1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
CD1:
◈Johann Sebastian Bach: Sonata No.1 in G minor, BWV1001
◈Johann Sebastian Bach: Partita No.2 in B major, BWV1002
◈Johann Sebastian Bach: Sonata No.2 in A minor, BWV1003
Henryk Szeryng (Vn)
(Rec. July 1967, Thêatre de Vevey)
CD2:
◈Johann Sebastian Bach: Partita No.2 in D minor, BWV1004
◈Johann Sebastian Bach: Sonata No.3 in C major, BWV1005
◈Johann Sebastian Bach: Partita No.3 in E major, BWV1006
Henryk Szeryng (Vn)
(Rec. July 1967, Thêatre de Vevey)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ集は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750)が1720年ごろに作曲した作品集で、無伴奏チェロ組曲集と対をなす作品集です。
四本の弦を張った擦弦楽器で、どこまでポリフォニックな音楽を表現できるかを追及した作品ということで、世界中のヴァイオリニストがレパートリーに加えて演奏しています。
最近は歴史考証も進み、J.S.バッハの作品を作曲者が生きていた楽器と奏法を復元して演奏するのがオーソドックスになってきましたが、ヘンリク・シェリング(Henryk Szeryng, 1918-1988)の演奏がこの曲の決定版として喧伝されていたころは、まだ現代のヴァイオリンでの演奏が主流でした。
シェリングは、個性派ヴァイオリニストのブロニスワフ・フーベルマン、理知的な名教師として知られたカール・フレッシュなどに師事する一方で、パリ音楽院 でガブリエル・ブイヨンの薫陶を受け、ジャック・ティボーに私淑したことでも知られています。ヴァイオリニストとして独立してからは、第二次世界大戦中に 亡命ポーランド政府の外交官として働き、後にメキシコ国籍を取得しております。1954年にアルテュール・ルービンシュタインに見出されるまで、メキシコ で音楽教育に携わっていました。
以上のように、演奏家としてのシェリングのキャリア形成は、とても複雑なものだということがわかると思います。
様々な流派の演奏法を教わり、またメキシコで教育活動に携わるなかで、シェリングは、ヴァイオリン演奏のグローバル・スタンダードを追及し、数多くの録音を通して、その成果を残してきました。
1967年のJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータは、グローバル・スタンダードを目指したシェリングの、大きな成果です。
これまでのこの曲集の演奏は、音程が怪しかったり、ろれつが回っていなかったりと、綻びのある演奏でしたが、シェリングの演奏は、先人たちの演奏に比べて 一音一音明確に鳴らし、無理を感じさせない演奏で評判になり、楽譜に忠実、厳格でストイック、格調高い演奏として持て囃されました。情に溺れない潔いスタ イルということで、この曲の模範的演奏だと信じて疑わない人も少なくありません。
シェリングのスタンダード路線の演奏は、楽譜に書かれた音を正確に実音化するという点では十分な演奏です。ジョルジュ・エネスコやヨーゼフ・シゲティと いった先輩格のヴァイオリニストたちが容易に到達し得なかった技術面での完成度を、悠然とこなしているわけですから、先人たちの演奏に不満を持っている人 には、その渇望をしっかりと癒してくれるはずです。
しかし、いとも楽々とこなしてしまっているがゆえに、J.S.バッハの音楽に肉薄するスリルが失われてしまっている点に物足りなさを感じます。
この音楽がどういう音のならびになっているかということを、シェリングの演奏は懇切丁寧な弾き方で教えてくれますが、レクチャーしているかのような演奏は、時として演奏の歯切れのよさをそぎ落としてしまいます。
ルネッサンス以前の中世絵画を見ているような気分になるのは、私だけでしょうか?
四本の弦を張った擦弦楽器で、どこまでポリフォニックな音楽を表現できるかを追及した作品ということで、世界中のヴァイオリニストがレパートリーに加えて演奏しています。
最近は歴史考証も進み、J.S.バッハの作品を作曲者が生きていた楽器と奏法を復元して演奏するのがオーソドックスになってきましたが、ヘンリク・シェリング(Henryk Szeryng, 1918-1988)の演奏がこの曲の決定版として喧伝されていたころは、まだ現代のヴァイオリンでの演奏が主流でした。
シェリングは、個性派ヴァイオリニストのブロニスワフ・フーベルマン、理知的な名教師として知られたカール・フレッシュなどに師事する一方で、パリ音楽院 でガブリエル・ブイヨンの薫陶を受け、ジャック・ティボーに私淑したことでも知られています。ヴァイオリニストとして独立してからは、第二次世界大戦中に 亡命ポーランド政府の外交官として働き、後にメキシコ国籍を取得しております。1954年にアルテュール・ルービンシュタインに見出されるまで、メキシコ で音楽教育に携わっていました。
以上のように、演奏家としてのシェリングのキャリア形成は、とても複雑なものだということがわかると思います。
様々な流派の演奏法を教わり、またメキシコで教育活動に携わるなかで、シェリングは、ヴァイオリン演奏のグローバル・スタンダードを追及し、数多くの録音を通して、その成果を残してきました。
1967年のJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータは、グローバル・スタンダードを目指したシェリングの、大きな成果です。
これまでのこの曲集の演奏は、音程が怪しかったり、ろれつが回っていなかったりと、綻びのある演奏でしたが、シェリングの演奏は、先人たちの演奏に比べて 一音一音明確に鳴らし、無理を感じさせない演奏で評判になり、楽譜に忠実、厳格でストイック、格調高い演奏として持て囃されました。情に溺れない潔いスタ イルということで、この曲の模範的演奏だと信じて疑わない人も少なくありません。
シェリングのスタンダード路線の演奏は、楽譜に書かれた音を正確に実音化するという点では十分な演奏です。ジョルジュ・エネスコやヨーゼフ・シゲティと いった先輩格のヴァイオリニストたちが容易に到達し得なかった技術面での完成度を、悠然とこなしているわけですから、先人たちの演奏に不満を持っている人 には、その渇望をしっかりと癒してくれるはずです。
しかし、いとも楽々とこなしてしまっているがゆえに、J.S.バッハの音楽に肉薄するスリルが失われてしまっている点に物足りなさを感じます。
この音楽がどういう音のならびになっているかということを、シェリングの演奏は懇切丁寧な弾き方で教えてくれますが、レクチャーしているかのような演奏は、時として演奏の歯切れのよさをそぎ落としてしまいます。
ルネッサンス以前の中世絵画を見ているような気分になるのは、私だけでしょうか?
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