1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Glenn Gould: Lieberson Madrigal
Claron McFadden (S)
Marie Thérèse Keller (S)
Jean-Paul Fouchecourt (T)
Harry Van der Kamp (Bs)
Emile Naoumoff (Pf) / Nicolas Rivenq
Marie Thérèse Keller (S)
Jean-Paul Fouchecourt (T)
Harry Van der Kamp (Bs)
Emile Naoumoff (Pf) / Nicolas Rivenq
(Rec. September 1990, Studio Clé d'Ut, Paris)
◈Glenn Gould: String QuartetBruno Monsaingeon (1st Vn)
Gilles Apap (2nd Vn)
Gérard Caussé (Vla)
Alain Meunier (Vc)
Gilles Apap (2nd Vn)
Gérard Caussé (Vla)
Alain Meunier (Vc)
(Rec. September 1990, Studio Clé d'Ut, Paris)
◈Glenn Gould: Two Piece for PianoEmile Naoumoff (Pf)
(Rec. September 1990, Studio Clé d'Ut, Paris)
◈Glenn Gould: Sonata for Bassoon and PianoCatherine Marchese (Fg)
Emile Naoumoff (Pf)
Emile Naoumoff (Pf)
(Rec. September 1990, Studio Clé d'Ut, Paris)
◈Glenn Gould: Piano Sonata (Unfinished)Emile Naoumoff (Pf)
(Rec. September 1990, Studio Clé d'Ut, Paris)
◈Glenn Gould: "So You Want to Write a Fugue"Claron McFadden (S)
Marie Thérèse Keller (S)
Jean-Paul Fouchecourt (T)
Harry Van der Kamp (Bs)
Bruno Monsaingeon (1st Vn)
Gilles Apap (2nd Vn)
Gérard Caussé (Vla)
Alain Meunier (Vc) / Nicolas Rivenq
Marie Thérèse Keller (S)
Jean-Paul Fouchecourt (T)
Harry Van der Kamp (Bs)
Bruno Monsaingeon (1st Vn)
Gilles Apap (2nd Vn)
Gérard Caussé (Vla)
Alain Meunier (Vc) / Nicolas Rivenq
(Rec. September 1990, Studio Clé d'Ut, Paris)
グレン・グールド(Glenn Gould, 1932-1982)は、カナダ出身のピアニスト。1960年代で演奏活動をやめ、レコーディング専門のピアニストとして活躍した往年の名手です。
バロック音楽から同時代の音楽まで幅広いレパートリーを誇ったピアニストでしたが、作曲家として成功するという野心も持っていたようです。しかし、彼が残した作品には、ヨハン・ゼバスティアン・バッハらのポリフォニー音楽への憧憬と、アルノルト・シェーンベルクらの十二音音楽への執着が強く感じられます。こうした憧憬と執着から逃れるかのように、グールドは作りかけの作品をいくつも放棄し、自らの作品として出版したのは単一楽章の弦楽四重奏曲のみに終わりました。結局作曲家としては大成できませんでした。
こうしてグールドの演奏可能な作品をかき集めてみると、作曲家としてのアイデンティティを模索するグールドの姿が見えてくると思います。
最初に収録されている作品は、1964年にコロムビア・レコード社の社長であるゴダード・リーバーソンのために作った《リーバーソン・マドリガル》です。マドリガルとは、元々「マドリガーレ」といい。イタリアのポリフォニー合唱曲でしたが、グールドが念頭に置いているのは、イタリアからイギリスに伝承されたものです。グールドにしてみれば、リーバーソン社長の社長就任25年記念の贈り物であると同時に、イギリス・バロック音楽への憧れを示すものだったのではないかと思います。曲は4つの部分からなり、第2部と第3部ではピアノが登場します。
本来のマドリガルが声楽曲なため、ピアノはマドリガルとしては部外者として扱われ、第二部においては、ピアノが声楽のカルテットを引っ掻き回そうとやってきます。第3部では声楽カルテットと和解し、ポリフォニーの枠組みの構築を積極的に行っています。第四部の後半での壊れたレコードを模したジョークは、リーバーソンのためのジョークでしょう。
演奏は、アメリカ出身のソプラノ歌手であるクラロン・マクファーデン(Claron McFadden, 1961-)、フランス人メゾ・ソプラノ歌手の(Marie-Térèse Keller)、フランス人テノール歌手のジャン=ポール・フーシェクール(Jean-Paul Fouchecourt)、オランダ人バス歌手のハリー・ヴァン・デル・カンプ(Harry Van der Kamp, 1947-)が声楽カルテットを組み、イギリス人バリトン歌手のニコラス・リヴァンク(Nicolas Rivenq, 1958-)がブルガリア人ピアニストのエミール・ナウモフ(Emile Naoumoff, 1962-)を連れて、声楽カルテットを指揮しています。
グールドが23歳の頃に書いた弦楽四重奏曲は、彼が生前に唯一出版を許した作品でした。
無調音楽に傾いてみたり、ヴァーグナーのような音楽に近寄ってみたりと、自らの音楽経験と嗜好をあわせて煮込んだような作品に仕上がっています。作風としては、フェルッチョ・ブゾーニの延長線上にあると位置づければいいでしょうか。
演奏は、ブルーノ・モンサンジョン(Bruno Monsaingeon, 1943-)、ジル・アパップ(Gilles Apap, 1963-)、ジェラール・コセ(Gérard Caussé, 1948-)、アラン・ムーニエ(Alain Meunier, 1942-)が担当しています。モンサンジョンは、ドキュメンタリー映画の監督としても、グールドの映画などを手がけています。アパップも、クラシック音楽の枠に捕らわれない演奏家として一家言を持っており、独特なCDをリリースしています。コセやムーニエも、フランス音楽界の第一線で活躍している中堅音楽家です。この豪華な布陣を持ってしても、ややアンサンブル的に際どい箇所があり、グールドの書法の凝りようが並々ではないことがわかります。
2つの小品とピアノ・ソナタは、シェーンベルクを強く意識した作品で、十二音音楽を援用して作曲がなされています。前衛的な方向の作品を作るのではなく、十二音音楽を暖めなおそうとしていた点に、グールドの音楽的なこだわりがあるのかもしれません。ナウモフのピアノは、作品の抒情面を引き出そうとしており、技巧的切れ味の点で物足りなさがありますが、ソナタの第2楽章のほの暗く燃え上がるような表現は大変素晴らしいものだと思います。
このピアノ曲と同一線上にあるファゴットのソナタも、ナウモフのピアノとキャサリン・マーチェス(Catherine Marchese)のファゴットで演奏されていますが、ファゴットとピアノが全く混ざり合わず、お互いが提示する動機を無視しあうという不思議な音楽になっています。
最後の《じゃあ、フーガを書きたいの?》は、1963年のラジオ番組向けに作曲された作品です。厳格なフーガの書法を教科書どおりに書きながら、J.S.バッハのブランデンブルク協奏曲やリヒャルト・ヴァーグナーの《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の動機をちらつかせるあたり、グールドならではの茶目っ気が顔を覗かせます。
《リーバーソン・マドリガル》の歌手たちと、弦楽四重奏曲の演奏者たちが顔を合わせて演奏していますが、四面四角な演奏が笑いを誘います。
バロック音楽から同時代の音楽まで幅広いレパートリーを誇ったピアニストでしたが、作曲家として成功するという野心も持っていたようです。しかし、彼が残した作品には、ヨハン・ゼバスティアン・バッハらのポリフォニー音楽への憧憬と、アルノルト・シェーンベルクらの十二音音楽への執着が強く感じられます。こうした憧憬と執着から逃れるかのように、グールドは作りかけの作品をいくつも放棄し、自らの作品として出版したのは単一楽章の弦楽四重奏曲のみに終わりました。結局作曲家としては大成できませんでした。
こうしてグールドの演奏可能な作品をかき集めてみると、作曲家としてのアイデンティティを模索するグールドの姿が見えてくると思います。
最初に収録されている作品は、1964年にコロムビア・レコード社の社長であるゴダード・リーバーソンのために作った《リーバーソン・マドリガル》です。マドリガルとは、元々「マドリガーレ」といい。イタリアのポリフォニー合唱曲でしたが、グールドが念頭に置いているのは、イタリアからイギリスに伝承されたものです。グールドにしてみれば、リーバーソン社長の社長就任25年記念の贈り物であると同時に、イギリス・バロック音楽への憧れを示すものだったのではないかと思います。曲は4つの部分からなり、第2部と第3部ではピアノが登場します。
本来のマドリガルが声楽曲なため、ピアノはマドリガルとしては部外者として扱われ、第二部においては、ピアノが声楽のカルテットを引っ掻き回そうとやってきます。第3部では声楽カルテットと和解し、ポリフォニーの枠組みの構築を積極的に行っています。第四部の後半での壊れたレコードを模したジョークは、リーバーソンのためのジョークでしょう。
演奏は、アメリカ出身のソプラノ歌手であるクラロン・マクファーデン(Claron McFadden, 1961-)、フランス人メゾ・ソプラノ歌手の(Marie-Térèse Keller)、フランス人テノール歌手のジャン=ポール・フーシェクール(Jean-Paul Fouchecourt)、オランダ人バス歌手のハリー・ヴァン・デル・カンプ(Harry Van der Kamp, 1947-)が声楽カルテットを組み、イギリス人バリトン歌手のニコラス・リヴァンク(Nicolas Rivenq, 1958-)がブルガリア人ピアニストのエミール・ナウモフ(Emile Naoumoff, 1962-)を連れて、声楽カルテットを指揮しています。
グールドが23歳の頃に書いた弦楽四重奏曲は、彼が生前に唯一出版を許した作品でした。
無調音楽に傾いてみたり、ヴァーグナーのような音楽に近寄ってみたりと、自らの音楽経験と嗜好をあわせて煮込んだような作品に仕上がっています。作風としては、フェルッチョ・ブゾーニの延長線上にあると位置づければいいでしょうか。
演奏は、ブルーノ・モンサンジョン(Bruno Monsaingeon, 1943-)、ジル・アパップ(Gilles Apap, 1963-)、ジェラール・コセ(Gérard Caussé, 1948-)、アラン・ムーニエ(Alain Meunier, 1942-)が担当しています。モンサンジョンは、ドキュメンタリー映画の監督としても、グールドの映画などを手がけています。アパップも、クラシック音楽の枠に捕らわれない演奏家として一家言を持っており、独特なCDをリリースしています。コセやムーニエも、フランス音楽界の第一線で活躍している中堅音楽家です。この豪華な布陣を持ってしても、ややアンサンブル的に際どい箇所があり、グールドの書法の凝りようが並々ではないことがわかります。
2つの小品とピアノ・ソナタは、シェーンベルクを強く意識した作品で、十二音音楽を援用して作曲がなされています。前衛的な方向の作品を作るのではなく、十二音音楽を暖めなおそうとしていた点に、グールドの音楽的なこだわりがあるのかもしれません。ナウモフのピアノは、作品の抒情面を引き出そうとしており、技巧的切れ味の点で物足りなさがありますが、ソナタの第2楽章のほの暗く燃え上がるような表現は大変素晴らしいものだと思います。
このピアノ曲と同一線上にあるファゴットのソナタも、ナウモフのピアノとキャサリン・マーチェス(Catherine Marchese)のファゴットで演奏されていますが、ファゴットとピアノが全く混ざり合わず、お互いが提示する動機を無視しあうという不思議な音楽になっています。
最後の《じゃあ、フーガを書きたいの?》は、1963年のラジオ番組向けに作曲された作品です。厳格なフーガの書法を教科書どおりに書きながら、J.S.バッハのブランデンブルク協奏曲やリヒャルト・ヴァーグナーの《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の動機をちらつかせるあたり、グールドならではの茶目っ気が顔を覗かせます。
《リーバーソン・マドリガル》の歌手たちと、弦楽四重奏曲の演奏者たちが顔を合わせて演奏していますが、四面四角な演奏が笑いを誘います。
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