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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Nikolai Rimsky-Korsakov: The Legend of the Invisible City of Kitezh and the Maiden Fevroniya
Ivan Petrov (Bs: Prince Yury Vsevolodich)
Vladimir Ivanovsky (T: Prince Vsevolod)
Natalia Rozhdestvenskaya (S: Fevroniya)
Dmitri Tarkhov (T: Grishka Kuterma)
Ilja Bogdanov (Br: Feodor Poyarok)
Lidia Melnikova (Ms: Page)
Veniamin Shevtsov (T: Well-off people)
Sergei Koltypin (Bs: Well-off people)
Boris Dobrin (Bs: Gusli player)
Tihon Chernyakov (T: Bear Leader)
Mikhail Skazin (Bs: Singing beggar)
Leonid Kitorov (Bs: Bedyay)
Gennady Troisky (Bs: Burunday)
Maria Zvezdina (S: Sirin)
Nina Kulagina (Ms: Alkonost)
Moscow Radio Chorus
Moscow Radio Symphony Orchestra / Vassili Nebolsin
(Rec. 1956, Moscow)
・Nikolai Rimsky-Korsakov: The rainy day has waned, op.51-5
◈Nikolai Rimsky-Korsakov: The clouds begin to scatter, op.42-3
◈Nikolai Rimsky-Korsakov: Oh, if thou cloudst for one monent, op.39-1
◈Nikolai Rimsky-Korsakov: Not the wind, Browing from the hights, op.43-2
◈Nikolai Rimsky-Korsakov: The octave, op.45-3
◈Nikolai Rimsky Korsakov: The messenger, op.4-2
◈Nikolai Rimsky-Korsakov: The upas tree, op.49-1
Ivan Petrov (Bs), Semyon Stuchevsky (Pf)
(Rec. Unknown)



ニコライ・リムスキー=コルサコフ(Nikolai Rimsky-Korsakov, 1844-1908)は、ロシアの作曲家。ミリー・バラキレフ、モデスト・ムソルグスキー、ツェーザリ・キュイ、アレクサンデル・ボロディンと、ロシア5人組を結成したことで知られています。
ロシア5人組は、バラキレフ以外は軍人・官吏で、作曲はほぼ独学でした。しかし、リムスキー=コルサコフは、ペテルブルグ音楽院の作曲科の教授に任命されてしまい、死に物狂いで管弦楽法や和声法・対位法の勉強をしたといいます。結果として、ロシア随一のオーケストレーションの名手となりました。

リムスキー=コルサコフは、生涯に15ものオペラを手がけましたが、ここで紹介する《見えざる町キーテジと乙女フェヴローニャの物語》は、リムスキー=コルサコフの第14作目の作品となります。
台本は、ヴラディミール・ベリスキー(Vladimir Belsky, 1866-1946)が担当しましたが、ベリスキーがオラトリオ風の作品にしたがったのに対し、リムスキー=コルサコフはドラマティックなオペラとして作品を完成させたがり、両者は真っ向から対立したそうです。リムスキー=コルサコフは、ベリスキーをなだめながら、自分好みの台本へと改変させていき、1907年にオペラとして発表されました。

元々このオペラは、乙女フェヴローニャが、若い王子の病を治して、王子からの愛を勝ち取るというほどの話でしたが、リムスキー=コルサコフは、その筋書きの簡単さに異議を唱え、ベリスキーにキーテジという町の伝説をくっつけて、全く別の話に作り替えさせています。
このオペラのあらすじは、大まかに以下の通り。
キーテジは、宮殿のある大キーテジと、その周辺町の小キーテジとに分かれる。

第1幕
大キーテジに住むユーリー・フセーヴォロドヴィチ大公(以下、ユーリー大公)の息子のフセーヴォロド王子(以下、王子)は、小キーテジの森で狩りを楽しんでいたが、狩りの最中に仲間とはぐれ、熊に襲われてしまった。
傷を負った王子は、森に住むフェヴローニャに出会う。フェヴローニャは、動物と心を通じ合わせ、傷を治す薬草を知っていた。王子は、フェヴローニャを魔女だと思ったが、自然を愛し、神を深く敬うフェヴローニャの看病を受けて、フェヴローニャに惚れてしまう。
王子はフェヴローニャを口説き落とし、自分の妻にすることに成功する。フェヴローニャは、この若者がどういう素性の人間なのか分からなかったが、王子を見つけ出した仲間たちの会話から、大キーテジの王子だということを知るのだった。

第2幕
小キーテジの広場では、熊のダンスなどの見世物でにぎわっているが、吟遊詩人がキーテジの暗い運命を示唆する歌を歌っている。
人々は、王子の結婚発表に喜んでいるが、その結婚相手がどこの馬の骨ともつかないフェヴローニャであることに、いささか不満を抱いている。
町の人たちは、金のためなら何でもするという酒飲みのグリーシカ・クテリマに大金を渡して、フェヴローニャにけしかけた。
フェヴローニャを連れた一行が大キーテジに向かうとき、クテリマはフェヴローニャを称える群衆に混じって、野次を飛ばす。フェヴローニャを称える人々は、クテリマを退けようとするが、フェヴローニャは「隣人は皆愛するべき」と、民衆を諭し、クテリマに優しく話しかけるが、クテリマは悪態をつくばかりだった。
そこに、タタール人が攻めてきて、小キーテジは壊滅させられる。タタール人の目的は、大キーテジの財宝だった。
フェヴローニャとクテリマは捕らえられ、クテリマは大キーテジへの道のりを、タタール人たちに案内する役をになわされることになった。

第3幕
小キーテジの住人のポヤーロクが、小キーテジの壊滅を大キーテジに伝達に来た。
フェヴローニャたちが、捕らえられ、大キーテジへの道をタタール人に案内しているという報を受け取ったユーリー大公とその廷臣たちは、オロオロして神に祈るばかり。一方、王子は、人々に応戦を呼びかける。
王子が応戦を決断したそのとき、大キーテジの聖堂の鐘がなりはじめ、大キーテジは黄金色の雲に覆われて、見えない町になった。
王子はフェヴローニャを救うべく、タタール人たちに攻撃を仕掛けるが、逆に返り討ちにされ、王子は討ち取られてしまった。事実上、大キーテジは戦力を失い、壊滅する。

クテリマたちは、大キーテジのそばの湖まで来たが、大キーテジが黄金色の雲に覆われてしまっているため、その町が見えない。
タタール人たちは、クテリマが嘘を教えたのではないかと疑い、クテリマを縛り上げてしまった。
タタール人は、酒を飲みながら先ほどの戦いの戦利品を分配しようとするが、フェヴローニャを手篭めにしようとしたところ、タタール人の首領たちの間で諍いがおき、首領同士で殺し合いになってしまう。
見えなくなった大キーテジからは、聖堂の鐘の音が聞こえてくるが、クテリマには、自分の贖罪を求める音に聴こえ、気がふれてしまう。
フェヴローニャは、タタール人が酔いつぶれた間に、クテリマの縄を解いてやった。
クテリマとフェヴロ-ニャが湖を覗き込むと、湖の中に大キーテジの町が映っているのを見つける。クテリマとフェヴローニャは、タタール人の陣営から逃亡したが、タタール人は、どこからともなく聞こえてくる鐘の音に怯え、湖から立ち去ってしまった。

第4幕
森の中で錯乱状態のクテリマはフェヴローニャに悪態をつき、フェヴローニャはクテリマを諭す。
さらに錯乱したクテリマはフェヴローニャを置いて姿を消してしまった。
すると、フェヴローニャのいた森が不思議な美しい風景に変わり、天国の鳥アルコノストがやってきて、フェヴローニャの死を歌う。さらに天国の鳥シリンが王子の亡霊とともに現れ、王子とフェヴローニャに永遠の命を授け、見えない町となった大キーテジに誘う。
大キーテジは、天国となっており、タタール人に殺された人々も、シリンとアルコノストに守られて永遠の魂を得る。
王子とフェヴローニャは大キーテジに迎え入れられ、第一幕で中断された婚礼が執り行われる。
フェヴローニャは、地上に残っているクテリマに、この奇蹟を告げる手紙を書き、彼に神の祝福があらんことを願うのだった。
しかし、このあらすじは、旧ソ連時代には、セルゲイ・ゴロデツキーによって改変が施され、キーテジの町は現世から消滅せず、霧に隠れるだけとなりました。また、こうした改変では、タタール人は鐘の音を恐れて逃げ出すのではなく、キーテジから繰り出してきた援軍によって蹴散らされることになります。さらに、死んだはずの王子が生き返り、現世でフェヴローニャと結婚するという話になり、このオペラならではの神秘性が悉く剥ぎ取られてしまいました。
こうしたエディションは、1966年まで広く使われており、この録音も、ゴロデツキーによる台本改変版で録音されています。

キャストは以下の通り

イヴァン・ペトロフ (ユーリー・フセヴォロド大公)
ヴラディミール・イヴァノフスキー (フセヴォロド王子)
ナタリア・ロジェストヴェンスカヤ (フェヴローニャ)
ディミトリ・タルホフ (グリーシュカ・クテリマ)
イリヤ・ボグダノフ (フョードル・ポヤローク)
リディア・メルニコヴァ (少年兵)
ヴェニアミン・シェヴツォフ (貴族)
セルゲイ・コルティピン (貴族)
ボリス・ドブリン (グースリ弾き)
ティーホン・チェルニャコフ (熊使い)
ミハイル・スカージン (音頭とり)
レオニード・ティトロフ (ベドヤイ)
ゲンナジー・トロイツキー (ブルンダイ)
マリア・ズヴェジーナ (シリン)
ニーナ・クラギーナ (アルコノスト)
モスクワ放送合唱団
  モスクワ放送交響楽団/ヴァシリー・ネボルシン

ペトロフ(Ivan Petrov, 1920-2003)、タルホフ(Dmitri Tarkhov, 1890-1966)、イヴァノフスキー(Vladimir Ivanovsky, 1912-?)といった、ロシア往年の名歌手を取り揃えて録音されており、当時としても旧ソ連の威信をかけた録音だったことが想像されます。なお、ヒロインを歌うロジェストヴェンスカヤ(Natalia Rozhdestvenskaya, 1900-1997)は、かのゲンナジー・ロジェストヴィンスキーの母です。
このロジェストヴェンスカヤの歌唱が、清楚な聖女というよりも、かなり豪腕な感じのする歌唱で、一連のキャストの中でも際立ちます。イヴァノフスキーやタルホフのテノールもしっかりした歌唱なのですが、ロジェストヴェンスキーの歌唱と合わせると、いささか位負けしてしまいます。
第3幕では、ロシア・オペラ界のトップ・クラスの歌手だったペトロフがユーリー大公として出演し、どっしりとした歌唱を披露しています。
ネボルシン(Vassili Nebolsin, 1898-1958)の、細かいところまで神経の行き届いたタクト裁きで、豪放磊落な音で知られたモスクワ放送交響楽団からデリケートでよく整った響きを引き出している点も特筆に価するでしょう。

余白には、リムスキー=コルサコフの歌曲をペトロフの歌唱とセミョン・ストゥチェフスキー(Semyon Stuchevsky)のピアノ伴奏で収録されています。
ペトロフはロシアのみならず、パリ・オペラ座にも出演し、世界的に活躍したバス歌手でした。ただ大きな声を響かせるだけではない、ペトロフの芸の細かさを知るためのボーナス・カップリングだといえます。

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