1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony No.35 in D major, K.385 "Haffner"
Royal Philharmonic Orchestra / Thomas Beecham
(Rec. 9 December 1958, BBC Studios)
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony No.29 in A major, K.201 (186a)Royal Philharmonic Orchestra / Thomas Beecham
(Rec. 30 March 1949 , BBC Studios)
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Symphony No.38 in D major, K.504 "Prague"Royal Philharmonic Orchestra / Thomas Beecham
(Rec. 15 December 1958, BBC Studios)
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)が、18世紀オーストリアを代表する作曲家の一人だということは、これまでに何度も書いてきました。生前ピアニストとして活躍していたモーツァルトは、自分で演奏会も企画していましたが、ピアノ曲だけでなく、交響曲なども積極的に作って聴衆にアピールしていました。モーツァルトにとって、交響曲もまた重要なジャンルでした。
本CDでは、彼の第29番、第35番、第38番の3曲の交響曲が収録されています。
第29番は、1773年から1774年にかけて書かれた9曲の交響曲の連作のひとつで、20番台のモーツァルトの交響曲の中では、第25番に次いで人気の高い曲です。第3楽章のメヌエット以外は全てソナタ形式で書かれ、四楽章からなる交響曲のお手本のような手堅い作品になっています。
第35番の交響曲は、「ハフナー」という副題がつけられていますが、これは、急遽交響曲が必要になり、ザルツブルクのハフナー家のために作った2曲のセレナードのうちのひとつをを交響曲に仕立て直したことに由来します。非常に祝祭的な響きを持っており、モーツァルトの交響曲の中でも、とりわけ演奏効果の高い曲として知られています。
第38番の交響曲は、「プラハ」という副題がつけられていますが、1786年にプラハに招待されたときに新作の交響曲として持っていったことに由来します。この曲はメヌエットの楽章がなぜか作られていません。
元々交響曲の差し替えとして作った楽章に他の楽章をくっつけて出来上がった曲なのではないかと推測されますが、寄せ集めの交響曲とは思えない立派な構成感があります。
本CDでは、トーマス・ビーチャム(Thomas Beecham, 1879-1961)が指揮をとっていますが、ビーチャムについては、準男爵の名誉勲位を持っているため、「サー」(Sir)をつけて呼ぶことも少なくありません。製薬会社の御曹司として生まれたビーチャムは、1932年にはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を創設し、第二次世界大戦後の1946年にはロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を旗揚げするなど、太っ腹なところを見せています。この2つのオーケストラは、今でもイギリスのトップ・クラスのオーケストラとしてしのぎを削っています。
本CDに収録の演奏は、戦後の録音ということもあり、後半生の手兵であるロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を起用しての演奏ですが、その演奏は「穏当」という言葉では片付けられないユニークさがあります。
ビーチャムは、あまりねちっこい練習を好まず、オーケストラのメンバーをプロフェッショナルとして大いに信頼していたといわれていますが、全てをオーケストラに丸投げしていたわけではありませんでした。《ハフナー》交響曲などでの急速楽章での推進力は、オーケストラ団員の巧さだけでは生まれてこないワザであり、ビーチャムがリーダー・シップを取ってオーケストラを煽っていることがわかります。
また、ニュアンスのつけ方も、どこか愛らしさがあり、こうした木目細やかな気配りも、ビーチャムの至芸です。
今日の古楽器スタイルに比べれば、いささかロマンティックな演奏ですが、教条的なしつこさはなく、緩徐楽章でも、どこか心温まる歌心が染み込んでいます。
本CDでは、彼の第29番、第35番、第38番の3曲の交響曲が収録されています。
第29番は、1773年から1774年にかけて書かれた9曲の交響曲の連作のひとつで、20番台のモーツァルトの交響曲の中では、第25番に次いで人気の高い曲です。第3楽章のメヌエット以外は全てソナタ形式で書かれ、四楽章からなる交響曲のお手本のような手堅い作品になっています。
第35番の交響曲は、「ハフナー」という副題がつけられていますが、これは、急遽交響曲が必要になり、ザルツブルクのハフナー家のために作った2曲のセレナードのうちのひとつをを交響曲に仕立て直したことに由来します。非常に祝祭的な響きを持っており、モーツァルトの交響曲の中でも、とりわけ演奏効果の高い曲として知られています。
第38番の交響曲は、「プラハ」という副題がつけられていますが、1786年にプラハに招待されたときに新作の交響曲として持っていったことに由来します。この曲はメヌエットの楽章がなぜか作られていません。
元々交響曲の差し替えとして作った楽章に他の楽章をくっつけて出来上がった曲なのではないかと推測されますが、寄せ集めの交響曲とは思えない立派な構成感があります。
本CDでは、トーマス・ビーチャム(Thomas Beecham, 1879-1961)が指揮をとっていますが、ビーチャムについては、準男爵の名誉勲位を持っているため、「サー」(Sir)をつけて呼ぶことも少なくありません。製薬会社の御曹司として生まれたビーチャムは、1932年にはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を創設し、第二次世界大戦後の1946年にはロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を旗揚げするなど、太っ腹なところを見せています。この2つのオーケストラは、今でもイギリスのトップ・クラスのオーケストラとしてしのぎを削っています。
本CDに収録の演奏は、戦後の録音ということもあり、後半生の手兵であるロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を起用しての演奏ですが、その演奏は「穏当」という言葉では片付けられないユニークさがあります。
ビーチャムは、あまりねちっこい練習を好まず、オーケストラのメンバーをプロフェッショナルとして大いに信頼していたといわれていますが、全てをオーケストラに丸投げしていたわけではありませんでした。《ハフナー》交響曲などでの急速楽章での推進力は、オーケストラ団員の巧さだけでは生まれてこないワザであり、ビーチャムがリーダー・シップを取ってオーケストラを煽っていることがわかります。
また、ニュアンスのつけ方も、どこか愛らしさがあり、こうした木目細やかな気配りも、ビーチャムの至芸です。
今日の古楽器スタイルに比べれば、いささかロマンティックな演奏ですが、教条的なしつこさはなく、緩徐楽章でも、どこか心温まる歌心が染み込んでいます。
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