》も、1923に書き上げられた作品で、機関車マニアだったオネゲルの面目躍如たる音楽になっています。
231の番号は、機関車の前輪・動輪・後輪の車輪の数です。この作品も、オネゲルは描写音楽ではないと言っていますが、スイスの指揮者であるエルネスト・アンセルメが「パシフィック321」と言ったところ、オネゲルは、231でなければならない理由をアンセルメにみっちり説明したのだとか。列車の動くさまを描写した音楽だという見方は、あながち的外れではないのかもしれません。
1948年にバークシャー音楽祭で発表されたコンチェルト・ダ・カメラ(日本語訳すると「室内協奏曲」)は、フルートとイングリッシュ・ホルンを伴う弦楽オーケストラのための作品ですが、元々は弦楽合奏のパートはピアノのパートでした。社会に対する不安を自らの作風に投影したオネゲルは、この曲でも調性の不安定さでもって、社会不安を表現しようとしています。
1920年に作曲された《夏の牧歌》は、調性感のはっきりした音楽になっています。しっとりとした音楽で、快活な音楽をはさむという、典型的三部形式による作品です。
最後に収録されている《典礼風》交響曲(1945-1946年作)は、従来の4楽章からスケルツォの楽章枠を捨てて、シリアスな3楽章形式で演奏しています。第二次世界大戦直後に書かれたこの曲は、それぞれの楽章に〈ディエス・イレ(怒りの日)〉、〈デ・プロフンディス(深き淵より)〉、〈ドナ・ノービス・パーチェム(われらに平和を)という副題が与えられています。この曲で、オネゲルは戦没者を悼み、人間の業を強く糾弾しようとしました。この作品は、オネゲルのペシミスティックな側面がよく出た作品としてよく知られています。
フルネは、2曲の交響的運動でも、冷静沈着にオーケストラを鳴らし、勢いだけではない、知的なセンスを感じさせます。
《典礼風》の交響曲は、フルネの豊かな音楽性によって、本場フランスの演奏では感じられなかった精緻さが加味され、かくあるべしと思わせるような演奏に仕上がっています。
彼は、高雅な芸風でフランス音楽はもとより、ドイツの音楽にまで定評のあった名指揮者で、来日経験も多く、2005年12月に、演奏活動から引退を表明したとき、東京都交響楽団との演奏会を、自らの引退公演と定めるほど日本と縁が深かった指揮者でもありました。
ご冥福をお祈りします。
本録音で起用されているオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団は、1960年から1978年までフルネが音楽監督を務めていたオーケストラで、その後もフルネはたびたびこのオーケストラに客演しており、フルネの芸風を細部まで理解できる、フルネにとって理想的なオーケストラのひとつでした。
本CDではアルテュール・オネゲル(Arthur Honegger, 1892-1955)のオーケストラ作品を扱っており、交響的運動第1番の《ラグビー》と、交響的運動第2番《パシフィック231》、コンチェルト・ダ・カメラ、夏の牧歌と交響曲第3番《典礼風》を収録しています。
《ラグビー》は、ラグビーが大好きだったオネゲルならではの作品で、ラグビーの動的な動きとエネルギーを、華麗かつダイナミックなオーケストレーションで表現した音楽です。
1928年にパリ交響楽団が旗揚げをしたとき、オネゲルはこの曲を自ら指揮して世界初演しています。
発表当初から、この曲はラグビーの試合を音楽で表現したものだと言われていましたが、オネゲル自身はラグビーの試合そのものではなく、その競技の心理作用を音で表現したものだとしています。
《パシフィック231》も、1923に書き上げられた作品で、機関車マニアだったオネゲルの面目躍如たる音楽になっています。
231の番号は、機関車の前輪・動輪・後輪の車輪の数です。この作品も、オネゲルは描写音楽ではないと言っていますが、スイスの指揮者であるエルネスト・アンセルメが「パシフィック321」と言ったところ、オネゲルは、231でなければならない理由をアンセルメにみっちり説明したのだとか。列車の動くさまを描写した音楽だという見方は、あながち的外れではないのかもしれません。
1948年にバークシャー音楽祭で発表されたコンチェルト・ダ・カメラ(日本語訳すると「室内協奏曲」)は、フルートとイングリッシュ・ホルンを伴う弦楽オーケストラのための作品ですが、元々は弦楽合奏のパートはピアノのパートでした。社会に対する不安を自らの作風に投影したオネゲルは、この曲でも調性の不安定さでもって、社会不安を表現しようとしています。
1920年に作曲された《夏の牧歌》は、調性感のはっきりした音楽になっています。しっとりとした音楽で、快活な音楽をはさむという、典型的三部形式による作品です。
最後に収録されている《典礼風》交響曲(1945-1946年作)は、従来の4楽章からスケルツォの楽章枠を捨てて、シリアスな3楽章形式で演奏しています。第二次世界大戦直後に書かれたこの曲は、それぞれの楽章に〈ディエス・イレ(怒りの日)〉、〈デ・プロフンディス(深き淵より)〉、〈ドナ・ノービス・パーチェム(われらに平和を)という副題が与えられています。この曲で、オネゲルは戦没者を悼み、人間の業を強く糾弾しようとしました。この作品は、オネゲルのペシミスティックな側面がよく出た作品としてよく知られています。
フルネは、2曲の交響的運動でも、冷静沈着にオーケストラを鳴らし、勢いだけではない、知的なセンスを感じさせます。
《典礼風》の交響曲は、フルネの豊かな音楽性によって、本場フランスの演奏では感じられなかった精緻さが加味され、かくあるべしと思わせるような演奏に仕上がっています。
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