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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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CD1
◈Carl Orff: Carmina Burana
Milada Šubrtová (S)
Jaroslav Tománek (T)
Theodor Šrubař (Br)
Kühn Children's Corus (Chorus master: Markéta Kühnová)
Czech Philarmonc Chorus (Chorus master: Josef Veselka)
Czech Philharmonic Orchestra / Václav Smetáček
(Rec. 1961, Rudolfinum, Prague)
◈Carl Orff: Catulli Carmina (Beginning)
Ludmila Tržická (Pf)
Vladimír Topinka (Pf)
Vladimír Mencl (Pf)
Oldřich Kredba (Pf)
Czech Philarmonc Chorus (Chorus master: Josef Veselka)
Prague Symphony Orchestra / Václav Smetáček
(Rec. 5-8 April 1965, Rudolfinum, Prague)

CD2
◈Carl Orff: Catulli Carmina (Conclusion)
Helena Tattermuschová (S)
Ivo Židek (T)
Ludmila Tržická (Pf)
Vladimír Topinka (Pf)
Vladimír Mencl (Pf)
Oldřich Kredba (Pf)
Czech Philarmonc Chorus (Chorus master: Josef Veselka)
Prague Symphony Orchestra / Václav Smetáček
(Rec. 5-8 April 1965, Rudolfinum, Prague)
◈Carl Orff: Trionfo di Afrodite
Helena Tattermuschová (S)
Marta Boháčová (S)
Ivo Židek (T)
Oldřich Lindauer (T)
Karel Berman (Bs)
Czech Philarmonc Chorus (Chorus master: Josef Veselka)
Prague Symphony Orchestra / Václav Smetáček
(Rec. 13-15 November 1969, Smetana Hall, Prague)



カール・オルフ(Carl Orff, 1895-1982)は、ドイツの作曲家で、カルミナ・ブラーナをはじめとするトリオンフィ三部作が、その代表作として広く知られています。
このCDは、その代表作であるトリオンフィ三部作が全部収録されています。歌詞対訳は、1枚目のCDにデータとして含まれており、パソコンで取りだすことができます。
演奏のキャストは以下のとおり。

カルミナ・ブラーナ
ミラダ・シュプルトヴァー (S)
ヤロスラフ・トマーネク (T)
テオドル・シュルヴァルジ (Bs)
キューン児童合唱団 (合唱指揮:マルケータ・キューノヴァー)
チェコ・フィルハーモニー合唱団 (合唱指揮:ヨーゼフ・ヴェセルカ)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団/ヴァーツラフ・スメターチェク

カトゥリ・カルミナ
ヘレナ・タッテルムスホヴァー (S)
イヴォ・ジーデク (T)
ルドミラ・トルジツカー(Pf)
ウラディミール・トピンカ (Pf)
ウラディミール・メンツル (Pf)
オルドジヒ・クレドバ (Pf)
&チェコ・フィルハーモニー合唱団 (合唱指揮:ヨーゼフ・ヴェセルカ)
   プラハ交響楽団/ヴァーツラフ・スメターチェク

アフロディーテの勝利
ヘレナ・タッテルムスホヴァー (S)
マルタ・ボハーチョヴァー (S)
イヴォ・ジーデク (T)
オルドルジヒ・リンダウアー (T)
カレル・ベルマン (Bs)
チェコ・フィルハーモニー合唱団 (合唱指揮:ヨーゼフ・ヴェセルカ)
プラハ交響楽団/ヴァーツラフ・スメターチェク

第一作目にあたる世俗カンタータ《カルミナ・ブラーナ》とは、「ボイレンの歌」という意味で、ドイツのバイエルン地方のボイレン修道院に眠っていた歌集がテクストに使われています。(一部オルフが作ったものも織り交ぜられているとか。)
1937年にフランクフルト・アム・マイン劇場で発表され、オルフの名前を一気に高めたこの作品は、オルフの名刺代わりとして、今日でも単独でよく上演されています。
ボイレン歌集から酒やセックスなどの快楽を歌ったものをセレクトし、プロローグとエピローグに運命の女神フォルトゥナの歌を配置することで、快楽がどうにもならない運命に対する悲観の裏返しであることを描き出しています。
この作品において、オルフは主題とその展開というこれまでの音楽語法を捨て、展開せずただ反復するだけという音楽表現を試み、強烈な印象を演出しています。
そのため、この作品は、明快なリズム処理とアンサンブルの精度が試される作品であり、大合唱とオーケストラを統率する指揮者のリーダー・シップを測る試金石にもなります。
指揮を務めるスメターチェク(Václav Smetáček, 1906-1986)は、18世紀から現代の音楽まで幅広くこなしたチェコの名匠ですが、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団を起用したこの録音は、アンサンブルをしっかりまとめるという点では、さすがの出来栄え。
ヴェセルカ(Josef Veselka, 1910-1992)によって練成されたチェコ・フィルハーモニー合唱団も、精巧すぎず、粗すぎない、人間味を感じさせる程よい精度でこの曲の俗っぽさをうまく表現しています。
ただ、歌手陣はやや表情が硬く、シュプルトヴァー(Milada Šubrtová)の歌う愛の歌の場面の〈私の心を秤にかけて〉など、思い悩む女の色香が不足しているような気がします。酒場の場面など、トマーネク(Jaroslav Tománek)がファルセットで歌う〈綺麗な湖に住んでいたとき〉の歌唱は皮肉たっぷりの歌い回しが面白いのですが、シュルヴァルジ(Theodor Šrubař, 1917-1979)の〈わしは僧院長様だぞ〉など、表情が妙に硬く、全く酒に酔った感じがしない難点があります。

《カトゥリ・カルミナ》(1943年作)は、古代ローマの詩人カトゥルスの詩をテキストにした作品。この作品では、オーケストラはピアノ4台に打楽器群を加えたパーカッション重視の特異な編成。打楽器以外の楽器としては、吹奏楽器としてサキソフォーンが4本ほど用意されているだけで、こうした特異な編成のため、演奏機会には恵まれていません。
プロローグでは、若い女性と男性の合唱が永遠の愛を賛美し、老人たちの合唱が、彼らの歌う「永遠の愛」を嘲笑するところから、カトゥリスの歌が導き出されます。
カトゥルスは、乙女レスビアに出会い、彼女に愛の歌を歌い、レスビアはその愛の歌に熱烈に応えます。
こうしてカトゥルスとレスビアはカップルになりますが、カトゥルスが寝ている間にレスビアは他の男とどこかに行ってしまいます。
これを知ったカトゥルスは友人のカェールスに泣きつくのでした。
レスビアを捜し求めるカトゥルスは、レスビアの家の前にたどり着き、疲れ果てて転寝をしてしまいました。
その転寝で見た夢が、レスビアとカェールスがカップルになっているという夢であり、その夢に驚いてカトゥルスは飛び起き、絶望に打ちひしがれます。
カトゥルスがイプシテイラとアミアナという二人の女性を連れて町を歩いているとき、カトゥルスはレスビアの人影を見つけて、レスビアを追いかけます。
レズビアを見つけたとき、カトゥルスが見たのは、レスビアに寄り添うカェールスでした。あわててレスビアはカトゥルスに近寄りますが、カトゥルスはレスビアを拒絶するのでした。
カトゥルス役に相当するソロを、プラハ国立歌劇場のスター歌手であるジーデク(Ivo Židek, 1926-2003)が歌い、タッテルムスホヴァー(Helena Tattermuschová, 1933-)がレスビア役に相当するソロを歌っていますが、ジーデクの声もタッテルムスホヴァーの声も瑞々しく、表情豊かな歌唱で、それぞれのキャラクターをしっかりと描いてくれています。また、合唱団の歌唱精度が《カルミナ・ブラーナ》のときのものより格段に磨かれているのも印象的でした。
しかし、合唱の扱いに《カルミナ・ブラーナ》以上の雄弁さが垣間見えるのに、全体の仕上がりが《カルミナ・ブラーナ》ほどのインパクトを持ちえていません。

最後の《アフロディーテの勝利》(1950-1951年作)は、1953年にミラノで、前2作と一緒に《トリオンフィ三部作》としてヘルベルト・フォン・カラヤンの指揮でミラノのスカラ座で初演されました。
カトゥルスとサッフォー、エウリピデスの詩がテキストとして使われたとのこと。古代ギリシャの婚礼を表現しようとした作品で、《カトゥリ・カルミナ》の編成を拡大したような音楽になっています。
歌手たちはプラハ国立歌劇場で活躍していた歌手たちとのことで、伸びやかな歌唱の応答でで男女の交わりのエロティシズムをしっかり歌っています。
プラハ交響楽団の演奏は、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団ほどの美感は感じられませんが、これはオルフの作品が旋律線のしなやかさから打楽器の律動性に力点を置いていたためとも考えられます。スメターチェクは、オーケストラから歯切れの良い音を引き出してこの音楽のリズミカルな魅力を引き出そうと奮闘しています。
しかし、作品として、個人的には、《カトゥリ・カルミナ》の出し殻で音楽を作っているような印象はぬぐえません。

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