1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Jean Sibelius: Symphony No.5 in E flat major, op.82
◈Jean Sibelius: "Karelia" Suite, op.11
The Sinfonia of London / Tauno Hannikainen
(Rec. 14 Jamuary 1959, Hammersmith Town Hall, London)
ジャン・シベリウス(Jean Sibelius, 1865-1957)は、フィンランドの作曲家です。
シベリウスは、交響曲は全部で7曲完成させており、作曲活動から遠ざかった1920年代半ば以降、交響曲第8番の作曲に没頭していたようですが、結局交響曲を発表することなく、91歳の生涯を終えています。
本CDでは、交響曲第5番と《カレリア》組曲が演奏されています。
フィンランドが世界に誇る作曲家としての地歩を固めていたシベリウスは、1915年に、生誕50周年記念の演奏会を開くことになり、その演奏会のための交響曲を作ることになりました。これが、交響曲第5番の作曲の動機になります。
ただ、この時代は、第一次世界大戦の影響でヨーロッパ全体の政情が不安定だったこともあり、当面生活費を稼ぐための小品や歌曲の作曲に時間をとられてしまったとのこと。なんとか12月8日の初演に交響曲の完成を間に合わせ、聴衆のウケがよかったものの、シベリウス自身はこの作品に満足せず、初演の翌年に改訂を施して再度演奏しました。この改訂版も好評でしたが、シベリウスは結局満足せず、1919年にさらに改訂を行って、現在の3楽章構成の交響曲に仕上げました。
元々シベリウスの生誕50年の国家的イベントのために作曲された作品だけあって、のびのびとした曲想と英雄的な盛り上がりのある作品に仕上がっています。
《カレリア》組曲は、1893年に作り上げた劇音楽を基にした組曲です。カレリア地方の歴史を綴った劇の音楽の依頼を受けて作曲したシベリウスでしたが、肝心の劇が評判にならなかったため、コンサートでも演奏できるように気に入った曲を選曲し、厳選の結果、最終的に〈間奏曲〉、〈バラード〉、〈行進曲風に〉の3曲が選ばれ、コンサート用のレパートリーとして定着することになりました。この3曲の組曲での初演は、1899年に、ロベルト・カヤヌスの指揮で行われています。
〈間奏曲〉は、劇の第3景で使われた音楽で、14世紀のリトアニア公爵ナリモントがカレリア地方に租税を納めさせる場面で奏でられた音楽です。
〈バラード〉は、第4景で使われた音楽で、カレリア地方がスウェーデン王ヴィポリの治世下にあったときの事を描くときに、宮廷歌手役に歌わせた音楽を編曲しています。
〈行進曲風に〉は、16世紀のカレリア地方の情勢を描いた第5景の間奏曲として作曲されたものです。ロシア軍を打ち破ったスウェーデン軍の意気揚々とした雰囲気を表現した音楽となっています。
演奏しているのは、タウノ・ハンニカイネン(Tauno Hannikainen, 1896-1968)の指揮するシンフォニア・オヴ・ロンドンです。シンフォニア・オヴ・ロンドンは、1955年ごろに、スタジオ・ミュージシャンのミューア・マシースンによって設立されたスタジオ用のオーケストラで、主にTVや映画の伴奏を担当するオーケストラで、ロンドン交響楽団とは別のオーケストラです。腕利きのミュージシャンたちの集団なので、その演奏に全く瑕疵はありません。
ハンニカイネンは、音楽家一族の出身であり、カヤヌスの後継世代としてシベリウスの作品の演奏に一家言を持っていたフィンランド人指揮者で、ただ美しいだけの演奏に終わらせず、ところどころにこだわりのアクセントをつけて、ごつごつとした耳触りの音楽に仕上げています。
特に《カレリア》組曲など、〈バラード〉のしなびた味わいがたまりませんが、続く〈行進曲風に〉は、アクが強すぎる気がします。
シベリウスは、交響曲は全部で7曲完成させており、作曲活動から遠ざかった1920年代半ば以降、交響曲第8番の作曲に没頭していたようですが、結局交響曲を発表することなく、91歳の生涯を終えています。
本CDでは、交響曲第5番と《カレリア》組曲が演奏されています。
フィンランドが世界に誇る作曲家としての地歩を固めていたシベリウスは、1915年に、生誕50周年記念の演奏会を開くことになり、その演奏会のための交響曲を作ることになりました。これが、交響曲第5番の作曲の動機になります。
ただ、この時代は、第一次世界大戦の影響でヨーロッパ全体の政情が不安定だったこともあり、当面生活費を稼ぐための小品や歌曲の作曲に時間をとられてしまったとのこと。なんとか12月8日の初演に交響曲の完成を間に合わせ、聴衆のウケがよかったものの、シベリウス自身はこの作品に満足せず、初演の翌年に改訂を施して再度演奏しました。この改訂版も好評でしたが、シベリウスは結局満足せず、1919年にさらに改訂を行って、現在の3楽章構成の交響曲に仕上げました。
元々シベリウスの生誕50年の国家的イベントのために作曲された作品だけあって、のびのびとした曲想と英雄的な盛り上がりのある作品に仕上がっています。
《カレリア》組曲は、1893年に作り上げた劇音楽を基にした組曲です。カレリア地方の歴史を綴った劇の音楽の依頼を受けて作曲したシベリウスでしたが、肝心の劇が評判にならなかったため、コンサートでも演奏できるように気に入った曲を選曲し、厳選の結果、最終的に〈間奏曲〉、〈バラード〉、〈行進曲風に〉の3曲が選ばれ、コンサート用のレパートリーとして定着することになりました。この3曲の組曲での初演は、1899年に、ロベルト・カヤヌスの指揮で行われています。
〈間奏曲〉は、劇の第3景で使われた音楽で、14世紀のリトアニア公爵ナリモントがカレリア地方に租税を納めさせる場面で奏でられた音楽です。
〈バラード〉は、第4景で使われた音楽で、カレリア地方がスウェーデン王ヴィポリの治世下にあったときの事を描くときに、宮廷歌手役に歌わせた音楽を編曲しています。
〈行進曲風に〉は、16世紀のカレリア地方の情勢を描いた第5景の間奏曲として作曲されたものです。ロシア軍を打ち破ったスウェーデン軍の意気揚々とした雰囲気を表現した音楽となっています。
演奏しているのは、タウノ・ハンニカイネン(Tauno Hannikainen, 1896-1968)の指揮するシンフォニア・オヴ・ロンドンです。シンフォニア・オヴ・ロンドンは、1955年ごろに、スタジオ・ミュージシャンのミューア・マシースンによって設立されたスタジオ用のオーケストラで、主にTVや映画の伴奏を担当するオーケストラで、ロンドン交響楽団とは別のオーケストラです。腕利きのミュージシャンたちの集団なので、その演奏に全く瑕疵はありません。
ハンニカイネンは、音楽家一族の出身であり、カヤヌスの後継世代としてシベリウスの作品の演奏に一家言を持っていたフィンランド人指揮者で、ただ美しいだけの演奏に終わらせず、ところどころにこだわりのアクセントをつけて、ごつごつとした耳触りの音楽に仕上げています。
特に《カレリア》組曲など、〈バラード〉のしなびた味わいがたまりませんが、続く〈行進曲風に〉は、アクが強すぎる気がします。
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