1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Divertiment No.7 in D major, K205
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Divertiment in D major, K136 (125a)
◈Jean Sibelius: Valse triste, op.44-1
◈Edward Grieg: Suite "From Holberg's Time"
◈Edward Grieg: Two Elegic Melodies, op.34
Lithanian Chamber Orchestra / Saulis Sondeckis
(Rec. 22-29 February 2000, Vilnius Recording Studio, Lithania)
本CDは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)のディヴェルティメント2曲と、ジャン・シベリウス(Jean Sibelius, 1865-1957)の《クレオマ》からの〈悲しきワルツ〉、エドヴァルド・グリーグ(Edward Grieg, 1843-1907)の組曲《ホルベアの時代から》と《二つの悲しいメロディ》を収めています。
演奏は、サウリュス・ソンデツキス(Saulis Sondeckis, 1928-)率いるリトアニア室内管弦楽団です。ソンデツキスはモスクワ音楽院でイーゴリ・マルケヴィチの薫陶を受けたリトアニアの指揮者で、1960年にリトアニア室内管弦楽団を創設し、2008年まで音楽監督を務めていたようです。
ソンデツキスの手足のように動くリトアニア室内管弦楽団のアンサンブルは、その徹底した訓練から生まれる音色の清澄さは、蒸留水のような透明度を持っています。
その正確無比で、細かなところまでニュアンスの行き届いたアンサンブルは、ボヘミアン・グラスの精巧な細工すら思わせますが、人によっては生真面目すぎると捉える人もいることでしょう。
しかし、その生真面目さは、このオーケストラの作品に対する敬意の表れであり、徹底的に絞り倒された結果としてのすねたような合奏とは趣を異にします。
ただ、シベリウス以降の音楽では、モーツァルトの作品以上に共感度が高く、グリーグのop.34の纏綿たる演奏は、このCDの中でも白眉の出来だと思います。
モーツァルトのK205のディヴェルティメントは、1773年にウィーンのメスマー邸のパーティーのために書かれたとも、ザルツブルグ在住の友人であるアンドレッター夫人のためにかかれたとも言われる、いわゆる機会音楽です。ディヴェルティメントというのは、日本語では「喜遊曲」と訳され、いわばパーティーのBGMとして王侯貴族の間で主に使われた音楽です。パーティー用のBGMなので、格式ばった形式はなく、このK205のディヴェルティメントは5つも楽章があるのに対し、1772年の1月から3月の間までに作曲されたとされるK136のディヴェルティメントは3つの楽章しかない・・・というばらつきは、当然起こりうることです。
モーツァルトのディヴェルティメントは、王侯貴族の音楽なので、流麗なメロディに彩られており、美しいメロディが好きな人にとっては、メロディの宝庫とも言えるジャンルです。
フィンランドの代表的作曲科であるシベリウスの〈悲しいワルツ〉は、シベリウスの奥さんの兄アルヴィド・ヤルネフェルトの書いた劇の付随音楽として書いた音楽の一つで、シベリウスの名曲としてしばしば取り上げられます。
死の床にある母親が遠くから流れてくるワルツに聴き入り、そのワルツにつられて踊るものの、眠っている息子が目を覚ましたとき母親が息絶えていたという場面を音楽にしていますが、陰鬱さと優雅さのコントラストが心に残る音楽といえるでしょう。
グリーグはノルウェーの作曲家で、ピアニストとしても活躍した人です。組曲《ホルベアの時代から》は、1884年にピアノ曲として書き上げ、その翌年に弦楽合奏曲として編曲されました。
ホルベアというのは、ノルウェーの古典小説家のルドヴィ・ホルベア男爵のことで、ホルベア男爵が生きていた時代に思いをはせ、当時の宮廷趣味に合わせて作った古典舞曲の組曲です。
op.34の《二つの悲しい旋律》は、〈傷ついた心〉と〈過ぎた春〉という2曲からなります。1880年に出版したop.33の歌曲から特に気に入ったメロディ2曲を翌年に弦楽合奏用に編曲したもので、友人の作曲家、ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルクに献呈しています。
演奏は、サウリュス・ソンデツキス(Saulis Sondeckis, 1928-)率いるリトアニア室内管弦楽団です。ソンデツキスはモスクワ音楽院でイーゴリ・マルケヴィチの薫陶を受けたリトアニアの指揮者で、1960年にリトアニア室内管弦楽団を創設し、2008年まで音楽監督を務めていたようです。
ソンデツキスの手足のように動くリトアニア室内管弦楽団のアンサンブルは、その徹底した訓練から生まれる音色の清澄さは、蒸留水のような透明度を持っています。
その正確無比で、細かなところまでニュアンスの行き届いたアンサンブルは、ボヘミアン・グラスの精巧な細工すら思わせますが、人によっては生真面目すぎると捉える人もいることでしょう。
しかし、その生真面目さは、このオーケストラの作品に対する敬意の表れであり、徹底的に絞り倒された結果としてのすねたような合奏とは趣を異にします。
ただ、シベリウス以降の音楽では、モーツァルトの作品以上に共感度が高く、グリーグのop.34の纏綿たる演奏は、このCDの中でも白眉の出来だと思います。
モーツァルトのK205のディヴェルティメントは、1773年にウィーンのメスマー邸のパーティーのために書かれたとも、ザルツブルグ在住の友人であるアンドレッター夫人のためにかかれたとも言われる、いわゆる機会音楽です。ディヴェルティメントというのは、日本語では「喜遊曲」と訳され、いわばパーティーのBGMとして王侯貴族の間で主に使われた音楽です。パーティー用のBGMなので、格式ばった形式はなく、このK205のディヴェルティメントは5つも楽章があるのに対し、1772年の1月から3月の間までに作曲されたとされるK136のディヴェルティメントは3つの楽章しかない・・・というばらつきは、当然起こりうることです。
モーツァルトのディヴェルティメントは、王侯貴族の音楽なので、流麗なメロディに彩られており、美しいメロディが好きな人にとっては、メロディの宝庫とも言えるジャンルです。
フィンランドの代表的作曲科であるシベリウスの〈悲しいワルツ〉は、シベリウスの奥さんの兄アルヴィド・ヤルネフェルトの書いた劇の付随音楽として書いた音楽の一つで、シベリウスの名曲としてしばしば取り上げられます。
死の床にある母親が遠くから流れてくるワルツに聴き入り、そのワルツにつられて踊るものの、眠っている息子が目を覚ましたとき母親が息絶えていたという場面を音楽にしていますが、陰鬱さと優雅さのコントラストが心に残る音楽といえるでしょう。
グリーグはノルウェーの作曲家で、ピアニストとしても活躍した人です。組曲《ホルベアの時代から》は、1884年にピアノ曲として書き上げ、その翌年に弦楽合奏曲として編曲されました。
ホルベアというのは、ノルウェーの古典小説家のルドヴィ・ホルベア男爵のことで、ホルベア男爵が生きていた時代に思いをはせ、当時の宮廷趣味に合わせて作った古典舞曲の組曲です。
op.34の《二つの悲しい旋律》は、〈傷ついた心〉と〈過ぎた春〉という2曲からなります。1880年に出版したop.33の歌曲から特に気に入ったメロディ2曲を翌年に弦楽合奏用に編曲したもので、友人の作曲家、ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルクに献呈しています。
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