1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Felix Mendelssohn: Organ Sonata No.1 in F minor, op.65-1
◈Felix Mendelssohn: Organ Sonata No.2 in C minor, op.65-2
◈Felix Mendelssohn: Organ Sonata No.3 in A major, op.65-3
◈Felix Mendelssohn: Organ Sonata No.4 in B flat major, op.65-4
◈Felix Mendelssohn: Organ Sonata No.5 in F minor, op.65-5
◈Felix Mendelssohn: Organ Sonata No.6 in D minor, op.65-6
Roger Fisher (Org)
(Rec.1977, Chester Cathedral, London)
イギリスはエセックス生まれのオルガニスト、ロジャー・フィッシャー(Roger Fisher, 1936-)によるフェリックス・メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn, 1809-1847)のオルガン・ソナタ集(1844-1845年作)です。
このソナタ集は6曲からなりますが、メンデルスゾーン自身は、6曲をバラバラにして扱われることを好まず、6曲を一組のソナタ集として扱ってくれるよう、出版社に手紙を書き送っています。
メンデルスゾーンは、生前ピアニストとして、また指揮者として活躍しており、1829年にはヨハン・ゼバスティアン・バッハのマタイ受難曲を蘇演しております。この業績のおかげで、メンデルスゾーンはJ.S.バッハの有名な研究者と見做され、イギリスの出版社からJ.S.バッハの作品の監修を頼まれることになりました。
この6曲のソナタは、その時にメンデルスゾーン自身のオルガン曲も出版することになったため、当該の出版社から依頼されたものです。
出版社からの依頼では、オルガン・ヴォランタリーの作曲を依頼されましたが、メンデルスゾーンの暮らしていたドイツではヴォランタリーという曲種がなく、結局ヴォランタリーの代わりにソナタを書くことになったようです。
当初、第3番のソナタまでが1844年に書かれましたが、興に乗ったメンデルスゾーンは、翌年に、さらに3曲のソナタを追加し、6曲のソナタ集として日の目を見ることになりました。
ソナタの第1番では、J.S.バッハが愛用したコラール《わが神の望むことが果たされんことを》(Was mein Gott will das g'scheh allezeit)が引用され、メンデルスゾーンがJ.S.バッハに一瞥しているのがわかります。
また、ソナタ第3番では、マルティン・ルターのコラール《深き淵より我は汝を呼ぶ》(Aus der Tiefen rufe ich, Herr zu dir)が引用され、ソナタ第6番でもルターのコラール《天にまします父よ》(Vater unser in Himmelreich)が主題として使われており、このソナタは実態が変奏曲になっています。さらに、ソナタ第5番では、自分でコラール主題も作り、他人の作品の引用ばかり曲を作っているわけではないところを見せ付けています。
J.S.バッハへの敬意は、所々に配置されたフーガにも見ることができます。メンデルスゾーンは作曲の師匠であるカール・フリードリヒ・ゼヒターの元でJ.S.バッハの音楽を徹底的に研究し、J.S.バッハの時代の対位法的書法を体得していました。このソナタ集のフーガの中でも、特に第2番のフーガが短いながらも出来が良く、これら6曲のソナタのハイライトの一つといえるでしょう。
フィッシャーの演奏は、当たり障りのない演奏ですが、チェスター大聖堂のオルガニストや合唱指揮者などを務めていた人だけに、緩徐楽章では聖母の微笑みのような穏やかな音楽を奏でます。特にソナタ第2番の第1楽章やソナタ第4番の第2楽章などは敬虔な祈りを想起させる演奏です。ただ、ソナタ第1番の第4楽章のようにピアノ書法をそのまま持ってきたような音楽では、オルガンの性能ゆえなのか、はたまた録音の加減なのか、細かいパッセージが明瞭ではなく、どこか中途半端に響いてしまうという難点もあります。
このソナタ集は6曲からなりますが、メンデルスゾーン自身は、6曲をバラバラにして扱われることを好まず、6曲を一組のソナタ集として扱ってくれるよう、出版社に手紙を書き送っています。
メンデルスゾーンは、生前ピアニストとして、また指揮者として活躍しており、1829年にはヨハン・ゼバスティアン・バッハのマタイ受難曲を蘇演しております。この業績のおかげで、メンデルスゾーンはJ.S.バッハの有名な研究者と見做され、イギリスの出版社からJ.S.バッハの作品の監修を頼まれることになりました。
この6曲のソナタは、その時にメンデルスゾーン自身のオルガン曲も出版することになったため、当該の出版社から依頼されたものです。
出版社からの依頼では、オルガン・ヴォランタリーの作曲を依頼されましたが、メンデルスゾーンの暮らしていたドイツではヴォランタリーという曲種がなく、結局ヴォランタリーの代わりにソナタを書くことになったようです。
当初、第3番のソナタまでが1844年に書かれましたが、興に乗ったメンデルスゾーンは、翌年に、さらに3曲のソナタを追加し、6曲のソナタ集として日の目を見ることになりました。
ソナタの第1番では、J.S.バッハが愛用したコラール《わが神の望むことが果たされんことを》(Was mein Gott will das g'scheh allezeit)が引用され、メンデルスゾーンがJ.S.バッハに一瞥しているのがわかります。
また、ソナタ第3番では、マルティン・ルターのコラール《深き淵より我は汝を呼ぶ》(Aus der Tiefen rufe ich, Herr zu dir)が引用され、ソナタ第6番でもルターのコラール《天にまします父よ》(Vater unser in Himmelreich)が主題として使われており、このソナタは実態が変奏曲になっています。さらに、ソナタ第5番では、自分でコラール主題も作り、他人の作品の引用ばかり曲を作っているわけではないところを見せ付けています。
J.S.バッハへの敬意は、所々に配置されたフーガにも見ることができます。メンデルスゾーンは作曲の師匠であるカール・フリードリヒ・ゼヒターの元でJ.S.バッハの音楽を徹底的に研究し、J.S.バッハの時代の対位法的書法を体得していました。このソナタ集のフーガの中でも、特に第2番のフーガが短いながらも出来が良く、これら6曲のソナタのハイライトの一つといえるでしょう。
フィッシャーの演奏は、当たり障りのない演奏ですが、チェスター大聖堂のオルガニストや合唱指揮者などを務めていた人だけに、緩徐楽章では聖母の微笑みのような穏やかな音楽を奏でます。特にソナタ第2番の第1楽章やソナタ第4番の第2楽章などは敬虔な祈りを想起させる演奏です。ただ、ソナタ第1番の第4楽章のようにピアノ書法をそのまま持ってきたような音楽では、オルガンの性能ゆえなのか、はたまた録音の加減なのか、細かいパッセージが明瞭ではなく、どこか中途半端に響いてしまうという難点もあります。
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