1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
CD1:
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Piano Concerto No.24 in C minor, K491
Glenn Gould (Pf)
The Swedish Radio Symphony Orchestra / Georg Ludwig Jochum
(Rec. 30 September 1958, The Musical Academy, Stockholm) Live Recording without Applause
◈Ludwig van Beethoven: Piano Concerto No.2 in B flat major, op.19Glenn Gould (Pf)
The Swedish Radio Symphony Orchestra / Georg Ludwig Jochum
(Rec. 5 October 1958, The Musical Academy, Stockholm) Live Recording with Applause
CD2:
◈Joseph Haydn: Piano Sonata No.49 in E flat major
Glenn Gould (Pf)
(Rec. 1 October 1958, The Musical Academy, Stockholm) Live Recording without Applause
◈Ludwig van Beethoven: Piano Sonata No.31 in A flat major, op.110◈Alban Berg: Piano Sonata
Glenn Gould (Pf)
(Rec. 6 October1958, The Musical Academy, Stockholm) Live Rocording without Applause
グレン・グールド(Glenn Gould, 1932-1982)は、カナダのピアニストです。
1964年に演奏会からの引退を宣言し、専らスタジオでの録音に精を出したことで知られています。
こうした引退の背景には、グールドがステージで大衆の興味の対象になるのを嫌がったことと、録音技術が発達した今日において、あえてリスクの大きな演奏会を開く意義をグールドが見出さなくなったという点が、グールドの主張として挙げられます。
演奏行為からいかなる瑕疵をも排除しようとする完璧主義的なグールドの立場からすれば、何が起こるかわからない演奏会での演奏は、プレッシャーの大きなものであったでしょうし、演奏会における伝統的な不文律が、グールドにとってわずらわしいことだったのかもしれません。
スタジオでは聴衆の顔色を伺わなくてもいいですし、不満に思える箇所は取り直して、よりよいテイクに差し替えることで、より自分の望む演奏を作ることが出来ます。自らの完璧主義を満たすためには、スタジオに篭っての録音は、グールドにとって願ったり叶ったりでした。
しかし、演奏会からドロップ・アウトする前のグールドが、ドロップ・アウト後のグールドと比べて完璧ではなかったと結論付けるのは、いささか早計かもしれません。
1958年にストックホルムで行った一連のライヴ録音は、コンサート・ピアニストとしてのグールドの手腕の高さを垣間見せる、素晴らしい演奏集だといえます。
一枚目のCDには、(Georg Ludwig Jochum, 1909-1970)指揮するスウェーデン放送交響楽団との共演で、(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)のピアノ協奏曲第24番(K491)と、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1791)のピアノ協奏曲第2番の演奏が収録されています。
G.L.ヨッフムは、ブルックナーの権威として知られたオイゲン・ヨッフムの弟君で、この人もヨーゼフ・ハースやジークムント・フォン・ハウゼッガーらに師事し、ブルックナーの作品演奏に秀でた指揮者でした。
第二次世界大戦後は、バンベルク交響楽団やRIAS交響楽団(今日のベルリン・ドイツ交響楽団)の首席指揮者などのポストについていましたが、たびたびストックホルムのほうにも足を運んでいました。
彼の指揮した録音はそれほど多く出回っていないので、本CDは、現在入手できる彼の貴重な録音でもあります。
グールドのピアノは非常に明晰で、無理のないテンポでしっかりと弾き込んでいます。モーツァルトでは、オーケストラが暗く重い伴奏をつけているため、グールドのピアノがまるで闇の中で光るダイヤモンドのような印象を与えます。
ベートーヴェンの協奏曲は、彼の協奏曲の中ではあまり人気のある曲ではないですが、グールドはこの曲を好んで弾いていたとのこと。一音一音丁寧に磨き上げ、音の粒を徹底的に揃えており、大変美しい演奏に仕上がっています。グールドのすごいところは、こうした音へのこだわりが目標としてあるのではなく、ピアノを弾く前提としてある点であり、オーケストラともども躍動感ある演奏で、大変充実しています。
2枚目のCDは、ソロの録音が収録されています。
ヨーゼフ・ハイドン(Joseph Haydn, 1732-1809)のソナタ第49番は、取り立てて技巧的ではないものの、堅実な書法からユーモアとウィットが零れ落ちてくる作品。グールドは真面目に弾いていますが、本CD収録の演奏では、技術的な確実さがあまりウィットとつながらなかったようです。
ベートーヴェンのソナタ第31番は、ずいぶんとどっしりと落ち着いた演奏で、大変聴き栄えがします。終楽章のフーガも各声部の動きをしっかり捉えており、ポリフォニー音楽を好むグールドならではの充実感があります。
アルバン・ベルク(Alban Berg, 1885-1935)のソナタは、彼の処女作で、調性としてはロ短調が採用されています。ただ、使っている和音が伝統的な和音とは異なったものを使っているのと、全音音階など、ロ短調のスケールとは異なったスケールをところどころで用いているので、無調音楽にかなり近い作品になっています。
グールドは、こうした複雑な楽譜には興味を示し、このソナタの独特の味わいをしっかりと伝えようとしています。細部までコントロールの行き届いたグールドのピアノ演奏は、この曲の持つ官能的な香りを十二分に引き出すことに成功しています。
1964年に演奏会からの引退を宣言し、専らスタジオでの録音に精を出したことで知られています。
こうした引退の背景には、グールドがステージで大衆の興味の対象になるのを嫌がったことと、録音技術が発達した今日において、あえてリスクの大きな演奏会を開く意義をグールドが見出さなくなったという点が、グールドの主張として挙げられます。
演奏行為からいかなる瑕疵をも排除しようとする完璧主義的なグールドの立場からすれば、何が起こるかわからない演奏会での演奏は、プレッシャーの大きなものであったでしょうし、演奏会における伝統的な不文律が、グールドにとってわずらわしいことだったのかもしれません。
スタジオでは聴衆の顔色を伺わなくてもいいですし、不満に思える箇所は取り直して、よりよいテイクに差し替えることで、より自分の望む演奏を作ることが出来ます。自らの完璧主義を満たすためには、スタジオに篭っての録音は、グールドにとって願ったり叶ったりでした。
しかし、演奏会からドロップ・アウトする前のグールドが、ドロップ・アウト後のグールドと比べて完璧ではなかったと結論付けるのは、いささか早計かもしれません。
1958年にストックホルムで行った一連のライヴ録音は、コンサート・ピアニストとしてのグールドの手腕の高さを垣間見せる、素晴らしい演奏集だといえます。
一枚目のCDには、(Georg Ludwig Jochum, 1909-1970)指揮するスウェーデン放送交響楽団との共演で、(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)のピアノ協奏曲第24番(K491)と、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1791)のピアノ協奏曲第2番の演奏が収録されています。
G.L.ヨッフムは、ブルックナーの権威として知られたオイゲン・ヨッフムの弟君で、この人もヨーゼフ・ハースやジークムント・フォン・ハウゼッガーらに師事し、ブルックナーの作品演奏に秀でた指揮者でした。
第二次世界大戦後は、バンベルク交響楽団やRIAS交響楽団(今日のベルリン・ドイツ交響楽団)の首席指揮者などのポストについていましたが、たびたびストックホルムのほうにも足を運んでいました。
彼の指揮した録音はそれほど多く出回っていないので、本CDは、現在入手できる彼の貴重な録音でもあります。
グールドのピアノは非常に明晰で、無理のないテンポでしっかりと弾き込んでいます。モーツァルトでは、オーケストラが暗く重い伴奏をつけているため、グールドのピアノがまるで闇の中で光るダイヤモンドのような印象を与えます。
ベートーヴェンの協奏曲は、彼の協奏曲の中ではあまり人気のある曲ではないですが、グールドはこの曲を好んで弾いていたとのこと。一音一音丁寧に磨き上げ、音の粒を徹底的に揃えており、大変美しい演奏に仕上がっています。グールドのすごいところは、こうした音へのこだわりが目標としてあるのではなく、ピアノを弾く前提としてある点であり、オーケストラともども躍動感ある演奏で、大変充実しています。
2枚目のCDは、ソロの録音が収録されています。
ヨーゼフ・ハイドン(Joseph Haydn, 1732-1809)のソナタ第49番は、取り立てて技巧的ではないものの、堅実な書法からユーモアとウィットが零れ落ちてくる作品。グールドは真面目に弾いていますが、本CD収録の演奏では、技術的な確実さがあまりウィットとつながらなかったようです。
ベートーヴェンのソナタ第31番は、ずいぶんとどっしりと落ち着いた演奏で、大変聴き栄えがします。終楽章のフーガも各声部の動きをしっかり捉えており、ポリフォニー音楽を好むグールドならではの充実感があります。
アルバン・ベルク(Alban Berg, 1885-1935)のソナタは、彼の処女作で、調性としてはロ短調が採用されています。ただ、使っている和音が伝統的な和音とは異なったものを使っているのと、全音音階など、ロ短調のスケールとは異なったスケールをところどころで用いているので、無調音楽にかなり近い作品になっています。
グールドは、こうした複雑な楽譜には興味を示し、このソナタの独特の味わいをしっかりと伝えようとしています。細部までコントロールの行き届いたグールドのピアノ演奏は、この曲の持つ官能的な香りを十二分に引き出すことに成功しています。
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