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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Johannes Brahms: Sonata for Violin and Piano in D minor, op.108
Zino Francescatti (Vn)
Eugenio Bagnoli (Pf)
(Rec. 25 August 1958, Mozarteum) Live Recording with Applause
◈Johann Sebastian Bach: Partita for Violin solo in B minor, BWV1002
◈Paul Ben-Haim: Violin Sonata in G major
Zino Francescatti (Vn)
(Rec. 25 August 1958, Mozarteum) Live Recording with Applause
◈Camille Saint-Saëns: Introduction and Rondo Capricioso
◈Maurice Ravel: Tzigane
◈Frédéric Chopin (arr. Zino Francescatti): Mazurka, op.68-4
◈Pablo de Sarasate: Zapatera
Zino Francescatti (Vn)
Eugenio Bagnoli (Pf)
(Rec. 25 August 1958, Mozarteum) Live Recording with Applause




フランス出身にしてアメリカで活躍したヴァイオリニスト、ジノ・フランチェスカッティ(Zino Francescatti, 1902-1991)の、ザルツブルグ・モーツァルテウムでのライヴ録音です。
室内楽でのフランチェスカッティは、ロベール・カサドシュとのコンビが有名ですが、本CDでは、イタリア人ピアニストのエウジェニオ・バニョーリ(Eugenio Bagnoli, 1920-)を起用しています。バニョーリは、アルフレード・カゼッラ門下のピアニストで、ナタン・ミルシテインやヘンリク・シェリングといったヴァイオリニストからも重用された人です。

本CDでの演目は、ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms, 1833-1897)のヴァイオリン・ソナタ第3番、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750)のパルティータ第1番、パウル・ベン=ハイム(Paul Ben-Haim, 1897-1984)の無伴奏ヴァイオリンのソナタ、カミーユ・サン=サーンス(Camille Saint-Saëns, 1835-1921)の序奏とロンド・カプリチオーソ、モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel, 1875-1937)のツィガーヌで、アンコールとして、フレデリック・フランソワ・ショパン(Frédéric François Chopin, 1810-1849)のマズルカとパブロ・デ・サラサーテ(Pablo de Sarasate, 1844-1908)のザパテアードが演奏されています。

ブラームス作品であれ、フランチェスカッティは、その屈託のない明るい音色を駆使して朗々と歌い上げており、すっかり自分の流儀で押し通してしまっているのがユニークです。バニョーリは、そうしたフランチェスカッティの音色のつや消しとなり、慎ましい音色で作品の深みに踏み込んでいます。第2楽章における沈潜したピアノの表情の美しさには、伴奏者としてより、音楽家としてのバニョーリのセンスのよさを感じさせます。

J.S.バッハの無伴奏パルティータは、バッハの音楽を厳格なものと考える人にとっては、ノリの軽い演奏のように感じられるかもしれません。音を紡ぎ上げるには、その音が幾分細い気もしますが、クーラント(コレンテ)では、そのフットワークの軽さを生かし、推進力の強い演奏で聴き手の耳を惹きつけています。
サラバンドの楽章では、歌いまわしにわざとらしさが多少感じられて違和感を残しますが、ブーレのテンポによる最終楽章ではダイナミックな演奏を展開し、聴き応えのある演奏を聴かせてくれます。

ベン=ハイムはドイツ生まれながらイスラエルに帰化した作曲家で、なんとかユダヤ民族の歌心を自分の作風に組み込もうとした苦心が伺えます。その苦心するという点ではスイス人作曲家のエルネスト・ブロッホを連想させます。
この3楽章のソナタは、、ベーラ・バルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタを幾分わかりやすく書き直したような作品で、大変聴きやすい音楽になっています。フランチェスカッティは、持ち前の軽い音色でサラリと弾いており、作品の粘着質な語り口を幾分和らげています。こうしたことで、曲全体の見通しが明るくなり、どういう曲なのかを客観的に知ることが出来ます。

サン=サーンスの作品は、フランチェスカッティが何度となく録音してきた音楽で、段取りのいい演奏を聴かせてくれます。バニョーリのピアノも、出しゃばらずにスマートな伴奏を披露しています。
ラヴェルのツィガーヌはフランチェスカッティの十八番。フランチェスカッティは、この曲の情緒に浸るのではなく、この曲から様々な表情を引き出して楽しんでいるようなところがあります。フランチェスカッティにとってのツィガーヌは、音楽の宝石箱であり、その宝石箱を開けて中身を開陳し、そこにいるお客さんをアッと言わせます。とても豊饒でいて、うまく曲想と距離感を取ったクールさが、ラヴェルの音楽と非常にマッチしていると思います。

フランチェスカッティが編曲したショパンのマズルカやサラサーテの小品は、程よくリラックスして弾いており、大家の余裕とサービス精神を感じさせる演奏。アンコールの演奏として絶妙です。

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