1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Richard Wagner: Wesendonk-Lieder
Kirsten Flagstad (S)
Oslo Philharmonic Orchestra / Øivin Fjeldstad
Oslo Philharmonic Orchestra / Øivin Fjeldstad
(Rec. 16 December 1951) Live Recording without Applause
◈Ludwig van Beethoven: An die Hoffnung, op.94Kirsten Flagstad (S)
Waldemar Alme (Pf)
Waldemar Alme (Pf)
(Rec. 8 September 1954)
◈Richard Strauss: Im AbendrotKirsten Flagstad (S)
Waldemar Alme (Pf)
Waldemar Alme (Pf)
(Rec. 7 May 1954)
◈Christian Sinding: Eg vil deg'kje elske◈Christian Sinding: Eg tykkjer det er reint langsamt
◈Christian Sinding: Eg Tarv ikkje ijose aa kveikje
Kirsten Flagstad (S)
Waldemar Alme (Pf)
Waldemar Alme (Pf)
(Rec. 23 August 1958)
リヒャルト・ヴァーグナー(Richard Wagner, 1813-1883)の《ヴェーゼンドンク歌曲集》、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)の《希望に寄せて》、リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss, 1864-1949)の《最後の4つの歌》から〈夕映えの中で〉、クリスティアン・シンディング(Christian Sinding, 1856-1941)の歌曲がカップリングされたCDです。
ベートーヴェンの歌曲は、クリストフ・アウグスト・ティートゲ(Christoph August Tiedge, 1752-1841)の詩に曲をつけたもので、リヒャルト・シュトラウスの歌曲の歌詞はヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフ(Joseph von Eichendorff, 1788-1857)の詩を用いています。
シンディングの作品は、〈貴方を愛したくない〉(Eg vil deg'kje elske)、〈私の周りは全て暗い〉(Eg tykkjer det er reint langsamt)、〈明かりをつける必要はない〉(Eg Tarv ikkje ijose aa kveikje)の3曲で、アイヴァー・モルテンソン=エグヌンド(Ivar Mortensson-Egnund, 1857-1934)の詩に基づく《ストリングプレイ》という歌曲集に収録されています。
ヴァーグナーの《ヴェーゼンドンク歌曲集》は、1857年から翌年の間にマティルデ・ヴェーゼンドンク(Mathilde Wesendonck, 1828-1902)の詩に曲をつけたもの。〈天使〉(Der Engel)、〈とまれ〉(Stehe still)、〈温室にて〉(Im Treibhaus)、〈悩み〉(Schmerzen)、〈夢〉(Träume)の5曲からなります。作曲当時、ヴァーグナーは、絹商人のオットー・ヴェーゼンドンクをパトロンにして音楽活動を展開していましたが、そのオットーの奥さんのマティルデと不倫をし、マティルデの作った詩に曲をつけたのでした。元々ピアノ伴奏の歌曲でしたが、ヴァーグナーは、1857年12月23日のマティルデの誕生日にあわせて、第5曲目の〈夢〉をオーケストラ用に書き換え、マティルデの誕生日の朝にマティルデの目覚めにあわせて演奏したそうです。
その後、弟子のフェリックス・モットルが残りの4曲をオーケストレーションし、ヴァーグナーのオーケストラ伴奏歌曲として、広く知られるようになりました。
CDのタイトルにキルステン・フラグスタート(Kirsten Flagstad, 1895-1962)の歌曲の夕べとあるように、本CDの歌唱は全てフラグスタートによるものです。
《ヴェーゼンドンク歌曲集》のみ、エイフィン・フィエルスタート(Øivin Fjeldstad, 1903-1983)指揮するオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の伴奏で、他の歌曲ではノルウェー人ピアニストのヴァルデマール・アルメ(Waldemar Alme, 1890-1967)が伴奏をつけています。
フラグスタートは、ノルウェー出身のソプラノ歌手で、特に第二次世界大戦前は、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の大スターとして活躍した人でした。ただ、夫がナチスと親しいノルウェーの議員だったことから、アメリカから放り出されてしまい、第二次世界大戦後はヨーロッパを中心に活動をしていました。
フラグスタートの名声の中心は、ヴァーグナーの歌劇・楽劇の歌唱においてで、とりわけ、《トリスタンとイゾルデ》のイゾルデ役は、世界最高とまで言われたものでした。無論、この《ヴェーゼンドンク歌曲集》も、フラグスタートの歌唱が絶品と言われていました。
本CDの録音は、もはやフラグスタートの芸歴の後半にあたる録音ですが、恰幅のいい歌唱には衰えがありません。オスロ出身のフィエルスタートの伴奏も、歌劇場で研鑽を積んだ人らしく、フラグスタートの歌唱にぴったりと息を合わせ、スケールの大きな伴奏でフラグスタートの芸を補強しています。
ベートーヴェンの歌曲では、やや声質の衰えに伴う渋さが目立ちますが、ヴァーグナーの歌唱で培ったドラマ作りで衰えをカバーし、見事に最後まで歌い上げています。
リヒャルト・シュトラウスの歌曲も、残照の渋さとフラグスタートの歌唱がぴったりと一致し、極上の味わいになっています。アルメの伴奏も過不足なく、フラグスタートの音楽の所作にぴったりと張り付いています。
フラグスタートは、自国ノルウェーの歌曲の宣伝にも熱心だったらしく、シンディングの歌曲の歌唱は、そうした自国の歌曲の熱心な擁護者としての矜持を感じさせます。どれも一分程度の歌曲ながら、コンデンス・ミルクを思わせる声の伸びの美しさとシンディングのつむぎだしたメロディの美しさが相乗的に作用し、もっと聴きたい気分にさせられます。
ベートーヴェンの歌曲は、クリストフ・アウグスト・ティートゲ(Christoph August Tiedge, 1752-1841)の詩に曲をつけたもので、リヒャルト・シュトラウスの歌曲の歌詞はヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフ(Joseph von Eichendorff, 1788-1857)の詩を用いています。
シンディングの作品は、〈貴方を愛したくない〉(Eg vil deg'kje elske)、〈私の周りは全て暗い〉(Eg tykkjer det er reint langsamt)、〈明かりをつける必要はない〉(Eg Tarv ikkje ijose aa kveikje)の3曲で、アイヴァー・モルテンソン=エグヌンド(Ivar Mortensson-Egnund, 1857-1934)の詩に基づく《ストリングプレイ》という歌曲集に収録されています。
ヴァーグナーの《ヴェーゼンドンク歌曲集》は、1857年から翌年の間にマティルデ・ヴェーゼンドンク(Mathilde Wesendonck, 1828-1902)の詩に曲をつけたもの。〈天使〉(Der Engel)、〈とまれ〉(Stehe still)、〈温室にて〉(Im Treibhaus)、〈悩み〉(Schmerzen)、〈夢〉(Träume)の5曲からなります。作曲当時、ヴァーグナーは、絹商人のオットー・ヴェーゼンドンクをパトロンにして音楽活動を展開していましたが、そのオットーの奥さんのマティルデと不倫をし、マティルデの作った詩に曲をつけたのでした。元々ピアノ伴奏の歌曲でしたが、ヴァーグナーは、1857年12月23日のマティルデの誕生日にあわせて、第5曲目の〈夢〉をオーケストラ用に書き換え、マティルデの誕生日の朝にマティルデの目覚めにあわせて演奏したそうです。
その後、弟子のフェリックス・モットルが残りの4曲をオーケストレーションし、ヴァーグナーのオーケストラ伴奏歌曲として、広く知られるようになりました。
CDのタイトルにキルステン・フラグスタート(Kirsten Flagstad, 1895-1962)の歌曲の夕べとあるように、本CDの歌唱は全てフラグスタートによるものです。
《ヴェーゼンドンク歌曲集》のみ、エイフィン・フィエルスタート(Øivin Fjeldstad, 1903-1983)指揮するオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の伴奏で、他の歌曲ではノルウェー人ピアニストのヴァルデマール・アルメ(Waldemar Alme, 1890-1967)が伴奏をつけています。
フラグスタートは、ノルウェー出身のソプラノ歌手で、特に第二次世界大戦前は、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の大スターとして活躍した人でした。ただ、夫がナチスと親しいノルウェーの議員だったことから、アメリカから放り出されてしまい、第二次世界大戦後はヨーロッパを中心に活動をしていました。
フラグスタートの名声の中心は、ヴァーグナーの歌劇・楽劇の歌唱においてで、とりわけ、《トリスタンとイゾルデ》のイゾルデ役は、世界最高とまで言われたものでした。無論、この《ヴェーゼンドンク歌曲集》も、フラグスタートの歌唱が絶品と言われていました。
本CDの録音は、もはやフラグスタートの芸歴の後半にあたる録音ですが、恰幅のいい歌唱には衰えがありません。オスロ出身のフィエルスタートの伴奏も、歌劇場で研鑽を積んだ人らしく、フラグスタートの歌唱にぴったりと息を合わせ、スケールの大きな伴奏でフラグスタートの芸を補強しています。
ベートーヴェンの歌曲では、やや声質の衰えに伴う渋さが目立ちますが、ヴァーグナーの歌唱で培ったドラマ作りで衰えをカバーし、見事に最後まで歌い上げています。
リヒャルト・シュトラウスの歌曲も、残照の渋さとフラグスタートの歌唱がぴったりと一致し、極上の味わいになっています。アルメの伴奏も過不足なく、フラグスタートの音楽の所作にぴったりと張り付いています。
フラグスタートは、自国ノルウェーの歌曲の宣伝にも熱心だったらしく、シンディングの歌曲の歌唱は、そうした自国の歌曲の熱心な擁護者としての矜持を感じさせます。どれも一分程度の歌曲ながら、コンデンス・ミルクを思わせる声の伸びの美しさとシンディングのつむぎだしたメロディの美しさが相乗的に作用し、もっと聴きたい気分にさせられます。
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