1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Felix Mendelssohn: Octet for String Instruments in E flat major, op.20
Brandis Quartet
{Thomas Brandis (1st Vn), Peter Brem (2nd Vn),
Wilfried Strehle (Vla), Wolfgang Boettcher (Vc)}
Wilfried Strehle (Vla), Wolfgang Boettcher (Vc)}
Westphal Quartet
{Hans-Joachim Westphal (1st Vn), Heinz Ortleb (2nd Vn),
Dietrich Gerhardt (Vla), Jörg Baumann (Vc)}
Dietrich Gerhardt (Vla), Jörg Baumann (Vc)}
(Rec. February & November 1980, Berlin)
◈Max Bruch: Septet in E flat major, op.post.Members of Philharmonisches Oktett Berlin
{Karl Leister (Cl), Gerd Seifert (Hrn) Hans Lemke (Fg),
Leon Spierer (1st Violin), Reiner Mehne (2nd Vn),
Peter Steiner (Vc), Rainer Zepperitz (Cb)}
Leon Spierer (1st Violin), Reiner Mehne (2nd Vn),
Peter Steiner (Vc), Rainer Zepperitz (Cb)}
(Rec. March, May - July & October 1981, Berlin)
フェリックス・メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn, 1809-1847)の八重奏曲は1825年の作で、マックス・ブルッフ(Max Bruch, 1838-1920)の七重奏曲は1849年の作品です。どちらも、作曲者が10代のころの作品で、特にブルッフの作品は、彼自身世に出すつもりのなかった作品のようです。
大概、八重奏曲というものはは、弦楽四重奏にコントラバスをつけ、残りの3パートを適宜管楽器を使うことが多く、こうした編成での成功例として、フランツ・シューベルトの作品を思い浮かべることが出来ます。しかし、メンデルスゾーンの作品の編成は、弦楽四重奏団を2組使う編成で、ルイ・シュポアの作った複弦楽四重奏曲を彷彿とさせます。
シュポアは、2組の弦楽四重奏団を競合させるスタンスで曲を作りましたが、メンデルスゾーンは、2組の弦楽四重奏団の競合というよりも、協同的作業で音楽を練り上げていくような作品に仕上げました。
美しいメロディを畳み掛けるように演奏していく流麗な音楽作りは、後のメンデルスゾーンの作曲スタイルと、ほとんど変わりがなく、10代にして、既に作曲スタイルを確立していたことを感じさせます。
ブルッフの作品は、ベートーヴェンの七重奏曲を髣髴とさせる編成ですが、ベートーヴェンの曲で使われていたヴィオラが、ヴァイオリンに持ち替えられ、弦楽パートの中声部を管楽器で補うという処置が取られています。
まだ11歳の作品ということで、メロディ・ラインが散漫になる傾向はあるものの、アンサンブルをしっかり纏め上げており、ブルッフの才能の豊かさを忖度させます。
おそらく、ブルッフにとって、この作品でオーケストレーションの極意を学び、3年後に作られる交響曲の習作としたのでしょう。
メンデルスゾーンの作品は、ブランディス四重奏団とヴェストファル四重奏団の2団体が合同で演奏しますが、ブルッフの作品は、ベルリン・フィルハーモニー八重奏団の団員で演奏しています。どの団体も、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーで構成されており、ベルリン・フィルハーモニーのアンサンブル能力の高さを証明する録音とも言えるでしょう。
メンデルスゾーンの作品の演奏は、トーマス・ブランディス(Thomas Brandis, 1935-)が独奏ヴァイオリンであるかのごとく動き回り、メリハリのついた演奏を繰り広げています。また、ブランディスを支える他の7人も、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の豊かな音色を髣髴とさせる出来栄えを示しています。特に、ともすると音がもつれ気味になる終楽章において、見通しのよいアンサンブルを聴かせるところに、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の弦楽セクションを担う名手としての矜持を感じさせます。
ブルッフの作品については、阿吽の呼吸で、さも楽しげに奏楽に興じる様が素晴らしく、スケルツォに当たる第2楽章の丁々発止のやり取りに妙味があります。愉悦感すら感じさせる演奏は、それだけ各パートが実力を持っているという証左でもあります。しっかりとしたアンサンブルの上に、遊び心すら感じさせるのは、鉄壁のアンサンブルの1ランク上の世界といえるでしょう。
大概、八重奏曲というものはは、弦楽四重奏にコントラバスをつけ、残りの3パートを適宜管楽器を使うことが多く、こうした編成での成功例として、フランツ・シューベルトの作品を思い浮かべることが出来ます。しかし、メンデルスゾーンの作品の編成は、弦楽四重奏団を2組使う編成で、ルイ・シュポアの作った複弦楽四重奏曲を彷彿とさせます。
シュポアは、2組の弦楽四重奏団を競合させるスタンスで曲を作りましたが、メンデルスゾーンは、2組の弦楽四重奏団の競合というよりも、協同的作業で音楽を練り上げていくような作品に仕上げました。
美しいメロディを畳み掛けるように演奏していく流麗な音楽作りは、後のメンデルスゾーンの作曲スタイルと、ほとんど変わりがなく、10代にして、既に作曲スタイルを確立していたことを感じさせます。
ブルッフの作品は、ベートーヴェンの七重奏曲を髣髴とさせる編成ですが、ベートーヴェンの曲で使われていたヴィオラが、ヴァイオリンに持ち替えられ、弦楽パートの中声部を管楽器で補うという処置が取られています。
まだ11歳の作品ということで、メロディ・ラインが散漫になる傾向はあるものの、アンサンブルをしっかり纏め上げており、ブルッフの才能の豊かさを忖度させます。
おそらく、ブルッフにとって、この作品でオーケストレーションの極意を学び、3年後に作られる交響曲の習作としたのでしょう。
メンデルスゾーンの作品は、ブランディス四重奏団とヴェストファル四重奏団の2団体が合同で演奏しますが、ブルッフの作品は、ベルリン・フィルハーモニー八重奏団の団員で演奏しています。どの団体も、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーで構成されており、ベルリン・フィルハーモニーのアンサンブル能力の高さを証明する録音とも言えるでしょう。
メンデルスゾーンの作品の演奏は、トーマス・ブランディス(Thomas Brandis, 1935-)が独奏ヴァイオリンであるかのごとく動き回り、メリハリのついた演奏を繰り広げています。また、ブランディスを支える他の7人も、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の豊かな音色を髣髴とさせる出来栄えを示しています。特に、ともすると音がもつれ気味になる終楽章において、見通しのよいアンサンブルを聴かせるところに、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の弦楽セクションを担う名手としての矜持を感じさせます。
ブルッフの作品については、阿吽の呼吸で、さも楽しげに奏楽に興じる様が素晴らしく、スケルツォに当たる第2楽章の丁々発止のやり取りに妙味があります。愉悦感すら感じさせる演奏は、それだけ各パートが実力を持っているという証左でもあります。しっかりとしたアンサンブルの上に、遊び心すら感じさせるのは、鉄壁のアンサンブルの1ランク上の世界といえるでしょう。
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