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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Georges Bizet: Les Pêcheurs de perles
Ileana Cotrubas (S: Leïla)
Alain Vanzo (T: Nadir)
Guillermo Sarabia (Br: Zurga)
Roger Soyer (Nourabad)
Chœur du Thêatre National de l'Opéra de Paris (Chorus master: Jean Laforge)
Orchestre du Thêatre National de l'Opéra de Paris / Georges Prêtre
(Rec. 18-27 July 1977, Salle Wagram, Paris)



ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet, 1838-1875)は、フランスの作曲家です。ビゼーは19歳でローマ大賞を取ったほどの早熟の作曲家でしたが、ピアニストとしても優れ、フランツ・リストが「自分とハンス・フォン・ビューローの2人だけしか弾けない」と豪語していた新作を、初見であっさりと弾きこなしてしまい、リストに「あなたが一番うまい」と舌を巻かせたほどの腕前を持っていました。
しかし、彼はピアニストとしての活動はほとんど行わず、オペラや劇音楽の作曲家として活躍するようになりました。

この《真珠採り》は、1863年にパリのリリック劇場で発表された作品で、ビゼーのオペラの中では《カルメン》(1875年作)に次ぐ代表作。この作品によって、ビゼーはオペラ作曲家としての名声を確立しています。
台本はミシェル・カレ(Michel Carré, 1821-1872)とウジェーヌ・コルモン(Eugène Cormon, 1811-1903)ことピエール=エティエンヌ・ピエストルの共作とのこと。話の筋書きは以下のとおりです。

古代のセイロン島でのお話。

第1幕
島民たちは、新しい漁師頭としてズルカを指名しする。そこに親友で真珠採りの名人のナディールがやってきて、漁師頭の就任を祝う。ズルカとナディールは、一頃恋人のレイラを取り合った仲だったが、今は親友となっている。
二人が友情を確かめ合っているところに、バラモン教の僧侶のヌーラパットとお付きの巫女が、漁の安全を祈願に来る。実はお付きの巫女こそが、二人の憧れの人のレイラだった。ズルカは、その巫女がレイラだと気づかなかったが、ナディールは、その声からレイラであることを確信した。
彼女がレイラで、まだ自分もレイラのことを愛していることをズルカに話そうとするが、なかなか話すタイミングが、ナディールにはない。
漁の安全祈祷の最中、ナディールはレイラに近づくことができ、そっとレイラに愛の言葉をつぶやき、レイラもその言葉に応えた。

第2幕
ヌーラパットの言いつけで、レイラは崖の上に立っている。そこにいる仲間たちに、レイラは自分がしている首飾りが、少女時代に逃亡者を逃がしたときのお礼に貰った宝物なのだと話す。その話が終わった頃、ナディールがやってくる。
レイラとナディールは熱く抱擁し、お互いの愛を確かめ合ったが、ナディールはレイラに駆け落ちを提案する。
駆け落ちがばれたら処刑されるとレイラは弱腰だったが、ナディールの情熱に押されて明晩駆け落ちをすることを承諾した。
ナディールは村にいそいそと戻ろうとするが、村のほうで銃声がする。早速駆け落ちの計画がバレてナディールは捕まってしまった。
そこにズルカがやってくるが、巫女がレイラであることに気づき、ナディールに嫉妬したズルカはレイラとナディールに死刑を宣告する。

第3幕
レイラがズルカのところにやってきて、ナディールの助命を嘆願する。ズルカは、レイラに愛を告白し、ナディールへの嫉妬も告白するが、レイラは聞き入れない。その代わり、自分の母親に形見として自分の首飾りを渡すよう言付けた。
その首飾りを見たズルカはびっくりする。かつて罪を犯して逃亡していたときに、助けてくれた少女にあげた首飾りだったからだ。ズルカは首飾りを握り締め、二人を助ける決意をする。
二人が処刑場で火あぶりにされようとするそのとき、ズルカは村に火を放ち、その隙を突いて二人を釈放する。
二人はズルカにお礼を言って逃げていくが、全てを見ていたヌーラパットがズルカを糾弾し、ズルカは村人たちに撲殺されてしまう。
ズルカは二人が逃げおおせたのを見届けて、息絶えた。

キャストは以下のとおり。

イレアナ・コトルバス (レイラ)
アラン・ヴァンゾ (ナディール)
ギレルモ・サラビア (ズルカ)
ロジェ・ソワイエ (ヌーラパット)
パリ国立歌劇場合唱団 (合唱指揮:ジャン・ラフォルジ)
パリ国立歌劇場管弦楽団/ジョルジュ・プレートル
プレートル(Georges Prêtre, 1924-)指揮するパリ国立歌劇場管弦楽団と合唱団は、アンサンブルの精度があまり高いとは言えず、雑然としています。後半になると、幾分カンが戻ってきますが、全体的には散漫な演奏になってしまいました。
男性独唱陣はフランスの名歌手で、サラビア(Guillermo Sarabia, 1937-1985)の声が抑制が効いてて、物のわかる男の貫禄があります。ソワイエ(Roger Soyer, 1939-)の歌うヌーラバット役も、随所随所でアンサンブルを引き締めた好演です。
ヴァンゾ(Alain Vanzo, 1928-2002)に関しては、サラビアと歌う第一幕の二重唱こそ力みすぎの感がありますが、コトルバス(Ileana Cotrubas, 1939-)が登場すると次第に肩の力も抜け、なかなかの色男っぷりを演じます。
コトルバスはルーマニア出身のソプラノ歌手で、何でもこなせた便利な人材でしたが、決して器用貧乏というわけではありませんでした。ここでもレイラ役で男二人が恋に落ちるに足るだけの清楚な色気をしっかりと出しています。コトルバスの聴き所は、第2幕の首飾りのアリアですが、たおやかさと劇性をしっかり両立させています。

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