1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Frédéric Chopin: Piano Concerto No.1 in E minor, op.11
◈Frédéric Chopin: Piano Concerto No.2 in F minor, op.21
Bruno Rigutto (Pf)
Budapest Philharmnic Orchestra / Erich Bergel
(Rec. June 1992, Mafilm Studio, Budapest)
フレデリック・フランソワ・ショパン(Frédéric François Chopin, 1810-1849)は、ポーランド出身の作曲家。生前はピアニストとしてフランスのサロンを中心に活躍した人で、その作品の大多数がピアノのための作品です。
その作品表の残りの部分を、わずかな室内楽と歌曲、そしてピアノとオーケストラのための作品が埋めています。しかし、それらの作品がピアノ独奏曲に比べて魅力に欠けるわけではなく、このCDに収録されている2曲のピアノ協奏曲は今日でも広く演奏され、愛好されています。
この2曲のピアノ協奏曲は、第1番のほうが1830年の春に完成し、第2番のほうが1829年の夏ごろから手がけられ1830年のはじめごろに完成したということで、通し番号と作曲時期が噛み合っていませんが、これは出版された順に番号がつけられたためです。第2番のほうは、ヨーロッパの演奏旅行から帰ってきた時期の3月17日に演奏され、第1番のほうは、その年の10月11日の演奏会で、ポーランドへの置き土産として演奏されました。この2曲には、いずれも同級生でソプラノ歌手だったコンスタンツィア・グラドコフスカへの思慕の情が刻印されていることが、ショパンの友人宛の書簡で確認されています。
しかし、結局、曲はグラドコフスカには捧げられず、第1番はフリードリヒ・カルクブレンナー、第2番は教え子のポトッカ伯爵夫人に献呈されることになりました。
第1番と第2番の協奏曲の印象を比較すると、第1番のほうがよりメリハリが利いていて、第2番のほうが、より内向的な作風を示しているように感じます。特に第3楽章の作り方の違いが顕著で、第1番がクラコヴィアクのリズムを取り入れた躍動性を獲得しているのに対し、第2番はマズルカの語法を自由に取り入れ、形式的にも、特定の形式に則らない奔放な書法で書かれています。おそらく、第2番でとりあえず自分の書きたいように書いてみて、第1番で、より効果的でまとまりのある書き方を意識したのではないかと思われます。
オーケストレーションについては、両曲とも、ほかの作曲家たちの名作に比べて響きが貧しい点が欠点として上げられますが、ピアノを美しくデコレートするという点では、効果的な伴奏だと思います。
演奏は、フランス人ピアニストのブルーノ・リグット(Bruno Rigutto, 1945-)の独奏と、エーリヒ・ベルゲル(Erich Bergel, 1930-1998)指揮するブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の伴奏です。
リグットは、リュセット・デカーヴやジャン・ユボーといったパリ音楽院の名教授の薫陶を受けた後、サンソン・フランソワに弟子入りしたピアニストです。
自由に伸縮するテンポは、師匠のフランソワ譲りの芸当で、特に第2番の協奏曲では、デリケートな曲の詩情を弾きだすのに有効に働いています。
一方で、音の粒をそろえる端正さは、デカーヴやユボーの教えが影響していると思われ、単なるフランソワのエピゴーネンに終わらない面白さがあります。
このため、両協奏曲の第2楽章では、フランソワのような、聴き手の心をわしづかみにするような奔放な語り口は影を潜め、優等生的な演奏になってしまっています。その代り、音色の一つ一つが入念に磨きあげられているので、高踏的な陶酔感を醸し出しています。
伴奏指揮のベルゲルは、ルーマニア出身の指揮者です。作曲も学んでいた人だけあって、曲の雰囲気や勢いに任せない、冷静沈着なサポートで、リグットを丁寧に支えています。
オーケストラの音自体は、やや弦のサウンドが粗めではあるものの、残響の多い録音に助けられている感があります。
特に聴きものなのは、第1番の協奏曲の第3楽章で、リグットのテンポの揺らしに絶妙に合わせながら、しっかりとリグットをクライマックスに向けて先導しています。
その作品表の残りの部分を、わずかな室内楽と歌曲、そしてピアノとオーケストラのための作品が埋めています。しかし、それらの作品がピアノ独奏曲に比べて魅力に欠けるわけではなく、このCDに収録されている2曲のピアノ協奏曲は今日でも広く演奏され、愛好されています。
この2曲のピアノ協奏曲は、第1番のほうが1830年の春に完成し、第2番のほうが1829年の夏ごろから手がけられ1830年のはじめごろに完成したということで、通し番号と作曲時期が噛み合っていませんが、これは出版された順に番号がつけられたためです。第2番のほうは、ヨーロッパの演奏旅行から帰ってきた時期の3月17日に演奏され、第1番のほうは、その年の10月11日の演奏会で、ポーランドへの置き土産として演奏されました。この2曲には、いずれも同級生でソプラノ歌手だったコンスタンツィア・グラドコフスカへの思慕の情が刻印されていることが、ショパンの友人宛の書簡で確認されています。
しかし、結局、曲はグラドコフスカには捧げられず、第1番はフリードリヒ・カルクブレンナー、第2番は教え子のポトッカ伯爵夫人に献呈されることになりました。
第1番と第2番の協奏曲の印象を比較すると、第1番のほうがよりメリハリが利いていて、第2番のほうが、より内向的な作風を示しているように感じます。特に第3楽章の作り方の違いが顕著で、第1番がクラコヴィアクのリズムを取り入れた躍動性を獲得しているのに対し、第2番はマズルカの語法を自由に取り入れ、形式的にも、特定の形式に則らない奔放な書法で書かれています。おそらく、第2番でとりあえず自分の書きたいように書いてみて、第1番で、より効果的でまとまりのある書き方を意識したのではないかと思われます。
オーケストレーションについては、両曲とも、ほかの作曲家たちの名作に比べて響きが貧しい点が欠点として上げられますが、ピアノを美しくデコレートするという点では、効果的な伴奏だと思います。
演奏は、フランス人ピアニストのブルーノ・リグット(Bruno Rigutto, 1945-)の独奏と、エーリヒ・ベルゲル(Erich Bergel, 1930-1998)指揮するブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の伴奏です。
リグットは、リュセット・デカーヴやジャン・ユボーといったパリ音楽院の名教授の薫陶を受けた後、サンソン・フランソワに弟子入りしたピアニストです。
自由に伸縮するテンポは、師匠のフランソワ譲りの芸当で、特に第2番の協奏曲では、デリケートな曲の詩情を弾きだすのに有効に働いています。
一方で、音の粒をそろえる端正さは、デカーヴやユボーの教えが影響していると思われ、単なるフランソワのエピゴーネンに終わらない面白さがあります。
このため、両協奏曲の第2楽章では、フランソワのような、聴き手の心をわしづかみにするような奔放な語り口は影を潜め、優等生的な演奏になってしまっています。その代り、音色の一つ一つが入念に磨きあげられているので、高踏的な陶酔感を醸し出しています。
伴奏指揮のベルゲルは、ルーマニア出身の指揮者です。作曲も学んでいた人だけあって、曲の雰囲気や勢いに任せない、冷静沈着なサポートで、リグットを丁寧に支えています。
オーケストラの音自体は、やや弦のサウンドが粗めではあるものの、残響の多い録音に助けられている感があります。
特に聴きものなのは、第1番の協奏曲の第3楽章で、リグットのテンポの揺らしに絶妙に合わせながら、しっかりとリグットをクライマックスに向けて先導しています。
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