1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Benjamin Britten: Serenade, op.31
Peter Pears (T)
Dennis Brain (Hrn)
Dennis Brain (Hrn)
New Symphony Orchestra / Eugene Goossense
(Rec. 25-27 November 1953)
◈Lennox Barkeley: Horn TrioDennis Brain (Hrn)
Manoug Parikian (Vn)
Colin Horsley (Pf)
Manoug Parikian (Vn)
Colin Horsley (Pf)
(Rec. March 1954)
◈Johann Sebastian Bach: Brandenburg Concerto No.1 in F major, BWV1046Boyd Neel Chember Orchestra / Boyd Neel
(Rec. 1956)
デニス・ブレイン(Dennis Brain, 1921-1957)は、イギリスを代表するホルニストの一人。
ムラのない音と、卓抜したテクニックで定評のあった名手で、今日でもホルンの名手が現れると、このブレインに準えられることがあります。
イギリスの作曲家であるベンジャミン・ブリテン(Benjamin Britten, 1913-1976)は、1943年に友人のテノール歌手であるピーター・ピアーズ(Peter Pears, 1910-1986)のための歌曲《セレナード》を発表しましたが、この歌曲では、弦楽合奏の伴奏にホルンが一本加わった編成で演奏されます。このホルンのパートは、ブリテンがとりわけブレインのために設えたものとのこと。ブリテンは、BBCで音楽制作の仕事に携わっていたときに、英国空軍のオーケストラだったブレインの演奏に惚れこみ、この曲で超絶技巧的なホルン・パートを用意しています。1944年には、ブリテン自身がタクトを取って録音も行われました。
歌詞については、独奏ホルンに続く〈パストラール〉はチャールズ・コットン(Charles Cotton, 1630-1687)、〈夜想曲〉はアルフレッド・テニスン(Alfred Tennyson, 1809-1892)、〈エレジー〉はウィリアム・ブレイク(William Blake, 1757-1827)、〈挽歌〉は作者不詳の16世紀の詩、〈賛歌〉はベン・ジョンソン(Ben Johnson, c.1572-1637)、〈ソネット〉はジョン・キーツ(John Keats, 1795-1821)の詩が用いられています。
本演奏は、1953年の録音で、ユージン・グーセンス(Eugene Goossense, 1893-1962)指揮する新交響楽団が伴奏を担当しています。ここでの新交響楽団は、いわずもがなのことですが、NHK交響楽団の前身ではありません。ものによっては、ロンドン新交響楽団というクレジットで登場する、スタジオ・オーケストラです。1920年代半ばまでロイヤル・アルバート・ホール管弦楽団という名称で録音を行っていましたが、1920年代末に現名称に変更しました。デニス・ブレインの父オーブリーも首席奏者として在籍していたという、由緒あるオーケストラでしたが、ここの所まったく見かけなくなりました。
ブレインはピアーズの声をそっくりホルンに移し変えたような妙技を披露し、彼ならではの高い表現力を味わわせてくれます。オーケストラも、ピアーズとブレインの絶妙な歌唱・演奏にしっかりと寄り添い、見事なバッキングを披露しています。
レノックス・バークレー(Lennox Barkeley, 1903-1989)のホルン・トリオは1954年の作。ブレインの妙味を披露するための作品で、作られた年の3月28日にヴィクトリア・アルバート博物館で初演しています。この作品を委嘱したコリン・ホースレー(Colin Horsley, 1920-)によれば、初演した次の日に、この録音を行ったということです。
初演メンバーは、ブレインとマヌーグ・パリキアン(Manoug Parikian, 1920-1987)とホースレーの3人でした。
ホースリーは、1953年にロンドン王立音楽院のピアノ科教授に就任したばかりの気鋭のピアニストで、パリキアンは1947年からフィルハーモニア管弦楽団のコンサート・マスターを務めるヴァイオリニストでした。そして、ブレインもフィルハーモニア管弦楽団の首席奏者だったので、パリキアンとはよく顔を合わせる仲でした。
また、ブレインは、ホースレーとも何度も共演を重ねており、3人は、ブレインを中心に、お互いを知り尽くした仲ということになります。ブレインは、この時期に、自ら組織した管楽合奏団にホースレーを迎えてヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのピアノ五重奏曲を録音しており、このバークレーの曲は、レコードの初発売時にモーツァルト作品のカップリングとして収録されることになりました。
ホルンを中心に書かれているだけあって、第1楽章の冒頭から朗々としたブレインの妙味が楽しめます。
パリキアンとホースレーの伴奏も、ホルンとの当意即妙な発話に対して、しっかりと応答しています。
ボイド・ニール(Boyd Neel, 1905-1981)が自前のオーケストラで演奏したヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750)のブランデンブルク協奏曲第1番は、ブレインが参加しているということでカップリングされた演目です。
この時代の録音は、比較的足を引きずるような重い演奏がしばしばなされていたはずなのですが、このニールの演奏は、当時としてはかなり軽快な演奏に仕上がっています。第1楽章や第3楽章のテンポ運びのよさや響きの見通しのよさは、特筆すべきかもしれません。
ムラのない音と、卓抜したテクニックで定評のあった名手で、今日でもホルンの名手が現れると、このブレインに準えられることがあります。
イギリスの作曲家であるベンジャミン・ブリテン(Benjamin Britten, 1913-1976)は、1943年に友人のテノール歌手であるピーター・ピアーズ(Peter Pears, 1910-1986)のための歌曲《セレナード》を発表しましたが、この歌曲では、弦楽合奏の伴奏にホルンが一本加わった編成で演奏されます。このホルンのパートは、ブリテンがとりわけブレインのために設えたものとのこと。ブリテンは、BBCで音楽制作の仕事に携わっていたときに、英国空軍のオーケストラだったブレインの演奏に惚れこみ、この曲で超絶技巧的なホルン・パートを用意しています。1944年には、ブリテン自身がタクトを取って録音も行われました。
歌詞については、独奏ホルンに続く〈パストラール〉はチャールズ・コットン(Charles Cotton, 1630-1687)、〈夜想曲〉はアルフレッド・テニスン(Alfred Tennyson, 1809-1892)、〈エレジー〉はウィリアム・ブレイク(William Blake, 1757-1827)、〈挽歌〉は作者不詳の16世紀の詩、〈賛歌〉はベン・ジョンソン(Ben Johnson, c.1572-1637)、〈ソネット〉はジョン・キーツ(John Keats, 1795-1821)の詩が用いられています。
本演奏は、1953年の録音で、ユージン・グーセンス(Eugene Goossense, 1893-1962)指揮する新交響楽団が伴奏を担当しています。ここでの新交響楽団は、いわずもがなのことですが、NHK交響楽団の前身ではありません。ものによっては、ロンドン新交響楽団というクレジットで登場する、スタジオ・オーケストラです。1920年代半ばまでロイヤル・アルバート・ホール管弦楽団という名称で録音を行っていましたが、1920年代末に現名称に変更しました。デニス・ブレインの父オーブリーも首席奏者として在籍していたという、由緒あるオーケストラでしたが、ここの所まったく見かけなくなりました。
ブレインはピアーズの声をそっくりホルンに移し変えたような妙技を披露し、彼ならではの高い表現力を味わわせてくれます。オーケストラも、ピアーズとブレインの絶妙な歌唱・演奏にしっかりと寄り添い、見事なバッキングを披露しています。
レノックス・バークレー(Lennox Barkeley, 1903-1989)のホルン・トリオは1954年の作。ブレインの妙味を披露するための作品で、作られた年の3月28日にヴィクトリア・アルバート博物館で初演しています。この作品を委嘱したコリン・ホースレー(Colin Horsley, 1920-)によれば、初演した次の日に、この録音を行ったということです。
初演メンバーは、ブレインとマヌーグ・パリキアン(Manoug Parikian, 1920-1987)とホースレーの3人でした。
ホースリーは、1953年にロンドン王立音楽院のピアノ科教授に就任したばかりの気鋭のピアニストで、パリキアンは1947年からフィルハーモニア管弦楽団のコンサート・マスターを務めるヴァイオリニストでした。そして、ブレインもフィルハーモニア管弦楽団の首席奏者だったので、パリキアンとはよく顔を合わせる仲でした。
また、ブレインは、ホースレーとも何度も共演を重ねており、3人は、ブレインを中心に、お互いを知り尽くした仲ということになります。ブレインは、この時期に、自ら組織した管楽合奏団にホースレーを迎えてヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのピアノ五重奏曲を録音しており、このバークレーの曲は、レコードの初発売時にモーツァルト作品のカップリングとして収録されることになりました。
ホルンを中心に書かれているだけあって、第1楽章の冒頭から朗々としたブレインの妙味が楽しめます。
パリキアンとホースレーの伴奏も、ホルンとの当意即妙な発話に対して、しっかりと応答しています。
ボイド・ニール(Boyd Neel, 1905-1981)が自前のオーケストラで演奏したヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750)のブランデンブルク協奏曲第1番は、ブレインが参加しているということでカップリングされた演目です。
この時代の録音は、比較的足を引きずるような重い演奏がしばしばなされていたはずなのですが、このニールの演奏は、当時としてはかなり軽快な演奏に仕上がっています。第1楽章や第3楽章のテンポ運びのよさや響きの見通しのよさは、特筆すべきかもしれません。
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