1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Pyotr Ilyich Tchaikovsky: Symphony No.6 in B minor, op.74 "Pathétique"
NBC Symphony Orchestra / Arturo Toscanini
(Rec. 19 April 1941, Carnegie Hall, New York) Live Recording with Applause
◈Pyotr Ilyich Tchaikovsky: Piano Concerto in B flat major, op.23Vladimir Horowitz (Pf)
NBC Symphony Orchestra / Arturo Toscanini
(Rec. 19 April 1941, Carnegie Hall, New York) Live Recording with Applause
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky, 1840-1893)は、19世紀ロシアを代表する作曲家。
本CDに収録された交響曲第6番《悲愴》は、チャイコフスキーが死の年に書き上げた最後の交響曲であり、チャイコフスキーの代表作となった音楽です。チャイコフスキーは。この曲を初演したほぼ一週間後にコレラで亡くなりました。
チャイコフスキーの死因については、さる貴族と男色関係を結んだことが発覚して死を強要されたという説が浮上したことがありますが、最近は、こうした説は定説から外れています。
この交響曲第6番は、初演のとき、華やかに終わるはずのフィナーレがエレジーで終わるという破格の構成のために、かなり顰蹙を買い、同席したニコライ・リムスキー=コルサコフから「何か標題でもあるのですか?」と質問されました。とっさに「あるけど、言いたくない」と返答したため、改めて標題を考えなければならなくなり、弟のモデストと話し合って《悲愴》という名前にした…というエピソードがよく知られています。ただ、最近では、初演前の9月の段階で、ユルゲンソン出版社宛てに、タイトルを「悲愴」にする予定だという手紙を書いていたことが判明しています。
第1楽章は、死のにおいを漂わせるような、ほの暗い導入を置き、寂寥感たっぷりの音楽を奏でます。
第2楽章は、一応ワルツとのことですが、実際は5拍子という変則的な設定になっており、どこか座り心地の悪い音楽になっています。
第3楽章は、乱痴気騒ぎのようなスケルツォで、第4楽章の悲嘆にくれた音楽と対になっています。
アルトゥーロ・トスカニーニ(Arturo Toscanini, 1867-1957)は、こうした音楽の嘆き節のようなアプローチにはあまり興味を示さず、むしろ、造形の確かさを浮き彫りにするような演奏を心がけているようです。
嘆き節を避けている面は、特に第1楽章で強調され、ここで奏でられる第一主題を、素っ気無く演奏しているのがユニークです。
第2楽章のワルツも手兵のNBC交響楽団をたっぷりと鳴らし、第3楽章では、限界近くまでオーケストラをヒート・アップさせています。肝心要の第4楽章は、悲愴感を漂わせるよりも、弦楽セクションを存分に歌わせ、かの弦楽セレナードのような厚手の響きでどっしりとした音楽を奏でています。
情緒を極力配することで、この交響曲の骨格の確かさをしっかりと確認することが出来ます。
ヴラディミール・ホロヴィッツ(Vladimir Horowitz, 1903-1989)をソリストに迎えたチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、若き日のホロヴィッツの定番レパートリーでした。
この曲は、1874年からその翌年にかけて書き上げたもので、元々は友人のニコライ・ルビンシテインに捧げるつもりだったといいます。しかし、曲を試しに弾いて見せたところ、ルビンシテインは全面的な改訂を要求し、憤慨したチャイコフスキーが献呈を取り下げるという騒ぎになりました。
出来上がった曲を、チャイコフスキーはハンス・フォン・ビューローのところに送り、ビューローの初演で大成功を収めました。考えを改めたルビンシテインは、この曲を積極的に演奏するようになりましたが、結局ハンス・フォン・ビューローに、この曲は献呈されることになりました。
ホロヴィッツは、自らのデビューのときに、この曲を演奏して名声を確立し、何度もこの曲を演奏しています。
トスカニーニとは、1941年と1943年の録音がありますが、本CDは1941年のほうの録音です。
ホロヴィッツが爆進し、それをトスカニーニが追いかけるといった風情の演奏で、こうした演奏は、当時としても珍しくはなかったのですが、義父であるトスカニーニとのコンビネーションがうまくいっていないと見做され、あまり名演奏として扱われませんでした。
1943年の録音では、前回の失敗を2人で反省し、絶妙な演奏で、この曲の決定盤といわれる録音を達成しましたが、猛スピードで駆け抜けるスリルという点では、この1941年の録音のほうが面白いように思います。
本CDに収録された交響曲第6番《悲愴》は、チャイコフスキーが死の年に書き上げた最後の交響曲であり、チャイコフスキーの代表作となった音楽です。チャイコフスキーは。この曲を初演したほぼ一週間後にコレラで亡くなりました。
チャイコフスキーの死因については、さる貴族と男色関係を結んだことが発覚して死を強要されたという説が浮上したことがありますが、最近は、こうした説は定説から外れています。
この交響曲第6番は、初演のとき、華やかに終わるはずのフィナーレがエレジーで終わるという破格の構成のために、かなり顰蹙を買い、同席したニコライ・リムスキー=コルサコフから「何か標題でもあるのですか?」と質問されました。とっさに「あるけど、言いたくない」と返答したため、改めて標題を考えなければならなくなり、弟のモデストと話し合って《悲愴》という名前にした…というエピソードがよく知られています。ただ、最近では、初演前の9月の段階で、ユルゲンソン出版社宛てに、タイトルを「悲愴」にする予定だという手紙を書いていたことが判明しています。
第1楽章は、死のにおいを漂わせるような、ほの暗い導入を置き、寂寥感たっぷりの音楽を奏でます。
第2楽章は、一応ワルツとのことですが、実際は5拍子という変則的な設定になっており、どこか座り心地の悪い音楽になっています。
第3楽章は、乱痴気騒ぎのようなスケルツォで、第4楽章の悲嘆にくれた音楽と対になっています。
アルトゥーロ・トスカニーニ(Arturo Toscanini, 1867-1957)は、こうした音楽の嘆き節のようなアプローチにはあまり興味を示さず、むしろ、造形の確かさを浮き彫りにするような演奏を心がけているようです。
嘆き節を避けている面は、特に第1楽章で強調され、ここで奏でられる第一主題を、素っ気無く演奏しているのがユニークです。
第2楽章のワルツも手兵のNBC交響楽団をたっぷりと鳴らし、第3楽章では、限界近くまでオーケストラをヒート・アップさせています。肝心要の第4楽章は、悲愴感を漂わせるよりも、弦楽セクションを存分に歌わせ、かの弦楽セレナードのような厚手の響きでどっしりとした音楽を奏でています。
情緒を極力配することで、この交響曲の骨格の確かさをしっかりと確認することが出来ます。
ヴラディミール・ホロヴィッツ(Vladimir Horowitz, 1903-1989)をソリストに迎えたチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、若き日のホロヴィッツの定番レパートリーでした。
この曲は、1874年からその翌年にかけて書き上げたもので、元々は友人のニコライ・ルビンシテインに捧げるつもりだったといいます。しかし、曲を試しに弾いて見せたところ、ルビンシテインは全面的な改訂を要求し、憤慨したチャイコフスキーが献呈を取り下げるという騒ぎになりました。
出来上がった曲を、チャイコフスキーはハンス・フォン・ビューローのところに送り、ビューローの初演で大成功を収めました。考えを改めたルビンシテインは、この曲を積極的に演奏するようになりましたが、結局ハンス・フォン・ビューローに、この曲は献呈されることになりました。
ホロヴィッツは、自らのデビューのときに、この曲を演奏して名声を確立し、何度もこの曲を演奏しています。
トスカニーニとは、1941年と1943年の録音がありますが、本CDは1941年のほうの録音です。
ホロヴィッツが爆進し、それをトスカニーニが追いかけるといった風情の演奏で、こうした演奏は、当時としても珍しくはなかったのですが、義父であるトスカニーニとのコンビネーションがうまくいっていないと見做され、あまり名演奏として扱われませんでした。
1943年の録音では、前回の失敗を2人で反省し、絶妙な演奏で、この曲の決定盤といわれる録音を達成しましたが、猛スピードで駆け抜けるスリルという点では、この1941年の録音のほうが面白いように思います。
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