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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Gaetano Donizetti: Don Pasquale
Ewgenij Nesterenko (Bs: Don Pasquale)
Bernd Weikl (Br: Dr.Malatesta)
Francisco Araiza (T: Ernesto)
Lucia Popp (S: Norina)
Peter Lika (Bs: Norato)
Chor des Bayerischen Rundfunks (Chorus master: Josef Schmidhuber)
Münchener Rundfunkorchester / Heinz Wallberg
(Rec. May 1979, Eine Coproduktion der Ariola-Eurodisc mit dem Bayerischen Rundfunk, München)



ガエタノ・ドニゼッティ(Gaetano Donizetti, 1797-1848)の《ドン・パスクァーレ》は、1842年の作。
ドニゼッティは、ジョヴァンニ・ルッフィーニ(Giovanni Ruffini, 1808-1881)と組んでオペラの台本を書き、いつもながらの速筆で音楽を仕上げ、1843年の1月3日のイタリア歌劇場の公演で初演しました。
その話のあらすじは以下のとおり。

19世紀初頭のローマのパスクァーレ邸。

第1幕
甥のエルネストと暮らす老人パスクァーレ。彼は、エルネストに金持ちの娘と結婚してもらうことでパスクァーレ家の資産を増やそうと思っているのだが、エルネストは縁談の話を引き受けない。エルネストには、ノリーナという意中の人がいたからだ。業を煮やしたパスクァーレは、エルネストから自分の遺産の相続権を取り上げて、嫁を迎えて、その嫁との間に出来た子どもに遺産を与えようという。花嫁探しは親友の医者のマラテスタに依頼しており、エルネストはすっかりしょげてしまった。

エルネストは、ノリーナとの結婚の見込みがなくなり、ノリーナに別れの手紙を書いた。
その手紙はノリーナの家に届き、手紙を読んだノリーナはすっかり元気をなくしてしまった。
そこにパスクァーレ家の友人で医者のマラテスタが通りかかる。ノリーナはマラテスタに手紙のことを話し、何とかならないかと相談をする。マラテスタはマラテスタのほうで、老パスクァーレから花嫁探しを依頼されていた。ひらめいたマラテスタは一計を案じ、ノリーナを自分が探してきた花嫁ということにして、パスクァーレに嫁がせることにするのだった。ノリーナも、マラテスタの計略に賛同し、やる気まんまんになっている。

第2幕
マラテスタは約束どおり花嫁を見つけてきたという。彼曰く、自分の妹でソフロニアという。修道院から戻ってきたばかりの生娘とのことだが、実際はノリーナの変装である。パスクァーレはソフロニアを気に入り、公証人を呼んで婚姻届を作成した。
その場に居合わせたエルネストは、ソフロニアがノリーナであることを見抜き、ノリーナに捨てられたと思って絶望するが、マラテスタがこっそりとエルネストに計画を教え、エルネストはホッとするのだった。
婚姻届にサインするまでは慎ましやかなソフロニアだったが、サインするや否や、ガラリと人が変わり、パスクァーレを差し置いて女主人のように振舞いだす。
パスクァーレは仰天するが、エルネストとマラテスタはニヤニヤするのだった。

第3幕
ソフロニアはとてつもない浪費でパスクァーレを困らせる。パスクァーレはソフロニアをとっちめようとするが、逆に平手打ちを食らわされてしまう。
ソフロニアが立ち去った後には、ソフロニアと誰かの密会の約束の手紙が落ちていた。(実はこの手紙もマラテスタの策略)
パスクァーレは、マラテスタを呼び、ソフロニアの落とした手紙を振りかざして、浮気の現場を押さえてソフロニアを離婚まで追い込もうと息巻く。

夜になると、エルネストがパスクァーレ家の庭でセレナードを歌うが、これはマラテスタの作戦の詰めの合図。
ソフロニアがすかさず出てきて、エルネストとこれ見よがしに愛の二重唱を歌いだした。愛の歌を歌っている二人を見止めたパスクァーレは、現場を押さえようとやってくるが、すかさずエルネストは物陰に隠れてパスクァーレに見つからない。
パスクァーレはノリーナに散々痛めつけられてしまう。マラテスタは、どさくさにまぎれて、「この娘と離婚して、エルネストとノリーナの結婚を認めたらどうですか」とパスクァーレに提案。何もかもがどうでも良くなったパスクァーレは、すかさずソフロニアの離婚とエルネストとノリーナの結婚を承諾してしまった。
その承諾の返事をきいたマラテスタは、すかさずエルネストを呼び、ノリーナとの結婚をパスクァーレが許してくれたことを確認。パスクァーニとの離婚が成立したソフロニアは変装を解いてノリーナに戻り、エルネストと結婚を喜んだ。
全てがノリーナとエルネストを結婚させるための茶番だったことにパスクァーレは呆然とするが、結局結婚を祝福せざるを得なくなる。
本CDのキャストは以下のとおり。

エフゲニー・ネステレンコ (パスクァーレ)
ベルント・ヴァイクル (マラテスタ)
フランシスコ・アライサ (エルネスト)
ルチア・ポップ (ノリーナ)
ペーター・リカ (公証人)
バイエルン放送合唱団 (合唱指揮: ヨーゼフ・シュミットフーバー)
ミュンヘン放送管弦楽団/ハインツ・ヴァルベルク
ネステレンコ(Ewgenij Nesterenko, 1938-)やヴァイクル(Bernd Weikl, 1942-)の歌唱は大変生真面目で、まるでグランド・オペラのような歌い口です。オペラの滑稽さという点では、少々遊びが足りない気がしますが、どっしりとした歌い方は、相応の聴き応えを約束してくれます。
アライサ(Francisco Araiza, 1950-)はエルネスト役として優男を好演しており、その陶酔的な美声は一聴の価値があります。第2幕冒頭のアリア〈哀れなエルネスト!〉では、憂いを含んだ歌声でウットリさせてくれます。
ポップ(Lucia Popp, 1939-1993)は、シリアスな役どころからコメディ役まで、幅広くこなせる名歌手でしたが、ここでは可憐な歌声でノリーナ役をこなしており、大変魅力的です。結婚証書にサインするまでのおしとやかなイメージと、サイン後のじゃじゃ馬のイメージの描き分けが大変うまく、それでいて可憐さをしっかり保っているところに、ポップの至芸を感じさせます。
ヴァルベルク(Heinz Wallberg, 1923-2004)は、ドイツの指揮者で、オペラを得意とした人ですが、ここでは当時の手兵であるミュンヘン放送管弦楽団を自在に操り、メリハリを利かせて歌手たちを巧みに支えています。

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