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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Wolfgang Amadeus Mozart: Trio for Clarinet, Viola and Piano in E flat major, K498
Stanley Drucker (Cl)
Irene Breslaw (Vla)
Lukas Foss (Pf)
(Rec. 24-25 February & 2 November 2001, American Academy of Arts and Letters)
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Trio for Piano, Violin and Cello in B flat major, K502
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Trio for Piano, Violin and Cello in C major, K548
Lukas Foss (Pf)
Chin Kim (Vn)
Qiang Tu (Vc)
(Rec. 24-25 February & 2 November 2001, American Academy of Arts and Letters)



アメリカ人作曲家で、指揮者&ピアニストとしても高名なルーカス・フォス(Lukas Foss, 1922-2009)が、2月1日に亡くなったそうです。ご冥福をお祈りします。
フォスは、元々ドイツはベルリンの生まれで、ルーカス・フックス(Lukas Fuchs)と名乗っていました。7歳のころからユリウス・ゴールドステインに音楽理論を学んでおります。1933年にナチスが台頭してきてから、家族でパリに移住し、ラザール・レヴィにピアノを、ノエル・ギャロンに作曲を、フェリックス・ヴォルフェらに管弦楽法を学んでおります。
1937年には渡米してフォスを名乗り、カーティス音楽院でピアノ、作曲と指揮法を習得しました。このときの指揮法の先生は、フリッツ・ライナーだったとのこと。さらに、アメリカではセルゲイ・クーセヴィツキーとパウル・ヒンデミットの知己を得、特にヒンデミットからは作曲法を学びなおしています。その後は、アルノルト・シェーンベルクの病没で空席になったカリフォルニア大学の作曲科教授になったり、バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務めて、この地を現代音楽のメッカみたいにしてみたりと、八面六臂の活躍をしていました。

フォスは、ピアニストとしてはヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品を好み、シャルル・ミュンシュがボストン交響楽団とブランデンブルク協奏曲を録音したときには、ピアノのパートを買って出ています。非常に骨太の、存在感のピアノは、どこか人情味すら感じさせる包容力を備えています。
今回紹介のCDでは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)の室内楽が収録されていますが、ここでもびくともしない、非常にガッチリとした演奏で、アンサンブルの磐石の要となっているのが印象的です。

本CDで収録されている曲は、K498のクラリネット三重奏曲と、K502(第4番)とK548(第6番)のピアノ三重奏曲の3曲です。
K498は、アントン・シュタートラーのために作った曲で、クラリネット黎明期の名曲の一つとして愛好されています。通称「ケーゲルシュタット・トリオ」と言われていますが、ケーゲルシュタットというのは、昔版ボーリングのことで、モーツァルトが、この昔版ボーリングで遊びながら作ったことから、この通称が与えられています。
クラリネット三重奏曲というと、大概はクラリネットとヴァイオリンとピアノの編成ですが、モーツァルトの趣味により、本来ヴァイオリンが座る席にヴィオラが座っています。
クラリネットは、ニューヨーク・フィルハーモニックの首席クラリネット奏者として長らく君臨した名手、スタンリー・ドラッカー(Stanley Drucker, 1929-)が演奏しています。ヴィオラを弾いているイレーネ・ブレスラウ(Irene Breslaw)も、ニューヨーク・フィルハーモニックに所属するヴィオラ奏者とのこと。室内楽のベテラン奏者の集いだけあって、遊興的な趣すら感じさせるゆとりが感じられます。
K502とK548では、若手中国人奏者のチン・キム(Chin Kim)とチャン・ツー(Qiang Tu)との共演。その内容は、共演というよりも、ニュアンスについてフォスが二人に指導しているかのよう。
齢80に達しようかといフォスのピアノが実にガッチリとしていて、ヴァイオリンの音程がヘナヘナだろうと、チェロが棒読みのようだろうと、そのフレーズからニュアンスを掬い取り、立派に表情をつけていく様は、感動的ですらあります。フォスのピアノの存在感の大きさはいうもがなですが、弦楽器の2人を押しのけて自分の技を披露するのではなく、様々な表情付けが出来るようにさりげなく誘導しているあたりが、職人芸的です。棒読み風だったヴァイオリンやチェロも、少しずつ抑揚がつき、音楽的感興が膨らんでいっているのを聴き取ることができるでしょう。

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