1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Felix Mendelssohn: Trio for Piano, Violin and Violoncello No.1 in D minor, op.49
Isaac Stern (Vn)
Leonard Rose (Vc)
Eugene Istomin (Pf)
Leonard Rose (Vc)
Eugene Istomin (Pf)
(Rec. 2 & 3 November 1966, CBS 30th Street Studio, New York City)
◈Felix Mendelssohn: Trio for Piano, Violin and Violoncello No.2 in C minor, op.66Isaac Stern (Vn)
Leonard Rose (Vc)
Eugene Istomin (Pf)
Leonard Rose (Vc)
Eugene Istomin (Pf)
(Rec. 19 & 20 July 1979, CBS 30th Street Studio, New York City)
フェリックス・メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn, 1809-1847)は、ドイツの作曲家で、生前は指揮者兼ピアニストとして大活躍した人です。彼はマルチな才能でも知られ、音楽だけでなく、詩や絵画も得意としたとのこと。特に絵画について、彼の描いた絵は玄人はだしの腕前で知られていましたが、人物画は不得手だったといいます。
由緒あるライプツィヒ音楽院の創立者の一人だったり、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの音楽を復興させたりと、19世紀ドイツの音楽界に少なからぬ功績を残したメンデルスゾーンの才能は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのそれと並び称されることもあります。
メンデルスゾーンは、室内楽の分野でも、そこそこの作品を残しており、ピアノ三重奏曲はその生涯の中で2曲書き上げています。
第1番は1839年に書かれたものです。この曲を書き上げる前の年にシューベルトの交響曲《ザ・グレート》を初演しましたが、その初演が好評だったため、デュッセルドルフやライプツィヒで何度か再演されることになり、その再演の際のの出し物として作られたようです。当時の演奏会のプログラムは、聴衆に飽きられないよう、オーケストラ曲あり、室内楽あり、歌曲ありという、かなりごちゃ混ぜなプログラムだったことが分かっています。ピアノのパートについては、先輩作曲家のフェルディナント・ヒラーから助言を得ており、シューマンの影響が出ていると指摘されることもあります。
第2番のピアノ三重奏曲は、1845年ごろに書き上げられたとされる作品。第1番がシューマンの影響を受けていたのに対し、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作品を下敷きにした力強さが見られるとされています。軽妙かつ華麗な作風から脱皮しつつあったことを伺わせるだけに、彼の人生がこの曲の後2年ほどしか残っていなかったのは、実に残念です。
なにはともあれ、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は、この分野でも指折りの作品であり、しばしば演奏会でも取り上げられます。
本CDで演奏するのは、ロシア出身のアメリカ人ヴァイオリニストであるアイザック・スターン(Isaac Stern, 1920-2001)、アメリカ人チェリストのレナード・ローズ(Leonard Rose, 1918-1984)、アメリカ人ピアニストのユージン・イストミン(Eugene Istomin, 1925-2003)です。
スターンは、ルイス・パーシンガーとナウム・ブリンダーに師事したヴァイオリニストで、アメリカのヴァイオリン界のボスみたいな人でした。また、ニューヨークのカーネギー・ホールの存続を呼びかけた人としても知られ、アメリカのクラシック音楽界では、とても有名な大人物です。
ローズは、フランク・ミラーやフェリックス・ザルモンドらに学んだアメリカのチェリストです。NBC交響楽団の副首席奏者やクリーヴランド管弦楽団の首席奏者、ニューヨーク・フィルハーモニックの首席奏者などを歴任し、生前は世界に誇るアメリカのチェリストとして名声を博した人でした。教師としても有能で、ヨー・ヨー・マやリン・ハレル、マット・ハイモヴィッツなどを育てています。その技術的な冴えとアンサンブル奏者としての呼吸のよさは、第1番のスケルツォに良く現れており、スターンのヴァイオリンの細かいフィギュレーションにピッタリと張り付いています。
イストミンは、パブロ・カザルスの未亡人と結婚したことで知られている人です。スターンの相棒として活躍していましたが、ソリストとしてやっていける腕前の持ち主でもあります。
メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は、作曲者自身が優れたピアニストだったこともあり、ピアノ・パートがソリスティックですが、イストミンは整然とした演奏でアンサンブルの要としての役割をしっかりと務めています。
また、第1番と第2番のそれぞれの第2楽章では、スターンやローズが紡ぎだした美しいメロディを美しく飾り付けています。
申し分のないピアノ三重奏のアンサンブルを、この曲の演奏において、3人は実現しているといえるでしょう。
由緒あるライプツィヒ音楽院の創立者の一人だったり、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの音楽を復興させたりと、19世紀ドイツの音楽界に少なからぬ功績を残したメンデルスゾーンの才能は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのそれと並び称されることもあります。
メンデルスゾーンは、室内楽の分野でも、そこそこの作品を残しており、ピアノ三重奏曲はその生涯の中で2曲書き上げています。
第1番は1839年に書かれたものです。この曲を書き上げる前の年にシューベルトの交響曲《ザ・グレート》を初演しましたが、その初演が好評だったため、デュッセルドルフやライプツィヒで何度か再演されることになり、その再演の際のの出し物として作られたようです。当時の演奏会のプログラムは、聴衆に飽きられないよう、オーケストラ曲あり、室内楽あり、歌曲ありという、かなりごちゃ混ぜなプログラムだったことが分かっています。ピアノのパートについては、先輩作曲家のフェルディナント・ヒラーから助言を得ており、シューマンの影響が出ていると指摘されることもあります。
第2番のピアノ三重奏曲は、1845年ごろに書き上げられたとされる作品。第1番がシューマンの影響を受けていたのに対し、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作品を下敷きにした力強さが見られるとされています。軽妙かつ華麗な作風から脱皮しつつあったことを伺わせるだけに、彼の人生がこの曲の後2年ほどしか残っていなかったのは、実に残念です。
なにはともあれ、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は、この分野でも指折りの作品であり、しばしば演奏会でも取り上げられます。
本CDで演奏するのは、ロシア出身のアメリカ人ヴァイオリニストであるアイザック・スターン(Isaac Stern, 1920-2001)、アメリカ人チェリストのレナード・ローズ(Leonard Rose, 1918-1984)、アメリカ人ピアニストのユージン・イストミン(Eugene Istomin, 1925-2003)です。
スターンは、ルイス・パーシンガーとナウム・ブリンダーに師事したヴァイオリニストで、アメリカのヴァイオリン界のボスみたいな人でした。また、ニューヨークのカーネギー・ホールの存続を呼びかけた人としても知られ、アメリカのクラシック音楽界では、とても有名な大人物です。
ローズは、フランク・ミラーやフェリックス・ザルモンドらに学んだアメリカのチェリストです。NBC交響楽団の副首席奏者やクリーヴランド管弦楽団の首席奏者、ニューヨーク・フィルハーモニックの首席奏者などを歴任し、生前は世界に誇るアメリカのチェリストとして名声を博した人でした。教師としても有能で、ヨー・ヨー・マやリン・ハレル、マット・ハイモヴィッツなどを育てています。その技術的な冴えとアンサンブル奏者としての呼吸のよさは、第1番のスケルツォに良く現れており、スターンのヴァイオリンの細かいフィギュレーションにピッタリと張り付いています。
イストミンは、パブロ・カザルスの未亡人と結婚したことで知られている人です。スターンの相棒として活躍していましたが、ソリストとしてやっていける腕前の持ち主でもあります。
メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は、作曲者自身が優れたピアニストだったこともあり、ピアノ・パートがソリスティックですが、イストミンは整然とした演奏でアンサンブルの要としての役割をしっかりと務めています。
また、第1番と第2番のそれぞれの第2楽章では、スターンやローズが紡ぎだした美しいメロディを美しく飾り付けています。
申し分のないピアノ三重奏のアンサンブルを、この曲の演奏において、3人は実現しているといえるでしょう。
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