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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Ernest Chausson: Symphony in B flat major, op.20
L'Orchestre de la Suisse Romande / Ernest Ansermet
(Rec. January 1967, Victoria Hall, Genève)
◈Albéric Magnard: Symphony No.3 in B flat minor, op.11
L'Orchestre de la Suisse Romande / Ernest Ansermet
(Rec. September 1968, Victoria Hall, Genève)




エルネスト・ショーソン(Ernest Chausson, 1855-1899)とアルベリック・マニャール(Albéric Magnard, 1865-1914)は、共にフランスの作曲家です。一方のショーソンは、セザール・フランクに私淑しながらも、リヒャルト・ヴァーグナーの音楽の官能性を取り入れた作品を書きました。他方のマニャールは、ショーソンと同じようにヴァーグナーの音楽に感激しながらもフランクやフランクの弟子たちと親交を持ちました。しかし、ショーソンのように官能性を織り交ぜることを潔しとせず、厳格な対位法にこだわって作曲を続けました。

ショーソンは、生涯にただ一曲だけ交響曲を書いています。本当は、2曲書く予定だったのですが、下手の横好きのサイクリングで転倒事故を起こした際、頭を強打し、脳挫滅であっけなく亡くなってしまいました。
唯一完成した交響曲は、1889年から翌年にかけて作られた作品で、フランクの交響曲に倣ってスケルツォを省いた3楽章の形式で仕上げています。フランクの影響は、第1楽章で使った主題を曲全体にちりばめ、第2楽章で用いたモチーフを第3楽章でも使うという方法にも現れており、この方法は、フランクが得意とした循環形式そのものです。ただ、ハーモニーがヴァーグナー寄りになっているように、ある種の艶かしさが、この曲の中には充満しています。

マニャールは、生涯に4曲の交響曲を書き上げています。彼は4曲以上の交響曲を書くつもりだったのか、フランス北部オワーズ県バロンの山荘に引きこもって作曲活動を継続していましたが、ドイツ軍がマニャールの山荘を接収しようとしたのに抵抗し、射殺されてしまいました。このとき邸宅も焼かれてしまったため、マニャールが作曲していた原稿も灰になってしまいました。
マニャールは、ショーソンとは違い、厳格な4楽章の形式でガッチリとした交響曲を作り上げています。第1楽章を「序奏」、第2楽章を「舞曲」、第3楽章を「牧歌」、第4楽章を「フィナーレ」と名づけているように、18世紀古典派の交響曲の様式を墨守しようとしています。ヨハネス・ブラームスの第1番の交響曲に一脈通じるような、入念な主題労作と、それを対位法的に処理してしまう癖は、作品の渋い印象をよりいっそう強めています。

エルネスト・アンセルメ(Ernest Ansermet, 1883-1969)指揮するスイス・ロマンド管弦楽団の演奏は、下手なのか上手なのか良くわからない演奏です。
スイス・ロマンド管弦楽団は、1918年にアンセルメによって創設されたオーケストラで、アンセルメは1967年に引退するまで、このオーケストラを手塩にかけて育てました。
とはいえ、鉄壁のアンサンブルを誇ったオーケストラではなく、むしろ要所要所に癖のある奏者たちのサウンドを嵌め込んで魅力的なサウンドを作るアンセルメの手腕に定評がありました。トランペットが突出傾向だったり、弦楽セクションが少々頼りなかったりといった機能面での欠点は、ショーソンの交響曲のほうでよく顕在化しています。
第2楽章などは、しっとりとした歌心が染みこんでいますが、第3楽章の前半では浮き足立ってしまい、やや集中力の散漫な演奏になってしまいました。第1楽章では、気宇雄大な音楽を作っていただけに、音楽の造形にほころびが出来てしまうのは、いささか残念です。
マニャールの交響曲は、少々管楽器のセクションが頼りないものの、持ちつ持たれつの精神で総合的に充実した演奏を展開しています。スケルツォに相当する第2楽章は危なっかしく、余裕は感じられないものの、たいしたミスもなくしっかりとした演奏を展開しています。
第4楽章も、しっかりとクライマックスを作り上げ、ショーソンの交響曲よりも完成度の高い演奏を繰り広げています。

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