1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Charles Ives: Down East
◈Charles Ives: Two Little Flower
◈Charles Ives: Tom Sails Away
◈Charles Ives: See'r
◈Charles Ives: Song My Mother Taught Me
◈Charles Ives: The SideSnow
◈Charles Ives: The White Gulls
◈Charles Ives: West London
◈Charles Ives: Afterglow
◈George Clumb: Apparition
Jan DeGaetani (Ms)
Gilbert Kalish (Pf)
Gilbert Kalish (Pf)
(Rec. October & December 1982)
チャールズ・アイヴズ(Charles Ives, 1874-1954)とジョージ・クラム(George Clumb, 1929-)という二人のアメリカ人作曲家の歌曲を収録したCDです。
アイヴズは、軍楽隊の隊長の家に生まれましたが、その隊長である父親が実験精神旺盛な人で、別な音楽を同時に演奏させてみたり、奏者の立ち位置をバラバラにして演奏させてみたりと、イロイロなことを試していたそうです。
そんな父親から音楽教育を受けたアイヴズは、一応エール大学で音楽を学びましたが、父親譲りの実験精神では音楽業界では生き難いことを悟り、保険屋を本業にし、趣味で作曲をすることにしたとのこと。
そんな彼の音楽は、不協和音と賛美歌や俗謡のメロディの剽窃をごちゃ混ぜにしてちりばめていく独特のもの。リズムやテンポの違うパートを同時進行させる技術は、おそらく父親の嗜好を受け継いだものと思われます。
クラムは、ベルリンでボリス・ブラッハーに師事した人で、円状や渦巻状の楽譜を書いたり、特殊奏法をふんだんに盛り込んだりと、前提的実験精神の旺盛な作曲家です。しかし、そうした彼の音楽は驚くほど繊細かつ幻想的で美しいことでも知られています。こうした美しさは、フランス人作曲家のクロード・ドビュッシーの作品にそのルーツを求める人もいますが、クラムと同時代の作曲家であるオリヴィエ・メシアンの作品からの影響も考えられます。
演目は以下のとおりです。
アイヴズ:ダウン・イースト(Charles Ives)
アイヴズ:二輪の小さな花 (Charles & Harmony Ives)
アイヴズ:トムは船出する (Charles Ives)
アイヴズ:預言者 (Charles Ives)
アイヴズ:母が教え給いし歌 (Natalie Macfarren)
アイヴズ:余興 (Charles Ives)
アイヴズ:白いかもめ (Maurice Morris, trans. Morris Pool)
アイヴズ:ウェスト・ロンドン (Mathew Arnold)
アイヴズ:夕焼け (James Fenimore Cooper Jr.)
クラム:幽霊 (Walt Whitman)
演奏は、アメリカ人メゾ・ソプラノ歌手のジャン・デガエターニ(Jan DeGaetani, 1933-1989)と、ギルバート・カリシュ(Gilbert Kalish, 1935-)のデュオです。デガエターニは、現代音楽の積極的推進者として精力的に活動し、ルチアーノ・ベリオの細君であるキャシー・バーベリアンに比肩しうる実力の持ち主でした。また、教師としても、ドーン・アップショウやルネ・フレミングといった人たちを育てたことで知られています。
アイヴズとクラムの作品は、このデュオの十八番であり、カリシュの磨き抜かれたピアノの音と、程よく抑制の効いたデガエターニの歌唱がいぶし銀の味わいを醸成しています。
アイヴズの作品では、《二輪の小さな花》が、奥さんのハーモニー・アイヴズと共作した詩を元にしており、ひねりのない素直なメロディが紡ぎだされています。デガエターニは、そのメロディを優しく包み込み、カリシュのピアノも、慈しむような優しさが感じられます。《預言者》などでは、ポリリズム(リズムの違う音楽を同時演奏する技)の作法が盛り込まれていて、歌手もピアノも、片方のリズムに巻き込まれることなく、しっかりと独立性を保った演奏を聴かせています。
クラムの《幽霊》(1979年作)でも、カリシュのピアノの特殊奏法が、奇想的な雰囲気を醸し出し、その音の上をデガエターニが涼しげな声で歌い上げるという趣向で聴かせます。
ピアノの弦を直接なでたり、ピアノの縁をたたいたりといった特殊な演奏法が生み出す音の不思議は、メシアンの音楽の世界に通じるものがあるかもしれません。クールで柔らかなデガエターニの歌唱も、しっかりとこの曲の道しるべとなっています。
アイヴズは、軍楽隊の隊長の家に生まれましたが、その隊長である父親が実験精神旺盛な人で、別な音楽を同時に演奏させてみたり、奏者の立ち位置をバラバラにして演奏させてみたりと、イロイロなことを試していたそうです。
そんな父親から音楽教育を受けたアイヴズは、一応エール大学で音楽を学びましたが、父親譲りの実験精神では音楽業界では生き難いことを悟り、保険屋を本業にし、趣味で作曲をすることにしたとのこと。
そんな彼の音楽は、不協和音と賛美歌や俗謡のメロディの剽窃をごちゃ混ぜにしてちりばめていく独特のもの。リズムやテンポの違うパートを同時進行させる技術は、おそらく父親の嗜好を受け継いだものと思われます。
クラムは、ベルリンでボリス・ブラッハーに師事した人で、円状や渦巻状の楽譜を書いたり、特殊奏法をふんだんに盛り込んだりと、前提的実験精神の旺盛な作曲家です。しかし、そうした彼の音楽は驚くほど繊細かつ幻想的で美しいことでも知られています。こうした美しさは、フランス人作曲家のクロード・ドビュッシーの作品にそのルーツを求める人もいますが、クラムと同時代の作曲家であるオリヴィエ・メシアンの作品からの影響も考えられます。
演目は以下のとおりです。
アイヴズ:ダウン・イースト(Charles Ives)
アイヴズ:二輪の小さな花 (Charles & Harmony Ives)
アイヴズ:トムは船出する (Charles Ives)
アイヴズ:預言者 (Charles Ives)
アイヴズ:母が教え給いし歌 (Natalie Macfarren)
アイヴズ:余興 (Charles Ives)
アイヴズ:白いかもめ (Maurice Morris, trans. Morris Pool)
アイヴズ:ウェスト・ロンドン (Mathew Arnold)
アイヴズ:夕焼け (James Fenimore Cooper Jr.)
クラム:幽霊 (Walt Whitman)
演奏は、アメリカ人メゾ・ソプラノ歌手のジャン・デガエターニ(Jan DeGaetani, 1933-1989)と、ギルバート・カリシュ(Gilbert Kalish, 1935-)のデュオです。デガエターニは、現代音楽の積極的推進者として精力的に活動し、ルチアーノ・ベリオの細君であるキャシー・バーベリアンに比肩しうる実力の持ち主でした。また、教師としても、ドーン・アップショウやルネ・フレミングといった人たちを育てたことで知られています。
アイヴズとクラムの作品は、このデュオの十八番であり、カリシュの磨き抜かれたピアノの音と、程よく抑制の効いたデガエターニの歌唱がいぶし銀の味わいを醸成しています。
アイヴズの作品では、《二輪の小さな花》が、奥さんのハーモニー・アイヴズと共作した詩を元にしており、ひねりのない素直なメロディが紡ぎだされています。デガエターニは、そのメロディを優しく包み込み、カリシュのピアノも、慈しむような優しさが感じられます。《預言者》などでは、ポリリズム(リズムの違う音楽を同時演奏する技)の作法が盛り込まれていて、歌手もピアノも、片方のリズムに巻き込まれることなく、しっかりと独立性を保った演奏を聴かせています。
クラムの《幽霊》(1979年作)でも、カリシュのピアノの特殊奏法が、奇想的な雰囲気を醸し出し、その音の上をデガエターニが涼しげな声で歌い上げるという趣向で聴かせます。
ピアノの弦を直接なでたり、ピアノの縁をたたいたりといった特殊な演奏法が生み出す音の不思議は、メシアンの音楽の世界に通じるものがあるかもしれません。クールで柔らかなデガエターニの歌唱も、しっかりとこの曲の道しるべとなっています。
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