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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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・Claude-Michel Schönberg: Les Misérables
Colm Wilkinson (Vo: Valjean)
Philip Quast (Vo: Javerl)
Ruthie Henshall (Vo: Fantine)
Jenny Galloway (Vo: Mme Thénardier)
Alun Armstrong (Vo: Thénardier)
Lea Salonga (Vo: Eponine)
Michael Ball (Vo: Marius)
Michael Maguire (Vo: Enjolras)
Judy Kuhn (Vo: Cosette)
Anthony Crivello (Vo: Grantaire)
Adam Searles (Vo: Gavroche)
Hannah Chick (Vo: Young Cosette)
A Company of over 250 performers Featuring the Stars from many of the Worldwide Productions
The Royal Philharmonic Orchestra / David Charles Abell
(Rec. 8 October 1995, Royal Albert Hall, London) Live Recording with Applause


1995年10月8日に行われた、ミュージカル《レ・ミゼラブル》の初演10周年記念コンサートのライヴ録音です。
このミュージカルは、フランス人作曲家のクロード=ミシェル・シェーンベルク(Claude-Michel Schönberg, 1944-)とチュニジア出身の作詞家であるアラン・ブーブリル(Alain Boublil, 1941-)のコンビによって作られました。
元々は、1980年にフランスで公開されたミュージカルでしたが、原作のヴィクトル・ユーゴーの小説がフランス人にとって馴染みのものであったため、あらすじが大幅にカットされた状態で上演されていたのだとか。
このミュージカルに目をつけたイギリス人興行師のキャメロン・マッキントッシュが、シェーンベルク&ブーブリルに改訂を依頼し、作詞家のハーバート・クレッツマー(Herbert Kretzmer, 1928-)の協力を得て、今日上演される形になりました。
このロンドンでの上演用の改訂稿は1985年の10月8日にバービカン・センターでトレヴァー・ナンらの演出で初演され、以来世界中でヒットを飛ばしています。

このライヴ録音のキャストは、主に以下の通りです。

コルム・ウィルキンソン(ジャン・バルジャン)
フィリップ・クォースト(ジャヴェール)
ルーシー・ヘンシャル(ファンティーヌ)
ジェニー・ギャロウェイ(テナルディエ夫人)
アラン・アームストロング(テナルディエ)
リー・サロンガ(エポニーヌ)
マイケル・ボール(マリウス)
マイケル・マグワイア(アンジョラス)
ジュディ・クーン(コゼット)
アンソニー・クリヴェロ(グランテール)
アダム・シールズ(ガヴローシュ)
ハンナ・チック(幼時のコゼット)
   世界中のプロダクションからの選抜メンバーによる合唱団
   ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団/デヴィット・チャールズ・アベル

話のあらすじは、大まかに以下の通りです。

プロローグ
1815年のトゥーロン。
怪力男のジャン・バルジャンは、姉の生活の困窮を案じ、パン屋に盗みに入ったが、警察に逮捕され、5年の懲役を言い渡される。しかし、脱獄を繰り返したため、19年間も牢獄で暮らす羽目になり、精神的に荒んでしまう。
19年間の獄中生活を経て、仮釈放処分となったジャン・バルジャンは、町で宿を取ろうとするが、法律の定めにより仮釈放証明書を見せなければならない。そして、仮釈放証明書を見た宿主は、ジャン・バルジャンを冷たくあしらうのだった。
日も暮れて、ジャン・バルジャンはみすぼらしい僧院に一宿一飯を願い出る。そこにいた司教は、ジャン・バルジャンを暖かく迎え入れる。しかし、夜も更けた頃、ジャン・バルジャンは僧院の食器を盗んで姿をくらまそうとする。朝になり、職務質問を受けたジャン・バルジャンは、僧院の食器を盗んだかどで逮捕されそうになるが、僧院の司教は、その食器をジャン・バルジャンに差し上げたものだといい、ジャン・バルジャンの釈放を願い出るのだった。さらに司教は「あなたには銀の燭台も差し上げましたのに、何故忘れていったのですか。正直な人間になるために、これらの品々をどうぞお使いください。」と、銀の燭台を差し出した。この司教の行動に感動したジャン・バルジャンは、全うに生きることを心に誓うのだった。

第1幕
1823年のモントルイユ。
ジャン・バルジャンは、名前をマドレーヌに変え、産業で成功を収めて富豪となり、今やモントルイユ市の市長となっていた。
ある日、ジャン・バルジャンの経営する工場で、お針子のファンティーヌが他の労働者と諍いを起こしていた。ジャン・バルジャンは、その諍いを諌めたが、工場長はファンティーヌを勝手にクビにしてしまった。
ファンティーヌにはコゼットという娘がいたが、その娘を知り合いのテナルディエ夫妻に預け、出稼ぎに来ていた矢先の出来事だった。
お金を稼ぐ術を失ったファンティーヌは、売春婦になってでも娘に仕送りをしようとしたものの、客にいちゃもんをつけられ、逮捕されそうになった。そこにジャン・バルジャンが現れ、彼女の身柄を保護した。ファンティーヌを逮捕できなかった警官のジャヴェールは、ファンティーヌを助けた市長が罪人のジャン・バルジャンであることを疑うようになった。
ジャヴェールは、市長であるジャン・バルジャンに、明日ジャン・バルジャンと思しき男が裁かれるという話をするが、ジャン・バルジャンは悩んだ挙句、その男が裁かれる法廷で「自分がジャン・バルジャンだ」と告白するのだった。ここから、ジャヴェールの執拗な追跡が始まる。
ファンティーヌは、ジャン・バルジャンにコゼットを託して亡くなり、ジャン・バルジャンはジャヴェールの執拗な追求を振り切ってコゼットを迎えに行くのだった。
ジャン・バルジャンがコゼットを迎えに行ったテナルディエ家は、インチキ宿屋だった。テナルディエ夫妻は、エポニーヌら子どもたちを甘やかして育てる一方で、コゼットを女中としてこき使っていたのだった。コゼットの惨状を目の当たりにしたジャン・バルジャンは、テナルディエの言い値でコゼットを「買い取る」ことにし、以後コゼットと一緒に暮らすようになった。

月日が流れ、1832年のパリ。ジャン・バルジャンはコゼットと共にパリに移住していた。
テナルディエ一家も宿屋が破綻したのでパリに来て、詐欺まがいの生活を送っていた。
また、ジャヴェールはパリ警察の警部に昇格していた。
パリの学生たちは、アンジョルラスらを中心に貧しい民衆たちと革命を起こそうとしていた。
学生たちは、現体制をぶち壊そうと、いつものABCカフェで気炎をあげていたが、そこに浮浪小僧のガブローシュがラマルク将軍の死去の報を告げにきた。彼らの精神的支柱だったラマルク将軍の死去は、学生たちを刺激するのに十分だった。
一方、学生の一人のマリウスは、ジャン・バルジャンの娘のコゼットに一目ぼれし、彼女を愛するか、革命を優先するかで悩んでいた。そのマリウスに恋心を抱いていたのが、テナルディエの娘のエポニーヌである。
エポニーヌは、マリウスのことが好きだったが、自分から好きだとは言い出さず、ただそばにいて彼の役に立てば幸せだと考えていた。それゆえに、コゼットのマリウスへのラブレターを橋渡しもしたし、学生たちの革命軍にも参加しているのだった。
結局マリウスはアンジョラスらに諭されて革命に参加することにする。
学生たちの蜂起の前日に、エポニーヌはマリウスを連れてコゼットの住む家に連れて行き、コゼットに会わせる。マリウスとコゼットの愛の歌を尻目に、エポニーヌはマリウスへの愛を悟られまいと口を噛んでいたが、そこにテナルディエ一味がコゼットの住む家に盗みに入ろうとする。危機を察したエポニーヌは悲鳴を上げ、その悲鳴を聞きつけたジャン・バルジャンが現れると、コゼット以外の皆は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
ジャヴェールにこの場所をかぎつけられたと思ったジャン・バルジャンは、いそいそと引越しの準備を始める。

第2幕
革命当日、マリウスはコゼットに向けて手紙を書き、エポニーヌに渡す。エポニーヌはわが身を嘆きながら、コゼットの家に行き、ジャン・バルジャンにコゼットへの手紙を渡す。手紙を読んだジャン・バルジャンは、マリウスを助けるべく、学生たちのバリケードへと向かうのだった。
時を同じくして、ジャヴェールがバリケードの中に潜入し、偽の情報をばら撒いて学生たちを撹乱するが、ガブローシュに正体を見破られ捕らわれの身になってしまう。そこに銃声が響き、少年が倒れる。その少年は、扮装したエポニーヌだった。狙われたマリウスの盾になったエポニーヌは、マリウスに抱かれ、幸せを感じながら息絶えた。
エポニーヌの死に学生たちが決意を新たにしているところに、敵の軍服を着たジャン・バルジャンが現れる。ジャン・バルジャンも敵のスパイだと疑われるが、敵との戦闘で活躍して信任を得、ジャヴェールの処遇を任されることになった。ジャン・バルジャンは、ジャヴェールを処刑するフリをして彼を逃がすことにする。夜明けまでの学生たちの会話の中で、ジャン・バルジャンはマリウスを知り、マリウスが生き延びることを星に祈るのだった。

朝になったが、一向に市民たちの援軍は来ない。孤立した学生たちは、苦戦を強いられる。不足した弾丸を拾いに行ったガブローシュが撃ち殺され、アンジョラスらも敵の弾に撃ち抜かれて即死する。
マリウスも撃たれて瀕死の重傷を負い、ジャン・バルジャンはマリウスを介抱するために下水道へと逃げ込んだ。
下水道ではテナルディエが死体荒らしをしており、ジャン・バルジャンが背負ったマリウスの指輪も抜き取って持って行ってしまった。
マリウスを背負ったジャン・バルジャンが地上に出たとき、ジャヴェールが待ち構えていた。マリウスの手当てのために逮捕の猶予を申し出るジャン・バルジャンを見て、ジャヴェールの心は揺らぎ、結局ジャヴェールは、ジャン・バルジャンの逮捕をあきらめた。法律の遵守を信条としていたジャヴェールは、自分の信条が折れてしまったことに傷つき、セーヌ川に身を投げる。

民衆は学生たちの蜂起を他人事のように扱い、「どうせ何も変わらない」と歌う。傷が癒えてABCカフェにやってきたマリウスは、自分だけ生き残ってしまったことに涙を流し、死んでいった仲間たちに詫びる。コゼットはマリウスに寄り添い、共に愛を歌い上げ、力強く生きることを誓う。
二人を見守るジャン・バルジャンは、もはや自分の役目が終わったと感じ、自分が徒刑囚であることをマリウスに明かして、二人の前から姿を消すのだった。

マリウスとコゼットが結婚式を挙げているとき、テナルディエが貴族的な服装で現れ、マリウスにジャン・バルジャンの真相を買わないかと持ちかけてくる。マリウスが金を払うと、「死体」から抜き取った指輪を見せながら、ジャン・バルジャンが殺人者だという話を、テナルディエは滔々と語って聞かせるのだった。しかし、その指輪はマリウスのもので、ジャン・バルジャンが担いでいた「死体」は、マリウス本人に他ならない。マリウスの命の恩人は、ジャン・バルジャンその人だった。
マリウスは居ても立ってもいられず、コゼットを連れてジャン・バルジャンの住む家に駆けつけたが、当のジャン・バルジャンは虫の息だった。
コゼットとマリウスに、コゼットの母ファンティーヌのことを話し、自分はコゼットの真の父親ではないことを打ち明けて、ジャン・バルジャンは皆のいる天国へと旅立っていった。
ここで演奏されているナンバー全てが聴き所という、恐るべきアルバムですが、特に人気の高いナンバーとして、ファンティーヌの〈夢に夢見て〉(I dreamed a dream)や、テナルディエ夫妻の〈宿屋の主人〉(Master of the House)、ジャヴェールの〈星空に〉(Stars)、エポニーヌの〈ひとりぼっち〉(On my Own)などが挙げられます。
第1幕のフィナーレで歌われる〈ワン・デイ・モア〉(One Day More)の壮絶な盛り上がりや、劇の中盤で歌われる〈民衆の歌〉(Do you hear the people sing?)がグランド・フィナーレでリフレインされるところなど、実に目頭が熱くなります。
《レ・ミゼラブル》は、楽しいときには、気分をより高揚させてくれ、つらく悲しいときには、我々にエールを送ってくれる音楽です。音楽が人生の糧となるとするならば、これほど力強い糧もありますまい。
アンドリュー・ロイド=ウェッバーのミュージカル同様、いや、それ以上に広く歌い継がれて欲しいミュージカルです。

この記念公演では、世界各国のジャン・バルジャン役が集い、〈民衆の歌〉を歌い継いでいます。それぞれの言語で歌い継がれる〈民衆の歌〉は、会場の熱気もあいまって不思議と違和感がありません。アメリカのジャン・バルジャン役が歌い終えたあと、世界中のジャン・バルジャン役が〈ワン・デイ・モア〉を熱唱し、華々しく公演の幕を閉じます。この公演に居合わせた人たちは、なんともうらやましい限りです。

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