1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Hector Berlioz: Harold in Italy, Symphony for Viola and Orchestra, op.16
Bruno Giuranna (Vla)
BBC Symphony Orchestra / Maxim Shostakovich
BBC Symphony Orchestra / Maxim Shostakovich
(Rec. 2 September1982, Usher Hall, Edingburgh) Live Recording with Applause
◈Hector Berlioz: Les nuit d'été, op.7◈Hector Berlioz: Le jeune patre Breton, op.13-4
Jennifer Smith (S)
Philharmonia Orchestra / Charles Mackerras
(Rec. 9 January 1979, Henry Wood Hall, London)
エクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz, 1803-1869)は、フランスの作曲家です。
その昔の作曲家は、何か楽器を演奏することが出来たそうですが、ベルリオーズはほとんど楽器を演奏することが出来ず、せいぜいピアノで和音の確認ができる程度だったといわれています。
また、誇大妄想狂としても知られ、彼の自伝は妄想なんだか現実なんだか誇張表現なんだかわからない代物になっています。創造力が妄想力だとするならば、ベルリオーズは、未曾有の想像力を持った人だったといえるでしょう。
《イタリアのハロルド》(1834年作)は、ヴィオラ協奏曲の出来損ないの交響曲です。
ベルリオーズの自伝によると、幻想交響曲を聴いて感銘を受けたパガニーニがベルリオーズにヴィオラ協奏曲の作曲を依頼に来たとのこと。依頼を受けて作曲に取り掛かったところにパガニーニが様子見にやってきたのだが、パガニーニは、曲のスケッチを見るなり「私は絶えず弾いていなければならない」といい、ベルリオーズは「そんなの、あなたが作ればいいんじゃない?」と言い返しました。ヴィオラ協奏曲の依頼はなかったことになり、ベルリオーズは作りかけのヴィオラ協奏曲をヴィオラの助奏付交響曲として作り直したのでした。
ベルリオーズの《夏の夜》(1841年)はテオフィル・ゴーティエ(Théophile Gautier, 1811-1872)の詩集『死の喜劇』から取捨選択して曲をつけた作品。元々はピアノ伴奏歌曲でしたが、1842年ごろから、メゾ・ソプラノ歌手のマリー・レシオと愛人関係を結ぶようになります。翌年の1843年に、レシオのために第2曲の〈薔薇の精〉の伴奏をオーケストラ用に編曲。また1855年から翌年にかけて第4曲〈君なくて〉を編曲し、残りの〈ヴィラネル〉、〈入り江のほとり〉、〈墓場で〉、〈未知の島〉の4曲は1856年の春までに編曲されています。
《ランドの花》から〈ブルターニュの若い牧人〉も、1833年に作られたピアノ伴奏歌曲ですが、ここではベルリオーズ自身のオーケストラ伴奏編曲で演奏されています。
《イタリアのハロルド》では、マキシム・ショスタコーヴィチ(Maxim Shostakovich, 1938-)がBBC交響楽団を振って演奏しています。ヴィオラの助奏は、イタリアの名手であるブルーノ・ジュランナ(Bruno Giuranna, 1933-)が務めています。M.ショスタコーヴィチは、ドミトリー・ショスタコーヴィチを父に持ち、ヤコフ・フリエールにピアノを師事し、アレクサンデル・ガウクらに指揮を教わった人です。血縁関係からか、父親の作品のスペシャリストといわれますが、父親の作品だけでなく、19世紀ロマン派の作品も得意とする様です。
しかし、ベルリオーズの作品への気負いからか、はたまた、録音したホールの音響ゆえか、オーケストラの音が必ずしも十分に鳴りきっていません。第1楽章では、ジュランナが健闘するものの、金管楽器と弦楽器のタイミングがいまひとつかみ合っていないのも、おそらく指揮者の責任。所々で豪勢にオーケストラを鳴らそうとするものの、響きが整理されていないので、音が全体的にウェット気味でした。第2楽章では調子を持ち直し、弦を中心に纏綿とメロディを歌い上げ、第3楽章でもノリのいい音楽でしっかりと音楽を形作っていきますが、第4楽章では、次第にオーケストラのコントロールが甘くなり、金管楽器ばかりがパリパリと鳴る、生煮えのサウンドになってしまっています。
ポルトガル出身のジェニファー・スミス(Jennifer Smith, 1945-)の歌うベルリオーズ歌曲では、チャールズ・マッケラス(Charles Mackerras, 1925-)がフィルハーモニア管弦楽団を振って伴奏しています。マッケラスはコンサートのみならず、オペラの指揮者としても有名で、オーケストラ伴奏では阿吽の呼吸で共演者に合わせられる技術の持ち主です。
無理のないコントロールでスミスの歌唱を美しくバックアップしており、スミスの瑞々しい歌い口がより一層引き立ちます。《夏の夜》の〈ヴィラネル〉で聴かれる軽やかさや、〈入り江のほとり〉の荘厳な雰囲気など、曲想に合わせて音の佇まいを整えられるスミスの歌い口とマッケラスのバトン・テクニックに感嘆する演奏でした。
その昔の作曲家は、何か楽器を演奏することが出来たそうですが、ベルリオーズはほとんど楽器を演奏することが出来ず、せいぜいピアノで和音の確認ができる程度だったといわれています。
また、誇大妄想狂としても知られ、彼の自伝は妄想なんだか現実なんだか誇張表現なんだかわからない代物になっています。創造力が妄想力だとするならば、ベルリオーズは、未曾有の想像力を持った人だったといえるでしょう。
《イタリアのハロルド》(1834年作)は、ヴィオラ協奏曲の出来損ないの交響曲です。
ベルリオーズの自伝によると、幻想交響曲を聴いて感銘を受けたパガニーニがベルリオーズにヴィオラ協奏曲の作曲を依頼に来たとのこと。依頼を受けて作曲に取り掛かったところにパガニーニが様子見にやってきたのだが、パガニーニは、曲のスケッチを見るなり「私は絶えず弾いていなければならない」といい、ベルリオーズは「そんなの、あなたが作ればいいんじゃない?」と言い返しました。ヴィオラ協奏曲の依頼はなかったことになり、ベルリオーズは作りかけのヴィオラ協奏曲をヴィオラの助奏付交響曲として作り直したのでした。
ベルリオーズの《夏の夜》(1841年)はテオフィル・ゴーティエ(Théophile Gautier, 1811-1872)の詩集『死の喜劇』から取捨選択して曲をつけた作品。元々はピアノ伴奏歌曲でしたが、1842年ごろから、メゾ・ソプラノ歌手のマリー・レシオと愛人関係を結ぶようになります。翌年の1843年に、レシオのために第2曲の〈薔薇の精〉の伴奏をオーケストラ用に編曲。また1855年から翌年にかけて第4曲〈君なくて〉を編曲し、残りの〈ヴィラネル〉、〈入り江のほとり〉、〈墓場で〉、〈未知の島〉の4曲は1856年の春までに編曲されています。
《ランドの花》から〈ブルターニュの若い牧人〉も、1833年に作られたピアノ伴奏歌曲ですが、ここではベルリオーズ自身のオーケストラ伴奏編曲で演奏されています。
《イタリアのハロルド》では、マキシム・ショスタコーヴィチ(Maxim Shostakovich, 1938-)がBBC交響楽団を振って演奏しています。ヴィオラの助奏は、イタリアの名手であるブルーノ・ジュランナ(Bruno Giuranna, 1933-)が務めています。M.ショスタコーヴィチは、ドミトリー・ショスタコーヴィチを父に持ち、ヤコフ・フリエールにピアノを師事し、アレクサンデル・ガウクらに指揮を教わった人です。血縁関係からか、父親の作品のスペシャリストといわれますが、父親の作品だけでなく、19世紀ロマン派の作品も得意とする様です。
しかし、ベルリオーズの作品への気負いからか、はたまた、録音したホールの音響ゆえか、オーケストラの音が必ずしも十分に鳴りきっていません。第1楽章では、ジュランナが健闘するものの、金管楽器と弦楽器のタイミングがいまひとつかみ合っていないのも、おそらく指揮者の責任。所々で豪勢にオーケストラを鳴らそうとするものの、響きが整理されていないので、音が全体的にウェット気味でした。第2楽章では調子を持ち直し、弦を中心に纏綿とメロディを歌い上げ、第3楽章でもノリのいい音楽でしっかりと音楽を形作っていきますが、第4楽章では、次第にオーケストラのコントロールが甘くなり、金管楽器ばかりがパリパリと鳴る、生煮えのサウンドになってしまっています。
ポルトガル出身のジェニファー・スミス(Jennifer Smith, 1945-)の歌うベルリオーズ歌曲では、チャールズ・マッケラス(Charles Mackerras, 1925-)がフィルハーモニア管弦楽団を振って伴奏しています。マッケラスはコンサートのみならず、オペラの指揮者としても有名で、オーケストラ伴奏では阿吽の呼吸で共演者に合わせられる技術の持ち主です。
無理のないコントロールでスミスの歌唱を美しくバックアップしており、スミスの瑞々しい歌い口がより一層引き立ちます。《夏の夜》の〈ヴィラネル〉で聴かれる軽やかさや、〈入り江のほとり〉の荘厳な雰囲気など、曲想に合わせて音の佇まいを整えられるスミスの歌い口とマッケラスのバトン・テクニックに感嘆する演奏でした。
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