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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Johann Sebastian Bach: The Well-Tempered Clavier, Book 2
Rosalyn Tureck (Pf)
(Rec.
Preludes & Fugues No.1 to 4: 27 April 1976
Preludes & Fugues No.5 to 8: 4 May 1976
Preludes & Fugues No.9 to 12: 12 May 1976
Preludes & Fugues No.13 to 16: 18 May 1976
Preludes & Fugues No.17 to 20: 25 May 1976
Preludes & Fugues No.21 to 24: 4 November 1976, The Concert Hall, Broadcasting House, London)
◈Rosalyn Tureck in conversation with Michael Oliver
(Rec.7 June 1976)



ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750)の鍵盤音楽を、ピアノで弾く・・・それは、20世紀前半までは当たり前の光景でした。しかし今日では、ピアノ教室以外でそんな真似をしようものなら、「J.S.バッハの時代はチェンバロを使ってたってことを知らないのかい?」なんて口を挟む人もいるのだとか・・・。
チェンバロで演奏されないJ.S.バッハの鍵盤曲集は「正統」ではないという風潮の中で、飄々とピアノでJ.S.バッハの音楽を奏で続けた人たちがいます。
そうした人たちの一人が、ロザリン・テューレック(Rosalyn Tureck, 1914-2003)です。
彼女は、オルガ・サマロフ門下のピアニストで、レフ・テルミンと知り合って、テルミン演奏もこなしたという才人でした。幼いころからJ.S.バッハの作品に出会い、17歳の時には平均律クラヴィーア曲集を全曲暗譜で弾いていたそうです。彼女のJ.S.バッハの作品への入れ込みようはすさまじく、、自らテューレック・バッハ研究所を創設したり、時には自前でオーケストラを編成してJ.S.バッハの協奏曲を公開演奏したりしています。
一頃ワンダ・ランドフスカの影響でチェンバロを弾いていた時期もありましたが、結局ピアノでのJ.S.バッハの作品演奏に打ち込むようになり、アメリカを代表するJ.S.バッハ研究者として名を馳せることになりました。
録音は、主にVAIというアメリカのレーベルから主にリリースされていました。しかし、日本においては、彼女の録音は、彼女が晩年にドイツ・グラモフォンと契約を結ぶまでは日本国内で大々的にリリースされたことはなく、輸入盤に興味のない人にとっては、どこかで誰かが口にしてたかもしれない名前・・・という程度の認知度しかありませんでした。

今回取り上げているCDは、テューレックがBBCのために録音したJ.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集から第二巻です。平均律クラヴィーア曲集は、12の各音を主音とする長調・短調それぞれのフーガつき前奏曲でまとめられた作品集で、特に第二巻は息子の練習用という設定枠からはずれ、自分の腕を振るえるように作曲された、難易度の高い作品集です。
テューレックは、放送日に合わせて数曲ずつ分けて録音しましたが、本CDでは、その放送音源をまとめ、3枚組みのCDとしてリリースしています。
数曲ずつ分けて録音したのが功を奏したのか、テューレックは一曲一曲細部まで吟味彫琢された演奏を披露しています。
前奏曲では、強弱をつけられるピアノの特性を生かし、ロマンティックなニュアンスを加えて表情豊かに表現していますが、フーガでは正確なタッチ・コントロールとフレージングで各声部を立体的に掘り起こし、曲の複雑な構造を明快に描き出すことに成功しています。柔軟性と構築性のコントラストをうまく演出しているがゆえに、聴き手は印象を拡散させたり、理詰めで追い詰められたりすることなく、飽きずに聴きとおすことができます。
この曲集を完全に手中に収めた人ならではの自信あふれるアプローチと、そのバックボーンとしての一点一画疎かにしない精確なテクニック、そして疲弊する前にインターバルをとって録音に望んだことが、この演奏の完成度を奇跡的なものにしています。
理詰めを避けるというところまでしっかりと計算されており、理知的なJ.S.バッハの演奏の最右翼といえるでしょう。

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