1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Albert Ketèlbey: In a Persian Market
◈Albert Ketèlbey: In a Monastery Garden
Ambrosian Singers (Chorus master: John McCarthy)
Philharmonia Orchestra / John Lanchbery
Philharmonia Orchestra / John Lanchbery
(Rec. 13 & 14 June 1977. Abbey Road Studios, London)
◈Albert Ketèlbey: Chal RomanoPhilharmonia Orchestra / John Lanchbery
(Rec. 13 & 14 June 1977. Abbey Road Studios, London)
◈Albert Ketèlbey: In the Mystic Land of EgyptVernon Midgley (T)
Ambrosian Singers (Chorus master: John McCarthy)
Philharmonia Orchestra / John Lanchbery
Ambrosian Singers (Chorus master: John McCarthy)
Philharmonia Orchestra / John Lanchbery
(Rec. 13 & 14 June 1977. Abbey Road Studios, London)
◈Albert Ketèlbey: The Clock and the Dresden FiguresLeslie Pearson (Pf)
Philharmonia Orchestra / John Lanchbery
Philharmonia Orchestra / John Lanchbery
(Rec. 13 & 14 June 1977. Abbey Road Studios, London)
◈Albert Ketèlbey: Bells across the MeadowPhilharmonia Orchestra / John Lanchbery
(Rec. 13 & 14 June 1977. Abbey Road Studios, London)
◈Albert Ketèlbey: In a Chinese Temple GardenAmbrosian Singers (Chorus master: John McCarthy)
Philharmonia Orchestra / John Lanchbery
Philharmonia Orchestra / John Lanchbery
(Rec. 13 & 14 June 1977. Abbey Road Studios, London)
◈Albert Ketèlbey: In the MoonlightPhilharmonia Orchestra / John Lanchbery
(Rec. 13 & 14 June 1977. Abbey Road Studios, London)
◈Albert Ketèlbey: Sanctuary of the HeartJean Temperley (Ms)
Philharmonia Orchestra / John Lanchbery
Philharmonia Orchestra / John Lanchbery
(Rec. 13 & 14 June 1977. Abbey Road Studios, London)
アルバート・ケテルビー(Albert Ketèlbey, 1875-1959)は、イギリスの作曲家で、本名をウィリアム・アシュトン(William Aston)といいます。
11歳でピアノ・ソナタを書き、エドワード・エルガーから「将来大物の作曲家になる」と絶賛されたケテルビーでしたが、ロンドンのトリニティ・カレッジでグスターヴ・ホルストに作曲を師事したあと、軽音楽の作曲に手を染め、音楽プロデューサーとして活躍することになりました。
そんな彼の作品で有名なのは、《ペルシャの市場にて》を筆頭とするオーケストラ用の小品です。
重厚で厳格な音楽を第一義に考える人たちにとって、ケテルビーの音楽は「ウケ狙い」の音楽として軽視されがちですが、彼らが皮肉をこめて使う「ウケ狙い」という言葉は、ケテルビーたちにとっては褒め言葉にこそなれ、軽蔑の言葉とはなりません。
人々が聴いて、すぐに、音楽で表現された情景を思い浮かべられる、その表現力は、作曲家であればあこがれるものでもあります。肩肘張らずに楽しめるケテルビーの音楽は、重厚で厳格な音楽とはそもそもスタンスが違うもので、そのような隔たったスタンスのものを同列に論じると、ナンセンスにしかならないでしょう。
ケテルビーの一連の音楽は、「通俗」であっても、それは飛び切り上等の「通俗」だということがいえます。
本CDでは、以下の作品が収録されています。
・ペルシャの市場にて
・修道院の庭で
・ジプシーの少年
・エジプトの秘境で
・時計とドレスデン人形
・牧場を渡る鐘
・中国の寺院の庭で
・月の光に
・心の奥深く
このうち、《ペルシャの市場にて》,《修道院の庭で》,《エジプトの秘境で》,《中国の寺院の庭で》の4曲は、アンブロジアン・シンガーズが合唱として加わり、そのうちの《エジプトの秘境にて》では、テノール歌手のヴァーノン・ミッドグレイ(Vernon Midgley)が参加しています。《時計とドレスデン人形》ではレスリー・ピアソン(Leslie Pearson)がピアニストとして加わり、《心の奥深く》ではメゾ・ソプラノ歌手のジーン・テンパリー(Jean Temperley)が美しい歌声を響かせています。オーケストラはフィルハーモニア管弦楽団で、タクトを取っているのは、イギリスのバレエ音楽の巨匠、ジョン・ランチベリー(John Lanchbery, 1923-2003)です。
こうした音楽は、先に述べたように、「通俗」として馬鹿にしてかかると、ナンセンスなものとなります。
ケテルビーの音楽は、そのわかりやすさゆえに、クラシック音楽に不案内な人でも、そのよしあしがわかってしまう音楽であり、音楽家としてのひとつの試金石にもなります。
3~4分ほどの尺の中で、ペルシャに行ったり、エジプトに行ったり、中国に行ったりするので、その限られた尺の中で、どれほどの表現が出来るかというのが、指揮者にとっての課題になります。
ランチベリーの演奏は、そうしたケテルビーの一連の音楽の模範とされてきた演奏で、それぞれの曲から、ドラマを幻燈のように映し出し、それは宝石箱のようですらあります。
《ペルシャの市場にて》は、実演では弦楽器セクションが「バクシーシ!バクシーシ!アラー!」(アラーの神!お恵みを!)と、物乞いの声を大合唱することがありますが、アンブロジアン・シンガースを起用しているあたり、本CDでは万全を期したレコーディングであることがわかります。
ケテルビーの信仰告白のような《心の奥深く》など、纏綿とオーケストラを歌わせてテンバリーの歌唱につなぐあたりも、聴き所のひとつでしょう。
どの曲も、それぞれのアイデンティティを際立たせており、それゆえにケテルビーの作品演奏の宝典として、いまだに聴き継がれているのでしょう。
11歳でピアノ・ソナタを書き、エドワード・エルガーから「将来大物の作曲家になる」と絶賛されたケテルビーでしたが、ロンドンのトリニティ・カレッジでグスターヴ・ホルストに作曲を師事したあと、軽音楽の作曲に手を染め、音楽プロデューサーとして活躍することになりました。
そんな彼の作品で有名なのは、《ペルシャの市場にて》を筆頭とするオーケストラ用の小品です。
重厚で厳格な音楽を第一義に考える人たちにとって、ケテルビーの音楽は「ウケ狙い」の音楽として軽視されがちですが、彼らが皮肉をこめて使う「ウケ狙い」という言葉は、ケテルビーたちにとっては褒め言葉にこそなれ、軽蔑の言葉とはなりません。
人々が聴いて、すぐに、音楽で表現された情景を思い浮かべられる、その表現力は、作曲家であればあこがれるものでもあります。肩肘張らずに楽しめるケテルビーの音楽は、重厚で厳格な音楽とはそもそもスタンスが違うもので、そのような隔たったスタンスのものを同列に論じると、ナンセンスにしかならないでしょう。
ケテルビーの一連の音楽は、「通俗」であっても、それは飛び切り上等の「通俗」だということがいえます。
本CDでは、以下の作品が収録されています。
・ペルシャの市場にて
・修道院の庭で
・ジプシーの少年
・エジプトの秘境で
・時計とドレスデン人形
・牧場を渡る鐘
・中国の寺院の庭で
・月の光に
・心の奥深く
このうち、《ペルシャの市場にて》,《修道院の庭で》,《エジプトの秘境で》,《中国の寺院の庭で》の4曲は、アンブロジアン・シンガーズが合唱として加わり、そのうちの《エジプトの秘境にて》では、テノール歌手のヴァーノン・ミッドグレイ(Vernon Midgley)が参加しています。《時計とドレスデン人形》ではレスリー・ピアソン(Leslie Pearson)がピアニストとして加わり、《心の奥深く》ではメゾ・ソプラノ歌手のジーン・テンパリー(Jean Temperley)が美しい歌声を響かせています。オーケストラはフィルハーモニア管弦楽団で、タクトを取っているのは、イギリスのバレエ音楽の巨匠、ジョン・ランチベリー(John Lanchbery, 1923-2003)です。
こうした音楽は、先に述べたように、「通俗」として馬鹿にしてかかると、ナンセンスなものとなります。
ケテルビーの音楽は、そのわかりやすさゆえに、クラシック音楽に不案内な人でも、そのよしあしがわかってしまう音楽であり、音楽家としてのひとつの試金石にもなります。
3~4分ほどの尺の中で、ペルシャに行ったり、エジプトに行ったり、中国に行ったりするので、その限られた尺の中で、どれほどの表現が出来るかというのが、指揮者にとっての課題になります。
ランチベリーの演奏は、そうしたケテルビーの一連の音楽の模範とされてきた演奏で、それぞれの曲から、ドラマを幻燈のように映し出し、それは宝石箱のようですらあります。
《ペルシャの市場にて》は、実演では弦楽器セクションが「バクシーシ!バクシーシ!アラー!」(アラーの神!お恵みを!)と、物乞いの声を大合唱することがありますが、アンブロジアン・シンガースを起用しているあたり、本CDでは万全を期したレコーディングであることがわかります。
ケテルビーの信仰告白のような《心の奥深く》など、纏綿とオーケストラを歌わせてテンバリーの歌唱につなぐあたりも、聴き所のひとつでしょう。
どの曲も、それぞれのアイデンティティを際立たせており、それゆえにケテルビーの作品演奏の宝典として、いまだに聴き継がれているのでしょう。
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