1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Alban Berg: Lulu
Ilona Steingruber (S: Lulu)
Heinz Rehfuss (Br: Dr.Schön)
Eugenia Zareska (Ms: Countess Geschwitz)
Dimitri Lopatto (Bs: Schigolch / Dr.Goll)
Kurt Ruesche (T: Alwa)
Ratko Delorko (T: The Painter)
Tommaso Frascati (Bs: The Prince / Manservant)
James Loomis (Bs: The Acrobat)
Luisa Ribacchi (Ms: Dresser)
Maria Teresa Massa-Ferrero (A: Schoolboy)
Umberto Frisaldi (Bs: Theater Manager)
Scipio Colombo (Bs: The Animal Trainer)
Heinz Rehfuss (Br: Dr.Schön)
Eugenia Zareska (Ms: Countess Geschwitz)
Dimitri Lopatto (Bs: Schigolch / Dr.Goll)
Kurt Ruesche (T: Alwa)
Ratko Delorko (T: The Painter)
Tommaso Frascati (Bs: The Prince / Manservant)
James Loomis (Bs: The Acrobat)
Luisa Ribacchi (Ms: Dresser)
Maria Teresa Massa-Ferrero (A: Schoolboy)
Umberto Frisaldi (Bs: Theater Manager)
Scipio Colombo (Bs: The Animal Trainer)
Roma RAI Orchestra & Chorus / Bruno Maderna
(Rec. 13 December 1959, Roma) Live Recording with Applause
アルバン・ベルク(Alban Berg, 1885-1935)は、オーストリアの作曲家です。
師匠のアルノルト・シェーンベルクと同僚のアントン・ウェーベルンらとあわせて、新ウィーン楽派と呼ばれました。
新ウィーン楽派は、無調音楽や十二音技法を使った作品を発表して、20世紀初頭の音楽シーンに一石を投じた楽派で、彼らが活躍したころ、彼らの音楽は前衛音楽と見做されていました。
ベルクはその中にあって、無調音楽および十二音音楽と、従来の調性音楽との折り合いをつけることに腐心した作曲家として知られています。
そんなベルクが生涯最後に取り組んだ作品が、この歌劇《ルル》です。
1905年ごろに、フランク・ヴェーデキントの戯曲『パンドラの箱』を観劇したベルクは、このオペラの構想を暖め、1929年に《ヴォツェック》を完成させたあとに、第二作目のオペラとして、このオペラに取り掛かります。
台本は、上記ヴェーデキントの『パンドラの箱』と『地霊』を下敷きにし、ベルク自身が用意しました。
作曲中に、アメリカのヴァイオリニストであるルイス・クラスナーからヴァイオリン協奏曲の作曲を依頼されたベルクでしたが、当初はその依頼を保留にして歌劇の作曲を優先させていました。ところが、溺愛していたアルマ・グロピウス(マーラーの元妻)の娘マノンの訃報を聞いたベルクは、《ルル》の作曲を中断して、ヴァイオリン協奏曲の作曲に集中します。ヴァイオリン協奏曲を書き上げて、《ルル》の作曲を再開した矢先、虫刺されを悪化させて敗血症を起こし、ベルクは急逝してしまいました。
全3幕の構想だったこのオペラは、第二幕まで完成されていましたが、第3幕を、ベルクは完成させることができませんでした。
残された楽譜にほかの作曲家の手が入ることを嫌ったベルク未亡人ヘレーネは、未完成部分を整理して、1937年にチューリヒで初演しました。1976年に、ベルク未亡人は亡くなり、フリードリヒ・チェルハの補筆した3幕のオペラとして演奏されるようになりましたが、未亡人がなくなるまでは、未亡人が演奏を許可した版で演奏されていました。
この未亡人が許可した版は、ほかの作曲家の手が入っていないことから、「オリジナル版」と呼ばれています。
本CDに収録されている演奏は、1959年の演奏なので、無論「オリジナル版」での演奏ということになります。
このオペラのあらすじは以下のとおりです。
プロローグで猛獣使いが、自分の動物を自慢している。最後に取り出したのは蛇で、これがルルの寓意である。
ルルは貧民街で暮らしていたが、新聞の編集長を務めるシェーン博士に引き取られる。
ルルは、薬剤師のゴル博士と結婚するが、画家と不倫し、事の次第を知ったゴル博士はショックで死んでしまった。
未亡人になったルルは、画家と結婚することにするが、画家は後見人のシェーン博士からルルのただれた過去を聞かされて自殺してしまった。
ルルは劇場の踊り子になったが、そこにはシェーン博士の息子のアルヴァが座付きの作曲家として就職していた。シェーン博士はルルの踊りを見に、婚約者をつれてやってきたが、ルルの妖しい魅力に篭絡されてしまう。シェーン博士は婚約者と別れてしまった。
シェーン博士はルルと結婚するが、それからというもの、貧民街のシゴルヒ翁がお金の無心にきたり、レズビアンのゲシュヴィッツ伯爵令嬢がやってきたり、力業師が出入りしたりと、怪しげな人たちの出入りが激しくなった。息子のアルヴァまでルルにメロメロになってしまい、嫉妬に狂ったシェーン博士はルルに銃で自殺するように強要した。しかし、ルルはその銃でシェーン博士を射殺してしまうのだった。
この一件で、ルルは警察に逮捕されるが、シェーン家に出入りしていた人たちの入れ知恵で脱獄に成功する。
未完成の第3幕では、パントマイムでルルの逃避行が描かれる。
パリ経由でロンドンに逃れたルルはゲシュヴィッツ伯爵令嬢ともども娼婦に身をやつす。一緒についてきたアルヴァは頓死し、ルルはゲシュヴィッツ伯爵夫人ともども切り裂きジャックに切り刻まれて死んでしまうのだった。
本演奏のキャストは以下のとおりです。
・イローナ・シュタイングルーバー (ルル役)
・ハインツ・レーフス(シェーン博士役)
・エウジェニア・ザレスカ(ゲシュヴィッツ伯爵令嬢役)
・ドミトリ・ロパット(シゴルヒ翁/ゴル博士役)
・クルト・ルーシェ(アルヴァ役)
・ラトコ・デロルコ(画家役)
・トマゾ・フラスカーティ(王子/召使役)
・ジェームズ・ルーミス(力業師役)
・ルイザ・リバッキ(劇場の衣装係役)
・マリア・テレサ・マッサ=フェレーロ(ギムナジウムの学生役)
・ウンベルト・フリサルディ(劇場支配人役)
・スキピオ・コロンボ(猛獣使い役)
ローマ・イタリア放送管弦楽団&合唱団/ブルーノ・マデルナ
シュタイングルーバー(Ilona Steingruber, 1912-1962)は、このルル役を当たり役としたオーストリアの名歌手。
本調子な歌唱ではありませんが、彼女のロリータっぽい声と、ドイツ人バリトン歌手のレーフス(Heinz Rehfuss, 1917-1988)や、ポーランド出身のメゾ・ソプラノ歌手のザレスカ(Eugenia Zareska, 1910-1979)といった脇役の強力さが合わさり、非常に聴き応えのある演奏に仕上がりました。
現代作曲家として、イタリア音楽界をリードしてきたマデルナ(Bruno Maderna, 1920-1973)の指揮も、概ね見事なものです。ヘタな指揮であれば、音の交通整理で汲々とするものですが、複雑に絡み合うテクスチュアを解きほぐすだけでなく、エロティックな肉感までしっかりと表現しています。テーマがエロスと退廃なのだから、エロスを前面に出したいというオーケストラと指揮者の集中力もとい煩悩の力には圧倒させられます。
師匠のアルノルト・シェーンベルクと同僚のアントン・ウェーベルンらとあわせて、新ウィーン楽派と呼ばれました。
新ウィーン楽派は、無調音楽や十二音技法を使った作品を発表して、20世紀初頭の音楽シーンに一石を投じた楽派で、彼らが活躍したころ、彼らの音楽は前衛音楽と見做されていました。
ベルクはその中にあって、無調音楽および十二音音楽と、従来の調性音楽との折り合いをつけることに腐心した作曲家として知られています。
そんなベルクが生涯最後に取り組んだ作品が、この歌劇《ルル》です。
1905年ごろに、フランク・ヴェーデキントの戯曲『パンドラの箱』を観劇したベルクは、このオペラの構想を暖め、1929年に《ヴォツェック》を完成させたあとに、第二作目のオペラとして、このオペラに取り掛かります。
台本は、上記ヴェーデキントの『パンドラの箱』と『地霊』を下敷きにし、ベルク自身が用意しました。
作曲中に、アメリカのヴァイオリニストであるルイス・クラスナーからヴァイオリン協奏曲の作曲を依頼されたベルクでしたが、当初はその依頼を保留にして歌劇の作曲を優先させていました。ところが、溺愛していたアルマ・グロピウス(マーラーの元妻)の娘マノンの訃報を聞いたベルクは、《ルル》の作曲を中断して、ヴァイオリン協奏曲の作曲に集中します。ヴァイオリン協奏曲を書き上げて、《ルル》の作曲を再開した矢先、虫刺されを悪化させて敗血症を起こし、ベルクは急逝してしまいました。
全3幕の構想だったこのオペラは、第二幕まで完成されていましたが、第3幕を、ベルクは完成させることができませんでした。
残された楽譜にほかの作曲家の手が入ることを嫌ったベルク未亡人ヘレーネは、未完成部分を整理して、1937年にチューリヒで初演しました。1976年に、ベルク未亡人は亡くなり、フリードリヒ・チェルハの補筆した3幕のオペラとして演奏されるようになりましたが、未亡人がなくなるまでは、未亡人が演奏を許可した版で演奏されていました。
この未亡人が許可した版は、ほかの作曲家の手が入っていないことから、「オリジナル版」と呼ばれています。
本CDに収録されている演奏は、1959年の演奏なので、無論「オリジナル版」での演奏ということになります。
このオペラのあらすじは以下のとおりです。
プロローグで猛獣使いが、自分の動物を自慢している。最後に取り出したのは蛇で、これがルルの寓意である。
ルルは貧民街で暮らしていたが、新聞の編集長を務めるシェーン博士に引き取られる。
ルルは、薬剤師のゴル博士と結婚するが、画家と不倫し、事の次第を知ったゴル博士はショックで死んでしまった。
未亡人になったルルは、画家と結婚することにするが、画家は後見人のシェーン博士からルルのただれた過去を聞かされて自殺してしまった。
ルルは劇場の踊り子になったが、そこにはシェーン博士の息子のアルヴァが座付きの作曲家として就職していた。シェーン博士はルルの踊りを見に、婚約者をつれてやってきたが、ルルの妖しい魅力に篭絡されてしまう。シェーン博士は婚約者と別れてしまった。
シェーン博士はルルと結婚するが、それからというもの、貧民街のシゴルヒ翁がお金の無心にきたり、レズビアンのゲシュヴィッツ伯爵令嬢がやってきたり、力業師が出入りしたりと、怪しげな人たちの出入りが激しくなった。息子のアルヴァまでルルにメロメロになってしまい、嫉妬に狂ったシェーン博士はルルに銃で自殺するように強要した。しかし、ルルはその銃でシェーン博士を射殺してしまうのだった。
この一件で、ルルは警察に逮捕されるが、シェーン家に出入りしていた人たちの入れ知恵で脱獄に成功する。
未完成の第3幕では、パントマイムでルルの逃避行が描かれる。
パリ経由でロンドンに逃れたルルはゲシュヴィッツ伯爵令嬢ともども娼婦に身をやつす。一緒についてきたアルヴァは頓死し、ルルはゲシュヴィッツ伯爵夫人ともども切り裂きジャックに切り刻まれて死んでしまうのだった。
本演奏のキャストは以下のとおりです。
・イローナ・シュタイングルーバー (ルル役)
・ハインツ・レーフス(シェーン博士役)
・エウジェニア・ザレスカ(ゲシュヴィッツ伯爵令嬢役)
・ドミトリ・ロパット(シゴルヒ翁/ゴル博士役)
・クルト・ルーシェ(アルヴァ役)
・ラトコ・デロルコ(画家役)
・トマゾ・フラスカーティ(王子/召使役)
・ジェームズ・ルーミス(力業師役)
・ルイザ・リバッキ(劇場の衣装係役)
・マリア・テレサ・マッサ=フェレーロ(ギムナジウムの学生役)
・ウンベルト・フリサルディ(劇場支配人役)
・スキピオ・コロンボ(猛獣使い役)
ローマ・イタリア放送管弦楽団&合唱団/ブルーノ・マデルナ
シュタイングルーバー(Ilona Steingruber, 1912-1962)は、このルル役を当たり役としたオーストリアの名歌手。
本調子な歌唱ではありませんが、彼女のロリータっぽい声と、ドイツ人バリトン歌手のレーフス(Heinz Rehfuss, 1917-1988)や、ポーランド出身のメゾ・ソプラノ歌手のザレスカ(Eugenia Zareska, 1910-1979)といった脇役の強力さが合わさり、非常に聴き応えのある演奏に仕上がりました。
現代作曲家として、イタリア音楽界をリードしてきたマデルナ(Bruno Maderna, 1920-1973)の指揮も、概ね見事なものです。ヘタな指揮であれば、音の交通整理で汲々とするものですが、複雑に絡み合うテクスチュアを解きほぐすだけでなく、エロティックな肉感までしっかりと表現しています。テーマがエロスと退廃なのだから、エロスを前面に出したいというオーケストラと指揮者の集中力もとい煩悩の力には圧倒させられます。
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