1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Franz Schubert: Winterreise
Hans Hotter (Bs-Br)
Hans Dokoupil (Pf)
Hans Dokoupil (Pf)
(Rec. 2 April 1969, 東京文化会館大ホール) Live Recording with Applause
フランツ・シューベルト(Franz Schubert, 1797-1828)は、オーストリアの作曲家で、歌曲を多数発表したことから、日本では「歌曲王」と呼ばれることがあります。
その暮らしぶりは、必ずしも王侯貴族のような暮らしではなく、友人の家に居候しながら作曲をするという、なかなかボヘミアンな暮らしぶりだったことが窺えます。彼の友人関係からシューベルティアーデというシューベルトの作品を鑑賞する会も出来上がり、彼の作品を愛する人たちが、こぞってシューベルトを支援しており、衣食住にはあまり困りませんでした。
本CDに収録されているのは、1827年にシューベルトが発表した歌曲集《冬の旅》です。
この歌曲集は、ヴィルヘルム・ミュラー(Wilhelm Müller, 1794-1827)の詩に曲をつけたものです。
シューベルティアーデでこの曲が発表された時には、シューベルティアーデに集った人々は、その作品の暗さに難色を示しましたが、シューベルト自身は、この作品を気に入っており「みんなもきっとこの作品が好きになる」と言っていたそうです。
この歌曲集は、次の24曲からなります。
・おやすみ
・風見
・凍った涙
・氷結
・菩提樹
・雪解けの水流
・凍った川で
・かえりみ
・鬼火
・休息
・春の夢
・孤独
・郵便馬車
・霜おく頭
・からす
・最後の希望
・村で
・嵐の朝
・まぼろし
・道しるべ
・宿
・勇気
・幻の太陽
・辻音楽師
恋人に別れを告げず、そっと旅に出る若者の姿と心情を活写した作品で、絶望を基調とした情感と、冬景色の美しさが織り交ざり、ドイツ・ロマンティークの歌曲の中でも優れた作品として、多くの歌手のレパートリーに組み入れられています。
歌うのは、ドイツ人バス-バリトン歌手のハンス・ホッター(Hans Hotter, 1909-2003)で、ドイツ人ピアニストのハンス・ドコウピル(Hans Dokoupil, 1921-1971)が伴奏を務めています。
ホッターは、第二次世界大戦前のドイツを代表するオペラ歌手で、特にヴァーグナー作品で名声を博した人でしたが、リートの演奏解釈にも力を入れていました。シューベルトの作品は、ホッターの十八番であり、この曲は何度も録音しています。
この録音は、60歳になったホッターの来日公演の記録ですが、渋さと深さを併せ持った、味わい深い歌唱で、この作品を思索的に彫琢しています。ドコウピルの伴奏も過不足なく、ホッターを絶妙なサポートで支えています。〈凍った川で〉や〈辻音楽師〉などでは、ホッターの翳りのある歌声に凄みがあり、底知れない闇を覗いているような恐怖すら感じさせます。
有名な〈菩提樹〉では、ドコウピルのピアノに危うさがありますが、〈からす〉の序奏の高貴な美しさには思わず耳を奪われてしまいます。
ドコウピルのピアノは、〈郵便馬車〉のような、心躍る歌でも決してはしゃがず、落ち着いた色合いでホッターの芸風に同化しようとしています。
これ見よがしな効果を狙わず、ひたすら渋く歌い上げるホッターの歌唱とドコウピルのピアノは、この歌曲の設定する「若者」の若々しさはありませんが、かのヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの『若きウェルテルの悩み』のような苦味を内包しています。
その暮らしぶりは、必ずしも王侯貴族のような暮らしではなく、友人の家に居候しながら作曲をするという、なかなかボヘミアンな暮らしぶりだったことが窺えます。彼の友人関係からシューベルティアーデというシューベルトの作品を鑑賞する会も出来上がり、彼の作品を愛する人たちが、こぞってシューベルトを支援しており、衣食住にはあまり困りませんでした。
本CDに収録されているのは、1827年にシューベルトが発表した歌曲集《冬の旅》です。
この歌曲集は、ヴィルヘルム・ミュラー(Wilhelm Müller, 1794-1827)の詩に曲をつけたものです。
シューベルティアーデでこの曲が発表された時には、シューベルティアーデに集った人々は、その作品の暗さに難色を示しましたが、シューベルト自身は、この作品を気に入っており「みんなもきっとこの作品が好きになる」と言っていたそうです。
この歌曲集は、次の24曲からなります。
・おやすみ
・風見
・凍った涙
・氷結
・菩提樹
・雪解けの水流
・凍った川で
・かえりみ
・鬼火
・休息
・春の夢
・孤独
・郵便馬車
・霜おく頭
・からす
・最後の希望
・村で
・嵐の朝
・まぼろし
・道しるべ
・宿
・勇気
・幻の太陽
・辻音楽師
恋人に別れを告げず、そっと旅に出る若者の姿と心情を活写した作品で、絶望を基調とした情感と、冬景色の美しさが織り交ざり、ドイツ・ロマンティークの歌曲の中でも優れた作品として、多くの歌手のレパートリーに組み入れられています。
歌うのは、ドイツ人バス-バリトン歌手のハンス・ホッター(Hans Hotter, 1909-2003)で、ドイツ人ピアニストのハンス・ドコウピル(Hans Dokoupil, 1921-1971)が伴奏を務めています。
ホッターは、第二次世界大戦前のドイツを代表するオペラ歌手で、特にヴァーグナー作品で名声を博した人でしたが、リートの演奏解釈にも力を入れていました。シューベルトの作品は、ホッターの十八番であり、この曲は何度も録音しています。
この録音は、60歳になったホッターの来日公演の記録ですが、渋さと深さを併せ持った、味わい深い歌唱で、この作品を思索的に彫琢しています。ドコウピルの伴奏も過不足なく、ホッターを絶妙なサポートで支えています。〈凍った川で〉や〈辻音楽師〉などでは、ホッターの翳りのある歌声に凄みがあり、底知れない闇を覗いているような恐怖すら感じさせます。
有名な〈菩提樹〉では、ドコウピルのピアノに危うさがありますが、〈からす〉の序奏の高貴な美しさには思わず耳を奪われてしまいます。
ドコウピルのピアノは、〈郵便馬車〉のような、心躍る歌でも決してはしゃがず、落ち着いた色合いでホッターの芸風に同化しようとしています。
これ見よがしな効果を狙わず、ひたすら渋く歌い上げるホッターの歌唱とドコウピルのピアノは、この歌曲の設定する「若者」の若々しさはありませんが、かのヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの『若きウェルテルの悩み』のような苦味を内包しています。
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