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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Amilcare Ponchielli: La Gioconda
Zinka Milanov (S: La Gioconda)
Giovanni Martinelli (T: Enzo Grimaldo)
Bruna Castagna (Ms: Laura Adorno)
Carlo Morelli (Br: Barnaba)
Nicola Moscóna (Bs: Alvise Badoero)
Anna Kaskas (Ms: La Cieca)
Wilfred Engelman (Bs: Zuàne, Cantori)
Giordano Paltrinieri (T: Isèpo, Cantori)
Carlo Coscia (Bs: Un Pilota)
Louis D'Angelo (Br: Un Monaco)
Orchertra e Coro del Metropolitan Opera House / Ettore Panizza
(Rec. 30 December 1939, Metropolitan Opera House, New York) Live Recording with Applause



アミルカレ・ポンキエッリ(Amilcare Ponchielli, 1834-1886)は、イタリアの作曲家です。
ポンキエッリ自身は、作曲家としてよりも、ピエトロ・マスカーニやジャコモ・プッチーニを教えた名教師として知られています。
本CDに収録されている《ジョコンダ》は、作曲家としてのポンキエッリの代表作で、1874年に着手し、1876年に完成しました。
台本は、アリゴ・ボーイト(Arrigo Boito, 1842-1918)が、トビア・ゴリオの筆名で書き上げましたが、この台本の元ネタは、ヴィクトル・ユーゴーの戯曲『パドヴァの暴君アンジェロ』です。

主なあらすじは以下のとおりです。
17世紀のヴェネツィア
・第1幕
町の人たちは謝肉祭で大はしゃぎしている。
そこにヴェネツィア随一の歌姫ジョコンダが、母親のチエカを伴って現れる。母親は目が見えず、ジョコンダの介護を受けている。
ヴェネツィア総督の密偵バルナバは、以前からジョコンダを自分の女にしようと目論んでいたが、ジョコンダにはエンツォという恋人がおり、ジョコンダはバルナバを相手にしようとしない。
怒ったバルナバは、謝肉祭の競技で負けた人たちに、チエカのことを魔女だと嘘をついてけしかけ、チエカはあやうく民衆に袋叩きにされそうになる。
それに気がついたジョコンダは、エンツォと共に群衆を静めようとすると、民衆の気は収まらない。
そこにヴェネツィア提督のアルヴィーゼが夫人のラウラと共に通りかかります。ラウラはアルヴィーゼに群集を沈めるよう嘆願し、アルヴィーゼはいやいやながらに、民衆にチエカを解放するよう命令した。
チエカは、助けてくれたお礼に、ラウラに自分のロザリオを手渡したのだった。
民衆が立ち去った後、バルナバとエンツォが残り、何か話をしている。
エンツォは、元は貴族で、ラウラの恋人だったが、政界を追われて船乗りに身をやつしていた。そのことをバルナバに見破られてしまったのだが、バルナバは、ラウラと密会する機会を作る約束をエンツォにしたのだった。
無論、バルナバは、このことをアルヴィーゼにも密告するつもりである。
一連のやり取りを物陰で聞いていたジョコンダとチエカは、エンツォの交わした約束に「裏切られた!」と、ひどくがっかりしてしまうのだった。

・第2幕
漁場で働くエンツォのところに、バルナバが漁師の変装をしてやってくる。
バルナバは、手はずどおりに漁師たちを去らせ、ラウラをつれてくる。
再会したエンツォとラウラは変わらぬ愛を確かめるが、エンツォが一時立ち去った隙にジョコンダが現れ、ラウラに怒りをぶつける。ラウラと喧嘩になったジョコンダだが、そこにバルナバの密告を受けたアルヴィーゼが現れる。
ラウラがチエカのロザリオを持っているのを見たジョコンダは、ラウラこそがチエカを救った本人であることに気づき、ラウラを首尾よく逃がすのだった。
そこに戻ってきたエンツォに、ジョコンダは「もうお前なんか愛していない」と嘯き、エンツォを激怒させる。

・第3幕
ラウラが総督の家に戻ると、そこには激怒するアルヴィーゼがいた。浮気の現場を目撃したアルヴィーゼは、ラウラに毒で自殺するように言い、毒薬を渡し、舞踏会の行われている隣の間へと立ち去っていくのだった。
そこに、舞踏会に仕事に来ていたジョコンダが現れ、毒薬の代わりに仮死状態になる薬を手渡す。

舞踏会には、エンツォも来ていた。アルヴィーゼが妻の死を明かしたのを聞いたエンツォは、「私の地位だけでなく、愛する人まで奪いやがって!」と、アルヴィーゼに切り掛かったが、その場で逮捕されてしまう。
それを見たジョコンダは、バルナバに「エンツォを助けられたら、私はあなたの女になるわ」と耳打ちをした。
一方でアルヴィーゼは客人に仮死状態のラウラを見せ、「私が裁いて殺した」と言い、得々としている。

・第4幕
ラウラの仮死体を貰い受けたジョコンダは、自分の家で、ラウラの毒薬で自殺しようとするものの、エンツォのことが忘れられず、思いとどまる。
そこに、バルナバの手筈でアルヴィーゼの下から逃げ出したエンツォが現れる。
ラウラの墓の前で死にたいというエンツォに、ジョコンダは「ラウラの墓にはラウラの死体なんかない」と言い放ち、エンツォと喧嘩になる。そこに薬の切れて生き返ったラウラが現れ、エンツォとラウラは抱き合う。
ジョコンダに感謝する2人を、ジョコンダは手配した船に乗せて立ち去らせる。2人の逃亡が成功したそのとき、バルナバが約束どおりジョコンダを自分の女にしようとやってきた。
ジョコンダは、バルナバの女になるフリをして自害して果てた。バルナバはジョコンダに「チエカを殺してやった!」と吐き捨てるが、もはやジョコンダの耳には聞こえない。
本CDに収録されている演奏は、1939年のメトロポリタン歌劇場のプロダクションによる録音です。
メトロポリタン歌劇場は、1883年に創立されたオペラ・ハウスで、その名前の頭三文字を取ってメト(MET)と呼ばれることが少なくありません。
このメトロポリタン歌劇場は、アメリカにとって世界最高と誇るオペラ・ハウスで、世界中のオペラ歌手がこのオペラ・ハウスの舞台に立つことを夢見ました。また、オペラ指揮者にとっても、この歌劇場でタクトを取ることは、大変な名誉とされてきたものです。
1930年代の呼び物は、アルトゥール・ボダンツキーらドイツ人勢がタクトをとるドイツ・オペラと、ジェンナーロ・パピらが指揮するイタリア・オペラでした。
本CDのキャストは以下のとおりです。
ジンカ・ミラノフ (ジョコンダ)
ジョヴァンニ・マルティネッリ (エンツォ)
ブルーナ・カスターニャ (ラウラ)
カルロ・モレッリ (バルナバ)
ニコラ・モスコーナ (アルヴィーゼ)
アンナ・カスカース (チエカ)
ヴィルフレッド・エンゲルマン (ズアーネ、ジョコンダの歌手仲間)
ジョルダーノ・パルトニエリ (イゼーポ、ジョコンダの歌手仲間)
カルロ・コスシア (水先案内人)
ルイ・ダンジェロ (修道士)
メトロポリタン歌劇場合唱団&管弦楽団/エットーレ・パニッツァ
パニッツァ(Ettore Panizza, 1875-1967)は、アルトゥーロ・トスカニーニの片腕としてミラノ・スカラ座で活躍した、アルゼンチン出身の指揮者です。トスカニーニがジャコモ・プッチーニの《トゥーランドット》を初演したとき、作曲者が完成したところまでしか演奏せず、「ここで作曲者は息を引き取った」と述べて立ち去ったのは有名な話ですが、この公演の2日目以降の指揮を任されたのは、このパニッツァでした。
その後アメリカに渡ったパニッツァは、1934年からメトロポリタン歌劇場の指揮者となり、パピと並ぶイタリア・オペラの指揮者として活躍しました。また、ブエノスアイレスのコロン劇場の指揮者としても活躍し、彼が在任した1921年から1955年までは、このコロン劇場の黄金時代だったといわれています。
歌手の呼吸に合わせながらメリハリの利いたコントロールでオーケストラを鳴らしきることにかけては、当時のメトロポリタン歌劇場の指揮者だったボダンツキーと双璧をなしており、ボダンツキーとともに、第二次世界大戦前のメトロポリタン歌劇場の栄華の時代を支えた名指揮者だったことは疑いようがありません。

しかし、オペラは指揮者とオーケストラだけで作るものではなく、キャストも非常に重要であり、第二次世界大戦前のメトロポリタン歌劇場が潤沢な人材を抱えていたという点も、見過ごせません。
オーストリア=ハンガリー帝国時代のクロアチアに生まれたミラノフ(Zinka Milanov, 1906-1989)は、メトロポリタン歌劇場のイタリア・オペラ・キャストにおけるドラマティック・ソプラノの第一人者といわれたプリマ・ドンナで、マリア・カラスや、レナータ・テバルディに匹敵する存在感を示した人でした。この《ジョコンダ》のタイトル・ロールは、ミラノフの当たり役であり、気性の激しさと芯の強さを併せ持った女性像をリアルに演じています。
イタリア人テノール歌手のマルティネッリ(Giovanni Martinelli, 1885-1969)もまた、メトロポリタン歌劇場のイタリア・オペラのキャストでは売れっ子でした。第2幕のアリア〈星よ!海よ!〉は少々不安定な歌唱ですが、アリアが終わるや否や熱狂的な拍手を送られており、マルティネッリの人気の高さを窺うことができます。
チエカ役のカスターニャ(Bruna Castagna, 1905-1983)、バルナバ役のモレッリ(Carlo Morelli, 1897-1970)は、イタリアでもキャリアを積んだ実力派の名歌手で、録音当時はメトロポリタン歌劇場の名脇役として名をはせていた人たちです。また、カスターニャは、ミラノフやギリシャ出身のモスコーナ(Nicola Moscóna, 1907-1975)共々トスカニーニのお気に入りの歌手としても知られています。
特にモスコーナのバルナバ役は、ドスが効いており、彼の熱演のおかげで、ただ美しいだけでないドラマティックなオペラの展開が、より彫りの深いものに仕上がっています。

このオペラの最大の聴きものは、第三幕のバレエ〈時の踊り〉ですが、前半の優雅さと後半の迫力の対比の上手さに、パニッツァのオーケストラ・コントロールの巧みさが現れています。この演奏後の聴衆の拍手が鳴り止まず、マルティネッリのアリアの時同様にアナウンサーのアナウンスが入るのはご愛嬌といったところでしょうか。

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