1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Charles Gounod: Messe dolennelle de Sainte Cécile
◈Charles Gounod: Domine Salvum
Pilar Lorenger (S)
Heinz Hoppe (T)
Franz Crass (Bs)
Chœurs René Duclos
Henriette Puig-Roget (Org)
Orchestr de la Société des Concerts du Conservatoire de Paris / Jean-Claude Hartemann
Heinz Hoppe (T)
Franz Crass (Bs)
Chœurs René Duclos
Henriette Puig-Roget (Org)
Orchestr de la Société des Concerts du Conservatoire de Paris / Jean-Claude Hartemann
(Rec. 1961)
シャルル・グノー(Charles Gounod, 1818-1893)はフランスの作曲家で、歌劇《ファウスト》で広く知られています。
彼は、1839年にカンタータ《フェルディナン》という作品でローマ大賞を獲得し、イタリアに留学しています。
イタリアではジョヴァンニ・ダ・パレストリーナの作品に出会い、教会音楽に傾倒しました。その傾倒ぶりたるや大変なもので、留学から帰ると外国伝道教会のオルガニストに就職し、自らを「グノー師」と呼んで神学の研究に没頭したといいます。司祭になる勉強までしたにもかかわらず、ロベルト・シューマンやエクトル・ベルリオーズの作品を研究したことから、グノーは結局作曲家としての人生を歩むようになりました。歌劇《ファウスト》が代表作として知られるものの、グノーと宗教の関係は分かちがたく、彼の作曲家としての本領は宗教曲にあると喝破しても、いい過ぎではないと思われます。
1855年に作られたこの荘厳ミサ曲は、「聖セシル(チェチリア)のための」という但し書きがつけられています。聖セシル(セシリア)ないし、聖チェチリアというのは、古代ローマのキリスト教の殉教者で、現在では聖者として知られている人です。キリスト教布教の際に楽器を使ったということで、音楽の守護神として知られています。この聖セシルを祝う日は11月22日で、ヨーロッパではミサを挙げて聖セシルを称えます。こうした祝日のためにミサ曲も典礼に合わせて奏でられますが、グノーの荘厳ミサ曲は、まさにこの聖セシルの祝日のためのミサ曲でした。
曲は〈キリエ〉、〈グローリア〉、〈クレド〉、〈オフェルトリウム〉、〈サンクトゥス〉、〈ベネディクトゥス〉、〈アニュス・デイ〉から成ります。荘厳ミサ曲では、「主よ憐れみたまえ」と歌う〈キリエ〉と、主の栄光を願う〈グローリア〉、自らの信仰告白をする〈クレド〉、主への感謝を歌う〈サンクトゥス〉、神の子羊に平安を祈る〈アニュス・デイ〉が骨子となりますが、グノーは、オーケストラのみによる〈オフェルトリウム〉を加え、本来〈サンクトゥス〉とつなげて歌われる〈ベネディクトゥス〉を切り離して作曲しています。
最後に《ドミネ・サルヴム》(1853年作)が加えて演奏されていますが、これは本来荘厳ミサ曲には含まれない曲とのこと。
ミサ曲の〈アニュス・デイ〉における静かな終わり方の後に生気漲る《ドミネ・サルヴム》が演奏されると、少々蛇足の感もなきにしもあらずです。あくまでおまけとして聴く音楽なのかもしれません。
演奏陣は、スペイン出身のソプラノ歌手であるピラール・ローレンガー(Pilar Lorenger, 1928-1996)、ドイツ人テノール歌手のハインツ・ホッペ(Heinz Hoppe, 1924-1993)、同じくドイツ人のバス=バリトン歌手のフランツ・クラス(Franz Crass, 1928-)が歌手陣として加わり、合唱はルネ・デュクロ合唱団、オーケストラはパリ音楽院管弦楽団です。また、オルガンのコンティヌオとして、アンリエット・ピュイグ=ロジェ(Henriette Puig-Roget, 1910-1992)が参加している点も特筆に価するでしょう。
指揮はジャン=クロード・アルトマン(Jean-Claude Hartemann, 1929-1993)が務めており、この荘厳ミサ曲のドラマティックな側面に光を当てています。
グノーは、この一連の作品において、対位法的な書法は取らず、美しいメロディ・ラインを表情豊かに歌手たちや合唱団らに歌わせ、豪華な伴奏で彩りを加えています。しかし、アルトマンがドラマティックに盛り上げても、崇高な感じが漂うのは、グノーならではの気質なのかもしれません。
これらのミサ曲でとりわけ聴きものなのは〈クレド〉であり、管弦楽伴奏と独唱・合唱のア・カペラの対比が大きな効果をあげています。
彼は、1839年にカンタータ《フェルディナン》という作品でローマ大賞を獲得し、イタリアに留学しています。
イタリアではジョヴァンニ・ダ・パレストリーナの作品に出会い、教会音楽に傾倒しました。その傾倒ぶりたるや大変なもので、留学から帰ると外国伝道教会のオルガニストに就職し、自らを「グノー師」と呼んで神学の研究に没頭したといいます。司祭になる勉強までしたにもかかわらず、ロベルト・シューマンやエクトル・ベルリオーズの作品を研究したことから、グノーは結局作曲家としての人生を歩むようになりました。歌劇《ファウスト》が代表作として知られるものの、グノーと宗教の関係は分かちがたく、彼の作曲家としての本領は宗教曲にあると喝破しても、いい過ぎではないと思われます。
1855年に作られたこの荘厳ミサ曲は、「聖セシル(チェチリア)のための」という但し書きがつけられています。聖セシル(セシリア)ないし、聖チェチリアというのは、古代ローマのキリスト教の殉教者で、現在では聖者として知られている人です。キリスト教布教の際に楽器を使ったということで、音楽の守護神として知られています。この聖セシルを祝う日は11月22日で、ヨーロッパではミサを挙げて聖セシルを称えます。こうした祝日のためにミサ曲も典礼に合わせて奏でられますが、グノーの荘厳ミサ曲は、まさにこの聖セシルの祝日のためのミサ曲でした。
曲は〈キリエ〉、〈グローリア〉、〈クレド〉、〈オフェルトリウム〉、〈サンクトゥス〉、〈ベネディクトゥス〉、〈アニュス・デイ〉から成ります。荘厳ミサ曲では、「主よ憐れみたまえ」と歌う〈キリエ〉と、主の栄光を願う〈グローリア〉、自らの信仰告白をする〈クレド〉、主への感謝を歌う〈サンクトゥス〉、神の子羊に平安を祈る〈アニュス・デイ〉が骨子となりますが、グノーは、オーケストラのみによる〈オフェルトリウム〉を加え、本来〈サンクトゥス〉とつなげて歌われる〈ベネディクトゥス〉を切り離して作曲しています。
最後に《ドミネ・サルヴム》(1853年作)が加えて演奏されていますが、これは本来荘厳ミサ曲には含まれない曲とのこと。
ミサ曲の〈アニュス・デイ〉における静かな終わり方の後に生気漲る《ドミネ・サルヴム》が演奏されると、少々蛇足の感もなきにしもあらずです。あくまでおまけとして聴く音楽なのかもしれません。
演奏陣は、スペイン出身のソプラノ歌手であるピラール・ローレンガー(Pilar Lorenger, 1928-1996)、ドイツ人テノール歌手のハインツ・ホッペ(Heinz Hoppe, 1924-1993)、同じくドイツ人のバス=バリトン歌手のフランツ・クラス(Franz Crass, 1928-)が歌手陣として加わり、合唱はルネ・デュクロ合唱団、オーケストラはパリ音楽院管弦楽団です。また、オルガンのコンティヌオとして、アンリエット・ピュイグ=ロジェ(Henriette Puig-Roget, 1910-1992)が参加している点も特筆に価するでしょう。
指揮はジャン=クロード・アルトマン(Jean-Claude Hartemann, 1929-1993)が務めており、この荘厳ミサ曲のドラマティックな側面に光を当てています。
グノーは、この一連の作品において、対位法的な書法は取らず、美しいメロディ・ラインを表情豊かに歌手たちや合唱団らに歌わせ、豪華な伴奏で彩りを加えています。しかし、アルトマンがドラマティックに盛り上げても、崇高な感じが漂うのは、グノーならではの気質なのかもしれません。
これらのミサ曲でとりわけ聴きものなのは〈クレド〉であり、管弦楽伴奏と独唱・合唱のア・カペラの対比が大きな効果をあげています。
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