1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
CD1:
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.1 in C major, op.21
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.2 in D major, op.36
Czech Philharmonic Orchestra / Paul Kletzki
(Rec. 7-12 January 1967, Rudolfinum, Prague)
◈Ludwig van Beethoven: Coriolan Overture, op.62Czech Philharmonic Orchestra / Paul Kletzki
(Rec. 14-17 February 1967, Rudolfinum, Prague)
CD2:
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.3 in E flat major, op.55
Czech Philharmonic Orchestra / Paul Kletzki
(Rec. 18-21 February 1967, Rudolfinum, Prague)
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.8 in F major, op.93Czech Philharmonic Orchestra / Paul Kletzki
(Rec. 21 February 1967, Rudolfinum, Prague)
CD3:
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.4 in B flat major, op.60
Czech Philharmonic Orchestra / Paul Kletzki
(Rec. 21-22 December 1965, Rudolfinum, Prague)
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.7 in A major, op.92Czech Philharmonic Orchestra / Paul Kletzki
(Rec. 11-13 February 1967, Rudolfinum, Prague)
CD4:
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.5 in C minor, op.67
Czech Philharmonic Orchestra / Paul Kletzki
(Rec. 14-17 February 1967, Rudolfinum, Prague)
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.6 in F major, op.68 "Pastral"Czech Philharmonic Orchestra / Paul Kletzki
(Rec. 5-7 June 1965, Rudolfinum, Prague)
CD5:
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.9 in D minor, op.125 "Choral"
Ingeborg Wenglor (S)
Annelies Burmeister (Ms)
Martin Ritzmann (T)
Rolf Kühne (Bs)
Czech Philharmonic Chorus (Chorus master: Joseph Weselka)
Czech Philharmonic Orchestra / Paul Kletzki
Annelies Burmeister (Ms)
Martin Ritzmann (T)
Rolf Kühne (Bs)
Czech Philharmonic Chorus (Chorus master: Joseph Weselka)
Czech Philharmonic Orchestra / Paul Kletzki
(Rec.23-28 June 1965, Rudolfinum, Prague)
・Ludwig van Beethoven: Egmont Overture, op.84Czech Philharmonic Orchestra / Paul Kletzki
(Rec. 11-13 February 1967, Rudolfinum, Prague)
パウル・クレツキ(Paul Kletzki, 1900-1973)による、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)の交響曲全集です。
第9番の第4楽章では、インゲボルク・ヴェングロル(Ingeborg Wenglor, 1926-)、アンネリーゼ・ブルマイスター(Annelies Burmeister, 1930-1988)、マルティン・リツマン(Martin Ritzmann, 1919-1984)、ロルフ・キューネ(Rolf Kühne, 1932-)といった、ドイツの歌手たちが参加しています。なお、本CDセットでは、キューネの名前がパウル・キューネと誤記されているので、ご注意下さい。
クレツキは、ポーランド出身の作曲家兼指揮者でした。21歳のときにベルリンに留学してから、ドイツを本拠に作曲と指揮活動をしていましたが、ナチスが政権を握ってからはユダヤ人であるという理由でドイツを追われ、亡命した先のイタリアでもムッソリーニ政権がユダヤ人排斥の動きを見せたためソ連へと流れ着くことになりました。
しかし、ソ連でのクレツキは大粛清の標的になり、結局スイスに定住することになります。
第二次世界大戦中までにヨーロッパ各国を転々とせざるを得なかった生活状況に加え、自分の親族がナチスによって虐殺されたこともあって、クレツキは作曲活動への意欲を殺がれ、第二次世界大戦後は指揮活動に専念しています。
クレツキは流浪の識者として知られ、首席指揮者としてオーケストラに奉職したのは、アメリカのダラス交響楽団とスイス・ロマンド管弦楽団に過ぎません。しかも、スイス・ロマンド管弦楽団でのポストは、前任でこのオーケストラの創設者だったエルネスト・アンセルメと悉く比較され、売れ付の実力が過小評価される一因にもなっています。
クレツキは、世界のトップ・レベルのオーケストラから客演のオファーがひっきりなしに舞い込むほどの指揮者でしたが、その彼が得意としたレパートリーの一つにベートーヴェンの交響曲があります。チェコ・フィルハーモニー管弦楽団と残したベートーヴェンの交響曲全集は、クレツキが名指揮者であったことを示す証拠の一つになります。
クレツキは、ベートーヴェンの交響曲を、精神性などという固定観念から一旦引き剥がし、一つ一つのフレーズを、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のキャパシティに合わせて、豊饒な音と引き締まったアンサンブルで組み立てなおしています。気分的な盛り上がりに頼らず、精緻に響きを整頓していくことで、ベートーヴェンの手垢を落とそうとしています。
日本で《運命》の表題で親しまれる交響曲第5番など、整然としたアンサンブルで無駄のない演奏に仕上がっています。慣習的にこうだからこう演奏するというのではなく、自分流の解釈を徹底的に貫いて統率した演奏だといえるでしょう。オーケストラの音にだれたところはなく、終始緊張感が漲っています。表題のついていない交響曲も、感情的な盛り上げは一切行わず、各パートの動きを克明に描き出しています。おかげで、古典派の造形を持つ第2番や第8番の交響曲は、簡潔にして要点を押さえた演奏が小気味よく、どういう構造でこの音楽が成り立っているのかが良くわかります。
大トリの第9番の交響曲でも、簡潔明瞭なアプローチは崩しません。このオーケストラ自体が豊かな音色を持っているのでキビキビとしていながら、痩せた響きにはなりません。
第4楽章の合唱も整然と揃っており、クライマックスをことさら演出するような屋上屋を架す行為はせず、淡々と歓喜の合唱を奏でています。
第9番の第4楽章では、インゲボルク・ヴェングロル(Ingeborg Wenglor, 1926-)、アンネリーゼ・ブルマイスター(Annelies Burmeister, 1930-1988)、マルティン・リツマン(Martin Ritzmann, 1919-1984)、ロルフ・キューネ(Rolf Kühne, 1932-)といった、ドイツの歌手たちが参加しています。なお、本CDセットでは、キューネの名前がパウル・キューネと誤記されているので、ご注意下さい。
クレツキは、ポーランド出身の作曲家兼指揮者でした。21歳のときにベルリンに留学してから、ドイツを本拠に作曲と指揮活動をしていましたが、ナチスが政権を握ってからはユダヤ人であるという理由でドイツを追われ、亡命した先のイタリアでもムッソリーニ政権がユダヤ人排斥の動きを見せたためソ連へと流れ着くことになりました。
しかし、ソ連でのクレツキは大粛清の標的になり、結局スイスに定住することになります。
第二次世界大戦中までにヨーロッパ各国を転々とせざるを得なかった生活状況に加え、自分の親族がナチスによって虐殺されたこともあって、クレツキは作曲活動への意欲を殺がれ、第二次世界大戦後は指揮活動に専念しています。
クレツキは流浪の識者として知られ、首席指揮者としてオーケストラに奉職したのは、アメリカのダラス交響楽団とスイス・ロマンド管弦楽団に過ぎません。しかも、スイス・ロマンド管弦楽団でのポストは、前任でこのオーケストラの創設者だったエルネスト・アンセルメと悉く比較され、売れ付の実力が過小評価される一因にもなっています。
クレツキは、世界のトップ・レベルのオーケストラから客演のオファーがひっきりなしに舞い込むほどの指揮者でしたが、その彼が得意としたレパートリーの一つにベートーヴェンの交響曲があります。チェコ・フィルハーモニー管弦楽団と残したベートーヴェンの交響曲全集は、クレツキが名指揮者であったことを示す証拠の一つになります。
クレツキは、ベートーヴェンの交響曲を、精神性などという固定観念から一旦引き剥がし、一つ一つのフレーズを、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のキャパシティに合わせて、豊饒な音と引き締まったアンサンブルで組み立てなおしています。気分的な盛り上がりに頼らず、精緻に響きを整頓していくことで、ベートーヴェンの手垢を落とそうとしています。
日本で《運命》の表題で親しまれる交響曲第5番など、整然としたアンサンブルで無駄のない演奏に仕上がっています。慣習的にこうだからこう演奏するというのではなく、自分流の解釈を徹底的に貫いて統率した演奏だといえるでしょう。オーケストラの音にだれたところはなく、終始緊張感が漲っています。表題のついていない交響曲も、感情的な盛り上げは一切行わず、各パートの動きを克明に描き出しています。おかげで、古典派の造形を持つ第2番や第8番の交響曲は、簡潔にして要点を押さえた演奏が小気味よく、どういう構造でこの音楽が成り立っているのかが良くわかります。
大トリの第9番の交響曲でも、簡潔明瞭なアプローチは崩しません。このオーケストラ自体が豊かな音色を持っているのでキビキビとしていながら、痩せた響きにはなりません。
第4楽章の合唱も整然と揃っており、クライマックスをことさら演出するような屋上屋を架す行為はせず、淡々と歓喜の合唱を奏でています。
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