1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Ferruccio Busoni: Concerto for Piano and Orchestra, op.39
Noel Mewton-Wood (Pf)
BBC Men's Chorus
BBC Symphony Orchestra / Thomas Beecham
BBC Symphony Orchestra / Thomas Beecham
(Rec. January 1948, BBC Studio No.1) Live Recording with Applause
ノエル・ミュートン=ウッド(Noel Mewton-Wood, 1922-1953)は、オーストラリア出身のピアニストです。アルトゥル・シュナーベルにも師事したことのある人でしたが、活動の本拠地をイギリスに定めて世界各国をまたにかけるナイス・ガイだったようです。ベンジャミン・ブリテンと知り合いになったことから同性愛に目覚め、男の恋人を持つまでになりましたが、その恋人に先立たれてしまい、後を追って服毒自殺をしてしまいました。
彼のレパートリーは古典派から同時代の音楽まで幅広く、特に超絶技巧の作品が大好きだったそうです。
そんな彼のことですから、イタリア出身の作曲家であるフェルッチョ・ブゾーニ(Ferruccio Busoni, 1866-1924)の存在を素通りするはずがありません。
ブゾーニは、イタリア人とドイツ人の混血の作曲家で、音楽学者でもあり、音楽教師でもあり・・・と、多彩な顔を持ったマルチ芸術家でした。彼が最も成功したのはピアニストとしての活動で、フランツ・リストの前で演奏して、逆にリストから妬まれてしまったのだとか。そんな超絶技巧のピアニストなので、作曲家としても、自分の演奏技術を誇示できる曲が多いというのは当然のことでしょう。
ただし、音楽学者としてのブゾーニは、19世紀末において、電子音楽の登場や無調音楽の出現を予言し、微分音を考察するなど、20世紀の音楽を予見した人でもありました。また、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品を校訂するなどの仕事もこなしており、ただの技術バカでは終わらない、奥深い人だったことが伺えます。
本CDで演奏されているブゾーニのピアノ協奏曲は、超絶技巧ピアニストとしてのブゾーニが、自らの美学の命じるままに書いた一大スペクタクルで、全部で5つの楽章からなり、演奏時間も60分を越えるという力作です。
ブゾーニは、1902年ごろから着想し、1904年にこの曲を完成させましたが、並大抵のピアニストでは演奏することが出来ないくらいに難しく、ブゾーニの門弟たちの秘伝みたいな曲になっていました。
いわば、この曲は、超絶技巧が大好きで珍しい曲の大好きなミュートン=ウッドが闘志を燃やしやすい曲だったのです。
本CDに収録されている演奏は、BBCのスタジオで行われたライヴで、放送用に録音されたものです。
伴奏を務めるのは、トーマス・ビーチャム(Thomas Beecham, 1879-1961)指揮するBBC交響楽団&男声合唱団です。
ビーチャムも、有名な曲から珍しい曲まで、自分の目にかなうものならば何でも取り上げる人でしたが、ブゾーニの曲は、商業録音は残していなかったはずです。
オーケストラも、細部は荒いものの、メリハリを利かせてなかなかの善戦をしています。
ミュートン=ウッドは珍曲を弾く喜びを満喫しており、ミスタッチにも怯まずに、ひたすら前進しています。
この曲の目玉である第5楽章では男声合唱が加わり、アダム・エーンスレーア(Adam Oelenschläger, 1779-1850)というデンマークの詩人の『アラジン』の最終章のアラー賛歌を歌いますが、BBC男声合唱団は、元々のドイツ語の歌詞ではなく英語の歌詞を歌っています。録音のためか発音が不明瞭なのと、オーケストラやピアノといまいち息が合っていないため、この楽章の演奏は手放しに成功した演奏とはいえません。
精妙さという点では、今日的水準に照らし合わせると粗雑ですが、この大曲を征服しようという熱気が伝わってきます。
オーケストラが浮き足立てば、ピアノがしっかりリードをし、ピアノに迫力がなければ、オーケストラが煽り立てるという、相互補完的な面白さがあります。
彼のレパートリーは古典派から同時代の音楽まで幅広く、特に超絶技巧の作品が大好きだったそうです。
そんな彼のことですから、イタリア出身の作曲家であるフェルッチョ・ブゾーニ(Ferruccio Busoni, 1866-1924)の存在を素通りするはずがありません。
ブゾーニは、イタリア人とドイツ人の混血の作曲家で、音楽学者でもあり、音楽教師でもあり・・・と、多彩な顔を持ったマルチ芸術家でした。彼が最も成功したのはピアニストとしての活動で、フランツ・リストの前で演奏して、逆にリストから妬まれてしまったのだとか。そんな超絶技巧のピアニストなので、作曲家としても、自分の演奏技術を誇示できる曲が多いというのは当然のことでしょう。
ただし、音楽学者としてのブゾーニは、19世紀末において、電子音楽の登場や無調音楽の出現を予言し、微分音を考察するなど、20世紀の音楽を予見した人でもありました。また、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品を校訂するなどの仕事もこなしており、ただの技術バカでは終わらない、奥深い人だったことが伺えます。
本CDで演奏されているブゾーニのピアノ協奏曲は、超絶技巧ピアニストとしてのブゾーニが、自らの美学の命じるままに書いた一大スペクタクルで、全部で5つの楽章からなり、演奏時間も60分を越えるという力作です。
ブゾーニは、1902年ごろから着想し、1904年にこの曲を完成させましたが、並大抵のピアニストでは演奏することが出来ないくらいに難しく、ブゾーニの門弟たちの秘伝みたいな曲になっていました。
いわば、この曲は、超絶技巧が大好きで珍しい曲の大好きなミュートン=ウッドが闘志を燃やしやすい曲だったのです。
本CDに収録されている演奏は、BBCのスタジオで行われたライヴで、放送用に録音されたものです。
伴奏を務めるのは、トーマス・ビーチャム(Thomas Beecham, 1879-1961)指揮するBBC交響楽団&男声合唱団です。
ビーチャムも、有名な曲から珍しい曲まで、自分の目にかなうものならば何でも取り上げる人でしたが、ブゾーニの曲は、商業録音は残していなかったはずです。
オーケストラも、細部は荒いものの、メリハリを利かせてなかなかの善戦をしています。
ミュートン=ウッドは珍曲を弾く喜びを満喫しており、ミスタッチにも怯まずに、ひたすら前進しています。
この曲の目玉である第5楽章では男声合唱が加わり、アダム・エーンスレーア(Adam Oelenschläger, 1779-1850)というデンマークの詩人の『アラジン』の最終章のアラー賛歌を歌いますが、BBC男声合唱団は、元々のドイツ語の歌詞ではなく英語の歌詞を歌っています。録音のためか発音が不明瞭なのと、オーケストラやピアノといまいち息が合っていないため、この楽章の演奏は手放しに成功した演奏とはいえません。
精妙さという点では、今日的水準に照らし合わせると粗雑ですが、この大曲を征服しようという熱気が伝わってきます。
オーケストラが浮き足立てば、ピアノがしっかりリードをし、ピアノに迫力がなければ、オーケストラが煽り立てるという、相互補完的な面白さがあります。
PR
Comment
コメントの修正にはpasswordが必要です。任意の英数字を入力して下さい。
Clock
ブログ内検索
カウンター
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
プロフィール
HN:
(´π`)
性別:
男性
自己紹介:
・・・。
カテゴリー
最新CM
[06/29 (^▽^)]
[06/16 ある晩のヴぇる君。]
[06/07 はじめまして]
[05/30 ある晩のヴぇる君。]
[05/29 ある晩のヴぇる君。]
最新TB
最新記事
(12/22)
(12/20)
(12/13)
(12/12)
(12/11)
アーカイブ
最古記事
(03/17)
(03/18)
(03/19)
(03/20)
(03/21)
地球儀もどき