1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Johann Sebastian Bach: Toccata and Fugue in D minor, BWV565
◈Joseph Jongen: Toccata from Synphonie Concertante, op.81
◈Johann Sebastian Bach: Toccata, Adagio and Fugue in C major, BWV564
◈César Franck: Pièce héroïque
◈Jehan Alain: Litanies, JA119
◈Charles-Marie Widor: Toccata from Symphony for Organ No.5 in F minor, op.42-1
◈Louis Vierne: Finale from Symphony No.6 in B minor, op.59
◈Marcel Dupré: Prelude and Fugue in D minor, op.7-3
◈Eugène Gigoud: Toccata in B minor
Virgil Fox (Org)
(Rec. 28-31 August 1977, Garden Grove Community Church, California)
アメリカのオルガンの名手であるヴァージル・フォックス(Virgil Fox, 1912-1980)が亡くなる3年ほど前にガーデン・グローヴ・コミュニティー教会のルファッティ社製のオルガンで録音したオルガン音楽の詰め合わせです。
演目は、以下の通りです。
▤ ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
▤ ジョセフ・ジョンゲン:協奏交響曲 op.81 ~ トッカータ
▤ ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:トッカータ,アダージョとフーガ ハ長調 BWV564
▤ セザール・フランク:英雄的小品
▤ ジャン・アラン:連祷
▤ シャルル=マリー・ヴィドール:オルガン交響曲 第5番 ヘ短調 op.42-1
▤ ルイ・ヴィエルヌ:オルガン交響曲 第6番 ロ短調 op.59 ~ フィナーレ
▤ マルセル・デュプレ:前奏曲とフーガ ト短調 op.7-3
▤ ウジェーヌ・ジグー:トッカータ ロ短調
J.S.バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750)の作品は、言わずもがなの作品で、BWV565は嘉門達夫の替え歌で使われ、日本ではクラシック音楽を知っている人知らない人に関わらずよく知られています。1709年以前の作品とされていますが、J.S.バッハにしてはフーガでの対位法的処理の少ないことから、J.S.バッハの作品ではないのではないかという人もいます。
ジョンゲン(Joseph Jongen, 1873-1953)は、ベルギーの作曲家で、1926年に作曲されたオルガンとオーケストラのための協奏交響曲が代表作として知られています。本来は4つの楽章からなり、フォックスもこの曲を愛奏しましたが、ここでは、オーケストラを省略したオルガンのみのバージョンで演奏しています。
フランク(César Franck, 1822-1890)は、パリ音楽院のオルガン科の教授として、生前高い名声を誇っていましたが、作曲家としてはその生真面目な作風が地味と見做され、長らく評価を得ることができませんでした。
一曲一曲納得いくまで推敲を重ねて作曲する人だったため、自分の得意とする楽器であるオルガンのための作品はCDにしておよそ2枚分しか残しませんでしたが、1870年頃に作られた3つの小品のうちの《英雄的小品》は、今日では多くのオルガニストがレパートリーに組み込んでいます。
J.アラン(Jehan Alain, 1911-1940)は、フランスのオルガニストの家系に生まれた作曲家で、妹には、オルガニストのマリー=クレール・アランがいます。生前J.アラン自身もオルガニストとして活躍し、同僚たちから慕われていました。《連祷》は、1937年に作られた作品で、その年に事故で亡くなった妹のマリー=オディール・アランの追悼の意味が込められています。非常に技巧的にも難しい作品なため、多くのオルガニストがこの曲を取り上げ、J.アランの代表作として知られるようになりました。
ヴィドール(Charles-Marie Widor, 1844-1937)は、フランスのオルガニストで、その血筋にはヴァイオリニストのジネット・ヌヴーがいます。セザール・フランクの没後、後任としてパリ音楽院の教授を務めています。彼は、オルガン独奏で交響曲を作るというジャンルを開拓し、10曲ものオルガン独奏用の交響曲を書き上げました。ここでは、その交響曲のうち、第5番のフィナーレである〈トッカータ〉が演奏されています。
ヴィエルヌ(Louis Vierne, 1870-1937)も、フランスのオルガニストで、前述のヴィドールの弟子です。彼は生まれつき盲目で、何度か手術をしたものの、ついに見えるようにはならなかったとのこと。1900年からパリのノートルダム大聖堂のオルガニストとしてその名を轟かせましたが、氏のヴィドールが亡くなった3ヵ月後に、弟子のモーリス・デュリュフレとのジョイント・コンサートの最中に亡くなりました。
師匠のオルガン交響曲のジャンルを受け継ぎ、生涯に6曲のオルガン交響曲を書き上げましたが、ここでは1930年に作られた最後のオルガン交響曲のフィナーレが演奏されています。作風としては、印象派や無調音楽が出てきた頃の作品としては保守的ですが、印象派風のハーモニーを取り入れるなど、師のヴィドールよりは時代に柔軟に対処しようとする意図が見え隠れしています。
デュプレ(Marcel Dupré, 1886-1971)は、前述ヴィドールとヴィエルヌに師事したオルガニストで、作曲家としても1914年にローマ大賞を受賞するなど、練達の腕前で知られていました。ヴィドールの没後には後任としてパリ音楽院の教授も務めています。ここに収録されている前奏曲とフーガは、3曲セットでop.7として出版された作品の一つで、1912年の作品とされています。J.S.バッハの作品の演奏を得意とした人だけあって、フーガの前奏曲の地を這うような音の動きと、フーガの大胆で躍動的な対位法の扱いのコントラストがよく効いています。
ジグー(Eugène Gigoud, 1844-1925)は、フランスのオルガニストで、カミーユ・サン=サーンスの弟子として知られています。1911年からパリ音楽院の教授陣の中に加わりました。ここで演奏されているトッカータは、1892年ごろの作で、この年に作った10の楽曲のうちの一つとされています。
どの作品も一汗かかせる難曲ですが、こうした難曲をそろえて録音するあたりに、フォックスの自分の腕に対する自信の程が見て取れます。J.S.バッハの作品などでは、華やかさを重視した演奏ゆえに、J.S.バッハの音楽に期待される堅牢さというか深さといったものはあまり感じられませんが、卓越した指捌きから繰り出されるシャープなリズム感覚は、精神性云々といった議論を蹴散らす爽快さがあります。
こうしたシャープさは、特にジョンゲンやデュプレの作品では大きくプラスになり、複雑に入り組んだ構造を解きほぐしながら、スピード感のある演奏で感動させてくれます。
ヴィドールやヴィエルヌの交響曲など、フィナーレだけでなく、全曲を聴きたいという思いに駆り立てられるほど、出来栄えが鮮やかで、フォックスの自信のほどが、決して自惚れではなかったということがわかります。
演目は、以下の通りです。
▤ ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
▤ ジョセフ・ジョンゲン:協奏交響曲 op.81 ~ トッカータ
▤ ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:トッカータ,アダージョとフーガ ハ長調 BWV564
▤ セザール・フランク:英雄的小品
▤ ジャン・アラン:連祷
▤ シャルル=マリー・ヴィドール:オルガン交響曲 第5番 ヘ短調 op.42-1
▤ ルイ・ヴィエルヌ:オルガン交響曲 第6番 ロ短調 op.59 ~ フィナーレ
▤ マルセル・デュプレ:前奏曲とフーガ ト短調 op.7-3
▤ ウジェーヌ・ジグー:トッカータ ロ短調
J.S.バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750)の作品は、言わずもがなの作品で、BWV565は嘉門達夫の替え歌で使われ、日本ではクラシック音楽を知っている人知らない人に関わらずよく知られています。1709年以前の作品とされていますが、J.S.バッハにしてはフーガでの対位法的処理の少ないことから、J.S.バッハの作品ではないのではないかという人もいます。
ジョンゲン(Joseph Jongen, 1873-1953)は、ベルギーの作曲家で、1926年に作曲されたオルガンとオーケストラのための協奏交響曲が代表作として知られています。本来は4つの楽章からなり、フォックスもこの曲を愛奏しましたが、ここでは、オーケストラを省略したオルガンのみのバージョンで演奏しています。
フランク(César Franck, 1822-1890)は、パリ音楽院のオルガン科の教授として、生前高い名声を誇っていましたが、作曲家としてはその生真面目な作風が地味と見做され、長らく評価を得ることができませんでした。
一曲一曲納得いくまで推敲を重ねて作曲する人だったため、自分の得意とする楽器であるオルガンのための作品はCDにしておよそ2枚分しか残しませんでしたが、1870年頃に作られた3つの小品のうちの《英雄的小品》は、今日では多くのオルガニストがレパートリーに組み込んでいます。
J.アラン(Jehan Alain, 1911-1940)は、フランスのオルガニストの家系に生まれた作曲家で、妹には、オルガニストのマリー=クレール・アランがいます。生前J.アラン自身もオルガニストとして活躍し、同僚たちから慕われていました。《連祷》は、1937年に作られた作品で、その年に事故で亡くなった妹のマリー=オディール・アランの追悼の意味が込められています。非常に技巧的にも難しい作品なため、多くのオルガニストがこの曲を取り上げ、J.アランの代表作として知られるようになりました。
ヴィドール(Charles-Marie Widor, 1844-1937)は、フランスのオルガニストで、その血筋にはヴァイオリニストのジネット・ヌヴーがいます。セザール・フランクの没後、後任としてパリ音楽院の教授を務めています。彼は、オルガン独奏で交響曲を作るというジャンルを開拓し、10曲ものオルガン独奏用の交響曲を書き上げました。ここでは、その交響曲のうち、第5番のフィナーレである〈トッカータ〉が演奏されています。
ヴィエルヌ(Louis Vierne, 1870-1937)も、フランスのオルガニストで、前述のヴィドールの弟子です。彼は生まれつき盲目で、何度か手術をしたものの、ついに見えるようにはならなかったとのこと。1900年からパリのノートルダム大聖堂のオルガニストとしてその名を轟かせましたが、氏のヴィドールが亡くなった3ヵ月後に、弟子のモーリス・デュリュフレとのジョイント・コンサートの最中に亡くなりました。
師匠のオルガン交響曲のジャンルを受け継ぎ、生涯に6曲のオルガン交響曲を書き上げましたが、ここでは1930年に作られた最後のオルガン交響曲のフィナーレが演奏されています。作風としては、印象派や無調音楽が出てきた頃の作品としては保守的ですが、印象派風のハーモニーを取り入れるなど、師のヴィドールよりは時代に柔軟に対処しようとする意図が見え隠れしています。
デュプレ(Marcel Dupré, 1886-1971)は、前述ヴィドールとヴィエルヌに師事したオルガニストで、作曲家としても1914年にローマ大賞を受賞するなど、練達の腕前で知られていました。ヴィドールの没後には後任としてパリ音楽院の教授も務めています。ここに収録されている前奏曲とフーガは、3曲セットでop.7として出版された作品の一つで、1912年の作品とされています。J.S.バッハの作品の演奏を得意とした人だけあって、フーガの前奏曲の地を這うような音の動きと、フーガの大胆で躍動的な対位法の扱いのコントラストがよく効いています。
ジグー(Eugène Gigoud, 1844-1925)は、フランスのオルガニストで、カミーユ・サン=サーンスの弟子として知られています。1911年からパリ音楽院の教授陣の中に加わりました。ここで演奏されているトッカータは、1892年ごろの作で、この年に作った10の楽曲のうちの一つとされています。
どの作品も一汗かかせる難曲ですが、こうした難曲をそろえて録音するあたりに、フォックスの自分の腕に対する自信の程が見て取れます。J.S.バッハの作品などでは、華やかさを重視した演奏ゆえに、J.S.バッハの音楽に期待される堅牢さというか深さといったものはあまり感じられませんが、卓越した指捌きから繰り出されるシャープなリズム感覚は、精神性云々といった議論を蹴散らす爽快さがあります。
こうしたシャープさは、特にジョンゲンやデュプレの作品では大きくプラスになり、複雑に入り組んだ構造を解きほぐしながら、スピード感のある演奏で感動させてくれます。
ヴィドールやヴィエルヌの交響曲など、フィナーレだけでなく、全曲を聴きたいという思いに駆り立てられるほど、出来栄えが鮮やかで、フォックスの自信のほどが、決して自惚れではなかったということがわかります。
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